2018/10/30 LROニュース(6)

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  • 2018.10.31 UP
    2018/10/30 LROニュース(6)
    • 【1】 ReCAAP2018年第3四半期レポート
      • 2018年7月から9月の間にReCAAP情報共有センターに報告された海賊及び武装強盗事件は64件で、3件が海賊事件、61件が武装強盗事件であった。これは前年同期と比較し3%増である。既遂事件は54件で、第3四半期における既遂事件としては2009年以降最低である。フィリピンの港内及び錨地における事件は前年同期の14件から4件と大幅に減少している。スル海・セレベス海における身代金目的の船員誘拐事件は前年同期の7件から2件に減少しているものの、9月11日に発生した漁船からの誘拐事件など、その脅威はいまだ切迫しており、当該海域では不審船舶への警戒が強く求められる。バングラデシュのチッタゴン港やインドネシアのサマリンダ沖、マラッカ・シンガポール海峡において船舶侵入事件の増加がみられる。
      • 原文 Oct, 2018, ReCAAP ISC(武智敬司)
    • 【2】 フランスで不適合燃料油の使用に対する裁判が開始
      • 10月8日、仏マルセイユにおいて、不適合燃料を使用した罪に問われている大型クルーズ船の米国人船長に対する裁判が始まった。起訴内容は、燃料油中の硫黄分含有量が欧州基準の1.5%を上回る1.68%の船舶燃料を使用していたことで、同罪によりクルーズ船を所有するP&O Cruisesの親会社であるカーニバル(Carnival plc)社も一緒に起訴されている。今回の裁判は汚染基準違反に対する同国初の事例であり、検察側は船長に禁固1年と20万ユーロの罰金を求刑した一方、船長側は当該船舶は規制の対象となる欧州港湾内での定期運航旅客船ではないと述べ、無罪を主張。さらに、欧州の環境規制はクルーズ船と貨物船とで排出基準を不当に差別化し、クルーズ船に対する基準の方が厳しく設定されているとも主張した。マルセイユは地中海のクルーズ船の主要寄港地であり、2020年には来訪客が現在の155万人から200万人まで増加すると見られていることから、今回の裁判は政治的に慎重な対応が求められているものの、同市の港湾周辺地域における大気汚染レベルは内陸部より100倍高く、汚染物質の排出源の最大5分の1はクルーズ船と言われており、深刻化する大気汚染問題への対処も同時に追われている。
      • 原文 Oct. 8, 2018, Telegraph(野口美由紀)
    • 【3】 USCG海上貿易戦略の概要
      • 米国沿岸警備隊(USCG)は10月15日、米国の海上貿易の支援及び成長に向けたUSCGの長期的ビジョンである海上貿易戦略(Maritime Commerce Strategic Outlook)を公表した。USCGは海上輸送の安全確保と円滑な海上貿易の促進に責任を有しているが、自動化やロボット、ネットワークなど新たな技術の進展による環境の複雑化に伴いその任務は難しくなっている。これらの要素は相互に依存しており混乱の影響を受けやすく、たとえ小さな混乱であっても米国の経済と安全保障を害する可能性を有している。本戦略では、①安全な海における法に沿った貿易と人の移動の促進 ②航行援助及び海上情報提供システムの近代化 ③労働者の能力向上 を柱として港湾の安全確保と自由で円滑な人・物の移動を促進し、米国の繁栄を促進するとしている。
      • 原文 Oct. 15, 2018, USCG(武智敬司)
    • 【4】 世界銀行:コソボの石炭火力発電建設事業から撤退
      • 10月10日、インドネシアのバリで開かれた世界銀行と国際通貨基金(IMF)との年次総会において、同行総裁はコソボで計画されている石炭火力発電事業への財政支援を行わない方針を表明した。その理由として、同行は最小コストの選択を原則としており、今や再生可能エネルギーの発電コストの方が石炭火力の発電コストよりも下がっていることを挙げた。当該事業は、同国における電力不足を解消するため、同国政府が2017年に発電事業を展開するContourGlobal社と約10億ユーロで契約したバルカン半島におけるこの20年で最大のエネルギープロジェクトであったが、今回の世界銀行の方針を受け、同政府がどのようにプロジェクトを進めるかは定かでない。ただ、同国経済大臣は期限内にプロジェクトを完遂させるため、同社と事業を行っていく姿勢を見せ、現在同社が国際金融機関から資金を確保するために動いていると述べた。
      • 原文 Oct. 10, 2018, Reuters(野口美由紀)
    • 【5】 デンマークのトン数標準税制の適用範囲の拡大を欧州委員会が承認
      • デンマーク政府は2016年5月に、欧州委員会に対して同国のトン数標準税制の適用対象を新たに拡充し、警戒船、オフショア掘削リグに物資を供給する船舶、海上風力発電施設を設置・修理・撤去する船舶、パイプライン・通信ケーブルを海底に敷設する船舶、海氷管理船、海上作業人員のための宿泊船を追加したいと申請していた。この申請に対して、欧州委員会はこれらの新たに対象となる船舶は、既に同税の対象となっている海上輸送を行う船舶と同様の法律上の規制を受け、同様の競争条件の下で活動していると認定し、欧州委員会が2004年に策定した「海上運送に関する国家支援ガイドライン」にも適合しているとして、10月12日適用範囲の拡充を承認した。この見返りに、デンマーク政府は現在トン数標準税制の適用が限定的に認められている関連事業(non-core activities)から得られた収益の範囲を縮小し、同税の適用対象となる収益を「純粋な海運活動(genuine maritime shipping activities)」に限定する法改正を合わせて行う予定。
      • 原文 Oct. 12, 2018, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【6】 旧ソ連が北極海に廃棄した核廃棄物の位置情報の把握作業が継続
      • 1955年から1990年代初頭まで、旧ソ連海軍は原子力潜水艦丸ごとを含め多くの放射性廃棄物を北極海に意図的に投棄してきた。露政府が2011年にノルウェー政府に開示した情報によれば、放射性廃棄物を積載したコンテナが17000個、放射性廃棄物を積載した船舶19隻、原子炉14基(うち5基は使用済み核燃料が除去されていない状況)、原子燃料を充填した2基の原子炉を搭載したK-27原子力潜水艦、放射能に汚染された重機械735台が少なくても投棄されている。今世紀に入ってから年に1回のペースで、投棄されたこれらの放射性廃棄物の位置を把握する作業が進められている。2018年もロシア海洋学科学研究院が1か月半をかけて、カラ海で放射性廃棄物の位置を把握する作業を実施した。作業に参加した科学者によれば、廃棄物からの放射能漏れは確認されていないが、環境団体は放射性物質を格納している容器が壊れて、北極海を広範に放射能汚染することを懸念しており、露政府も沈んでいる原子力潜水艦を引き上げると繰り返し表明しているが、具体的な引き上げ作業は全く進んでいない。
      • 原文 Oct. 15, 2018, Bellona(長谷部正道)
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