2018/10/2 LROニュース(7)

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  • 2018.10.03 UP
    2018/10/2 LROニュース(7)
    • 【1】 EUと中国が循環型経済への移行に向け画期的な合意
      • (論説)欧州委員会と中国国家発展改革委員会の間で交わされた循環型経済(Circular Economy : CE)に関する覚書は、法的拘束力を持たないものの、CEへの移行に向けた歩みを進める上で重要な転換点であったと言える。その理由として、①欧州内のイニシアティブを除き、CEに関する初めての国際合意であること、②中長期的な相互発展を目指した「EU・中国協力2020 戦略計画」や国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実現に貢献する内容であること、③両者間で協力が必要とされる範囲を特定していること(具体的にはCEに関する戦略や法律の策定及び実行に係る協議、エコデザイン・拡大生産者責任など管理システムや政策手段における連携、化学物質やプラスチックなど主要分野における優良事例の共有、CEへの投資や資金での協力)、④既存の国際貿易や商業活動においてCEとの調和を図るため官民で協力していく必要性を含蓄していることがある。ただ、CEの具体的な成果を出すために両者がそれぞれの主体性をどこまで譲歩できるかは今後の課題である。
      • 原文 Aug 24, 2018, Lexology(野口美由紀)
    • 【2】 海運部門の脱炭素化に向け、風力の利用が現実的な選択肢の一つに
      • 海運の持続可能な将来に向け、風力を船舶の動力源として利用することについて、International Windship association(IWSA)の担当者が見解を述べたところ、その概要は以下のとおり。①海運にとって最も大きなコストは燃料であるが、風力推進では後付けの場合10~30%、新造船であれば最大50%燃料を節約し得る。②本技術の発展に向けては、市場認識が大きな障壁となっており、それを改善していくには搭載実績を増やし、信頼性や実現可能性を証明していく必要がある。③この点について、この1年は大きな進展があり、ばら積み船からタンカー、クルーズ船まで様々な船舶でローター(回転式の縦型円筒)の搭載試験が行われてきた。④IWSAでは、風力推進船の導入促進に向け、技術開発者や研究機関、海運会社、造船業者などが連携していくための風力推進ハブの発展を進めており、最初の活動拠点としては仏ナントがあり、今後さらに北欧や南太平洋、アジア米国でも拠点を築いていく予定である。
      • 原文 Aug 27, 2018, Safety4Sea(野口美由紀)
    • 【3】 米軍はペルシャ湾での活動に変更なし
      • イラン革命防衛隊海軍トップが「ペルシャ湾とホルムズ海峡を完全に支配している」としてペルシャ湾から米国の撤退を要求したのに対し、米統合参謀本部のダンフォード議長は記者会見で、ペルシャ湾地域での米軍の活動に変更はないと述べた。米海軍大学院のオストバー教授はイラン側の発言について、米国向けのメッセージというよりはイラン国内向けであると分析している。イランがペルシャ湾の安全を担うにふさわしいという主張は、米軍の撤退を促す論法としてこれまでも繰り返し主張され、イランは近隣諸国に対し、湾岸諸国同士こそが信頼し合えるとして米軍に依存しないよう働きかけてきたが、同教授によれば湾岸諸国はむしろ米国に対し、ペルシャ湾をイランから守ってほしいと考えているという。それでも、イランの言動を全くの脅しと取るべきではなく、米国と同盟国がイラン産原油の輸出阻止を推し進めれば、イランは海上で対抗措置に出るだろうと同教授は指摘している。
      • 原文 Aug 28, 2018 USNI News(武智敬司)
    • 【4】 マースク:2020年以降にかかる追加燃料費は年間20億米ドル
