2018/10/23 LROニュース(6)

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  • 2018.10.24 UP
    2018/10/23 LROニュース(6)
    • 【1】 トランプ政権の反対を押し切って、NASAの地球観測事業が静かに前進
      • 【1】長期的な地球気象観測の基礎的な情報を収集する新型衛星搭載センサー「CLARREO (Climate Absolute Radiance and Refractivity Observatory)パスファインダー」の開発は、トランプ政権によって繰り返し中止に追い込まれそうになったが、9月27日米航空宇宙局(NASA)は、センサーの組み立て費用として、5700万ドルの予算が認められたことをひっそりと発表した。本センサーは2020年代初頭に国際宇宙ステーション(International Space Station: ISS)に搭載されるために打ち上げられる予定。同事業と同様にトランプ政権によって中止に追い込まれそうになった地球上の炭素をモニターする事業についても、息を吹き返し、軌道炭素観測装置をISS搭載するため2019年2月に打ち上げられることとなっている。
      • 原文 Sep. 28, 2018, Science(野口美由紀)
    • 【2】 露が対北朝鮮制裁違反の容疑で韓に拘束された露籍船の解放を韓に要求
      • 【2】10月1日、露外務省は駐露韓国大使を呼んで、韓国当局によって韓国の釜山港に抑留されている露籍船の即時解放を求めた。当該船舶を含む6隻の露船籍船は対北朝鮮制裁違反の容疑で、8月に決定された国連の制裁対象となっている。米政府はこの船舶と露の2つの船社を石油精製品を北朝鮮籍船に洋上で瀬取りさせたと露政府を非難しているが、露政府は事実関係を否定している。
      • 原文 Oct. 1, 2018, Reuters(長谷部正道)
    • 【3】 中国海軍駆逐艦が米国海軍駆逐艦に対し南シナ海で繰り返し異常接近
      • 【3】米国防総省は、中国が主権を主張する南沙諸島周辺海域において、9月30日、中国海軍の駆逐艦が米海軍の駆逐艦に対して、「危険で非常識な操船」を行い、国際海域で通常の訓練を行っていた米海軍の巡航ミサイル駆逐艦の船首から45ヤードまで異常接近し、衝突の危険を冒し、米駆逐艦は衝突回避行動を余儀なくされたと非難した。異常接近は、海上に突き出した岩礁を2014年から中国が人工的に拡張し要塞化したGaven Reefから12カイリ以内の海域で発生した。米国と中国の間の貿易摩擦が激化する中で、米国と英・仏・日等の同盟国は中国が主権を主張する海域が依然として国際的な海域であることを主張するため、海上と上空からの哨戒活動を強化している。以上の中国に対する非難に対して、中国の外交部と国防部は10月2日に、具体的な操船への言及は避けつつ、米国を鋭く批判する談話を発表している。
      • 原文 Oct. 2, 2018, NY Times(長谷部正道)
    • 【4】 OPECが2018年版「World Oil Outlook 2040」で2020年規制の影響を分析
      • 【4】9月23日、石油輸出国機構(OPEC)は「2018年版2040年までの世界石油需給予測 (World Oil Outlook 2040: WOO2018)」を発表し、2020年の硫黄分排出規制強化による中期的な影響も分析しているところ、その概要は以下のとおり。①本規制の実施は海運業界と石油精製業界に大きな混乱を与えるだけでなく、特に規制実施後の1~2年間は様々な石油製品の需要水準に影響を与える。②石油需要は2018年から2019年にかけて160万バレルから140万バレルと減少するものの、2020年には規制強化に対応するために低硫黄分のディーゼル油等の生産が増えるため、石油需要は一時的に170万バレルに急増するものの、2021年には100万バレルを切って、再び減少傾向に転ずることが予想される。③船舶燃料の需要に限定してみると、2023年までは全体として緩やかな増加傾向を継続するが、油種別にみると、2020年にディーゼル油の需要量が一日当たり60万バレルから140万バレルに急増し、ブレンドされた規制適合油の需要も一日当たり30万バレルから150万バレルに急増することが予想される。硫黄分を多く含んだ従来からの高硫黄バンカーに対する需要量は2019年の一日当たり300万トンから急減するものの、規制違反の分とスクラバーで消費される分を合わせて2020年においても同120万バレル程度の需要が引き続き見込まれ、2020年以降も、スクラバーで消費される量が規制違反の分に置き換わっていくが、基本的に同レベルの需要が継続するものと見込まれる。
      • 原文 Sep. 23, 2018, OPEC(野口美由紀)
    • 【5】 2020年規制強化に伴うコスト増に対する船社のBAF戦略に不信を募らせる荷主
      • 【5】(論説)IMOによる2020年の硫黄分排出規制強化により海運業界全体として150億米ドル程度のコスト増が予測されているため、マースク等の大手コンテナ船社は、規制開始の1年前である2019年1月1日から燃料調整(Bunker Adjustment Factor; BAF)サーチャージを導入することを表明しているが、荷主からはBAFの算定方法の不透明さや船社間での計算方法の統一性の欠如、海運会社は実際の燃費上昇分だけではなく、将来的な燃費の変動も含めてカバーするために余裕をもってBAFを算定しているのではないかという批判がなされている。さらに、コスト増ばかりでなく、スクラバー使用による燃料費節約分や輸送量の増加といったプラスの経済的要因を船社はどのように荷主に還元していくかといった根本的な疑問を荷主は持っている。荷主の約1/3がそもそも規制強化について十分な理解をしていないという調査結果はあるが、今回の規制強化によるコスト増の大きさにかんがみて、船社はBAF設定に関し透明性の高い説明を荷主にしていく必要がある。
      • 原文 Oct. 3, 2018, The Load Star(野口美由紀)
    • 【6】 米・比両軍が2019年に向けてさらに防衛協力を拡大することで合意
      • 【6】比大統領の反米・親中的な姿勢にかかわらず、米インド洋・太平洋司令官と比軍トップは、9月末に、毎年締結しているMDB-SEB(Mutual Defense Board and Security Engagement Board)の2018年合意に署名し、2019年に向けて相互の協力関係を発展していくことに合意し、米比二国間の軍事同盟が安定しているという強いメッセージを中国に送った。具体的には、2019年中に米比両軍は2018年に比べて20回多い281回の共同防衛活動を行うことで合意した。281回には大規模な共同演習から小規模の訓練活動まで幅広い活動が含まれる。両軍の協力関係は、安全保障分野にとどまらず、大規模自然災害に対する救難活動にも及んでいる。
      • 原文 Oct. 3, USNI(長谷部正道)
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