2018/10/22 LROニュース(6)

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  • 2018.10.23 UP
    2018/10/22 LROニュース(6)
    • 【1】 アラスカの湖からGHGであるメタンガスが大量発生
      • 年間を通じて凍結しないアラスカ北部の湖Esieh Lakeでは、無数の気泡が発生する現象が見られ、さらにこの気泡に点火すると火柱が立ち上がることも確認されていたが、このほどアラスカ大学フェアバンクス校の研究者らが、気泡の原因は温室効果の高いメタンガスであることを突き止めた。温暖化により永久凍土が融解し、湖底にくぼみができることで毎日乳牛約6000頭に相当する2トン以上のメタンガスが放出されている。永久凍土の中には太古の植物が凍結し、何千年分ものGHGが閉じ込められていると見られるため、研究者らは、永久凍土の融解でそれらガスが放出し、さらに温暖化が加速することに危機感を募らせている。これまで多くの気候モデルは永久凍土から発生するCO2の影響にのみ着目し、メタンガスの発生についてはごく最近まで考慮されてこなかったが、同研究者らは湖からのメタン発生でこれまで推測されていた永久凍土の融解による温暖化効果はさらに2倍高まると見ている。
      • 原文 Sep. 27, 2018, LIVESCIENCE(野口美由紀)
    • 【2】 マースクのコンテナ船が北極海北航路を初めて試験運航
      • マースクはバルト海におけるフィーダー輸送のために新たに建造したコンテナ船を利用して、北極海北航路の試験運航に成功した。同船は8月22日にウラジオストク港を出港し、釜山で660個のリーファーコンテナを積載してから、9月6日にベーリング海峡を通過して北極海北航路に入り、ヴォスチニ港に寄港したのち、サンクトペテルスブルグ港に入港した。同社によれば、運航は計画とおり順調に終了したが、東シベリア海の海氷状況が良くなかったので、当該海域では砕氷船による支援を受けた。今回の試験航海により、同社は北極海航路の安全航行に必要な船舶の装備・船員の能力・陸上からの支援システムの運用について貴重な経験を得ることができたとしている。同船は、マイナス25℃の氷海でも年間を通して運航できるよう設計されたice-classとしては世界で最大級の船舶で、マースクがバルト海におけるフィーダー運航船用に建設した7隻のうちの1隻で、7月1日に造船所から引き渡しを受けたばかりであった。
      • 原文 Sep. 28, 2018, gCaptain(長谷部正道)
    • 【3】 米議会がエルファロ海上安全改善法案を承認
      • 9月27日、米国議会下院は前日の上院の承認に引き続き、全会一致でエルファロ海上安全改善法案を承認した。エルファロ号事件は約3年前に発生し、事故調査の結果、国家交通安全委員会(National Transportation Safety Board: NTSB)と沿岸警備隊(USCG)が発表した安全性向上のための勧告をもとに本法案が策定された。主な改善点は以下のとおり。①貨物船にラジオビーコンによって緊急位置情報を発信できる自動浮上式の航海記録装置の設置を義務付け。②船舶の安全問題に懸念を持った船員が匿名でUSCGに内部通報できる試行システムの導入。③船舶が適宜適切に詳細な気象予想情報を受けることを可能とする。
      • 原文 Sep. 26, 2018, News4JAX(長谷部正道)
    • 【4】 2020年規制強化に伴う用船契約における船主と用船者の責任分担の明確化の必要性
      • 2020年の硫黄分排出規制強化後は、スクラバーの使用の有無や様々な種類の油を混合した低硫黄バンカーの使用によるリスクの増大など、従来想像できなかった様々なケースを想定して、紛争の発生を最小限化するため、船主と用船者の間の責任分担を用船契約上明確にしておく必要がある。具体例としては以下のとおり。①燃料タンクから未使用の不適合燃料油を除去することによる運航遅延リスクや清掃コストの負担については、定期用船の場合は、船主と用船者の間の責任分担を明確に規定することが可能である。②航海用船において用船者に高硫黄燃料油の使用を認める場合、スクラバーの維持管理責任を船主がどの程度負うか、また、スクラバーの使用に伴う追加的な燃料消費コストをだれが負担するか明確にすること。③燃料油の給油や抜き取りによってレイタイム(荷役許容時間)を超過した場合に、用船者が責任を開始するためには、用船契約に複雑な規定を盛り込む必要がある。
      • 原文 Sep, 2018, HFW(野口美由紀)
    • 【5】 コングスベルグ:自律運航技術による船員への影響を説明
      • コングスベルグの海事部門の幹部がドバイのノルウェー大使館で開催されたセミナーで自律運航技術の進展により直ちにすべての船員が失職するわけではないことを説明したところその概要は以下のとおり。①自律運航船のうち完全に無人化されるのはむしろ少数で、多くの自律運航船はすべてまたは一部の船員を乗船させる形で運航される見込みである。②公海上の航海においては、自動運航が進み運航要員は必要なくなるとしても、依然として保守管理要員を乗船させる必要がある。③内航海運については無人運航化が進むものの、無人運航船は陸上の運航管理センターで勤務する船員によって管理され、船員は陸上勤務をすることによって、現在の海上勤務に比較してはるかにバランスの取れた生活を送ることが可能となる。
      • 原文 Sep. 28, 2018, Seatrade Maritime News(長谷部正道)
    • 【6】 英国船主協会:IMOのGHG削減戦略が海運業界に与える影響
      • 【6】(論説)海運活動から発生するGHG総量を対2008年比で2050年までに50%削減し、さらにトン・マイル当たりのCO₂の排出量を2030年までに40%・2050年までに70%削減するというIMOで合意された目標については、この目標を達成するための実効性のある規制が依然として明確になっていないものの、強制力のある規制に加えて、新技術・新燃料の開発と導入を支援する政策が不可欠である。DNVGLの「2050年における海事予測」に基づけば、2050年時点での船舶燃料の内訳は、炭素ゼロ燃料が39%、重油・軽質油が33%、LNGが23%、電気が5%となっているが、炭素ゼロ燃料の中で、バイオ燃料・(水素)燃料電池・アンモニア等どの燃料が最も実用的か現時点で判断するのは難しい。
      • 原文 Sep. 24, 2018, 英国船主協会(野口美由紀)
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