      • 既報のとおり、マースクは、硫黄分排出規制強化対策として、LNG燃料の使用やスクラバーの搭載に否定的な立場を示し、低硫黄適合燃料油の使用を表明しているところであるが、それに伴い2020年以降にかかる追加燃料費は最低でも年間20億米ドルに上るとの見通しを示した。先日発表したロッテルダム港におけるRoyal Vopak社との共同事業で、マースクの運航する船舶が年間に消費する燃料油の約20%を確保するとしているが、同様の供給体制の整備が他の場所においても可能かどうか現在検討しているところである。
      • 原文 Aug 29, 2018, Bloomberg(野口美由紀)
    • 【5】 パリ協定ではクリーン開発メカニズムを見直すべき
      • 京都議定書の柔軟性メカニズムの一つで、先進国が技術や資金の支援を通して途上国でGHG排出削減事業を行い、それにより生じた削減量の一部をクレジット(排出枠)として自国の削減分に充当できる制度「クリーン開発メカニズム(CDM)」について問題点が指摘されているところ、その概要は以下のとおり。①CDMの特徴である排出量の相殺は、一方の国では排出量が減少するものの、他方では増加することを意味しており、すべての国で早急に脱炭素化を図らなければならない現在において、この制度が果たす役割はない。全部門が排出削減に取り組み、国内の気候変動対策に投資することが先決である。②CDMは地域コミュニティに深刻な被害をもたらす引き金にもなっている。事実、コロンビアの水力発電ダムプロジェクトなどコミュニティ全体の環境や生活を破壊してしまったものもある。③CDMクレジットが先進国の削減量に充当されることで、同国におけるGHG排出量の増加を招く逆効果がある。欧州だけでCDMクレジットの利用により増加したCO2排出量は約7億5000トンに上る。真に環境保全に貢献した可能性の高いプロジェクトは全体の2%にすぎない。④つまり、パリ協定においてもCDMクレジットを認めることは、GHG排出の巨大な抜け穴を作ることと同じである。
      • 原文 Aug 31, 2018, Climate Change News(野口美由紀)
    • 【6】 DNV-GLが中国で最初の高圧直流式海上風力発電施設の設置を支援
      • 中国の海上風力発電量は既に2.8GWと英・独に続いて世界第3位の規模に達しているが、さらに2020年までに5GWにまで引き上げる計画を立てており、2017年1年間だけでも1,2GW分の海上風力発電施設を建設した。しかし、海岸から10Km以内の海上風力発電が立地できる適地はほぼすべて開発されつくされ、今後発電量をさらに増加させるためには10km以上の沖合に施設を建設しなくてはいけない状況にある。しかし、今までの海上風力発電施設に使用してきた高電圧交流発電施設(HVAC)による交流の電流は長距離の送電には向いておらず、高電圧直流式発電施設(HVDC)を建設する必要がある。具体的には中国東部の江蘇州の海上90kmの沖合に中国初の直流式海上風力発電施設を建設するための事業可能性調査を広州エンジニアリング社が実施するにあたり、DNV-GLから技術的な訓練や助言を受けるための契約が締結された。
      • 原文 Aug 29, 2018, DNV-GL(長谷部正道)
    • 【7】 ヤマルLNG事業が冬季の高需要期に合わせて順調に生産量を拡大
      • 通常この規模の事業は計画の遅れに悩まされるものであるが、ノヴァテク社のヤマルLNG事業は予期された以上にこの夏の間に生産量を伸ばして、8月に実績ではロシア国内のもう1つのLNG生産拠点であるサハリンLNGの生産量を追い抜き、LNGの価格が高くなる冬季の高需要期に向けて準備は十分にできている。現在第1期精製施設に加えて、第2期精製施設もフル稼働して、両方を合わせると生産量は年間1100万トンの水準に達しており、すでに第3期精製施設の建設にも取り掛かっている。ロシアは主としてガスプロムによるサハリン2事業により昨年は10,8mpaのLNGを輸出したが、今年はヤマルからの輸出量を合わせて、役倍増の20mpa以上のLNGを輸出し、世界で第5位のLNG輸出国となる見込み。
      • 原文 原文 Aug 31, 2018, Reuters(長谷部正道)
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