2018/10/17 LROニュース(5)

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  • 2018.10.18 UP
    2018/10/17 LROニュース(5)
    • 【1】 G7ハリファクス環境大臣会合の議長とりまとめ
      • 9月18日から21日にかけてカナダのハリファックスで開催されたG7環境大臣会合では、6月のG7首脳会合で採択された「健康な海洋及び環境汚染を受けにくい沿岸地域社会建設のためのシャルルボワ行動計画」の具体的な進展を図るため、途上国や小島嶼国の代表者、国際機関や産業界等の代表者らも参加し、以下の4つの議題について議論されたところ、主な合意内容は以下のとおり。①低炭素経済への長期的な経済的移行:上下水道の整備や環境面に配慮したごみ処理等のための持続可能なインフラへの投資を進めるなど具体的な行動を早急に講じることが必要。②「リサイクル型経済と資源効率性」:資源の有効活用が持続可能な低酸素社会への移行のためのかぎとなり、さらに、リサイクル型経済への移行が海洋ごみ問題の解決に向けても重要。③「行動の緊急性と大気汚染削減の機会」:パリ協定の実現のために、先進国による具体的な支援と迅速な対策が必要で、GHG削減ばかりでなく大気汚染物質の削減に取り組む必要。④「適応対策と自然保護」:長期的かつ科学的知見に基づいて、適応対策・非常時準備対策・災害復旧をより統合的に進めることにより、災害に強い社会を野心的に創造することが必要。
      • 原文 Sep. 21, 2018, G7 CHARLEVOIX(野口美由紀)
    • 【2】 今夏の北極海は海氷面積減少するも両航路の運航条件は悪化
      • 独アルフレッドウェゲナー極域海洋研究所(AWI)の発表によれば、9月半ばに今夏の北極海氷域面積の最小値が記録され、観測を開始した1979年以降6番目に低い値となる440万㎢であった。これは、昨夏の470万㎢をわずかに下回る。一方、カナダの北西航路については昨夏と対照的に海氷は完全に消失せず、カナダ沿岸警備隊が小型船に対して警告を発出した他、大型船も航路の変更を余儀なくされた。これは、海氷の移動が気候パターンに大きく左右され、今夏は北極諸島を覆った高気圧の影響で厚い多年氷が海流に乗ってボーフォート海に流れ込んだためと見られている。他方、ロシア北東航路の海氷状況は、7月までは過去7年で最も厳しく、砕氷船が必要なほどであったが、8月以降は6週間にわたって大部分で海氷が完全に消失した。
      • 原文 Sep. 21, 2018, High North News(野口美由紀)
    • 【3】 情報通信海底ケーブルに対する保安上の懸念
      • (論説)海底に敷設された情報ケーブルは、国際的な情報通信の99%を担っているが、近年各国が海底情報ケーブルの保安対策に強い関心を持つようになってきた。NATOは2017年12月に海底情報ケーブル周辺の露の潜水艦の不審な行動を監視するための専門組織を立ち上げ、2018年6月には、海底における情報ケーブルを攻撃する能力を支援する露の企業に対して、米の財務省は制裁措置を発動した。豪政府も、中国が支配する海底ケーブルが豪の海底ケーブルネットワークに接続されるとサイバーセキュリティ上の危険が増すとして、ソロモン諸島周辺の海底ケーブルの敷設に中国のHuaweiが参入するのを阻止した。しかし、海底ケーブルを経由する情報をひそかに盗み取ることは、海の深さという物理的な制約に加え、ネットワークの管理者が不審な動きを監視しており、またケーブルを流れる情報の3/4が暗号化されているため、そんなに簡単なことではない。
      • 原文 Sep. 19, 2018, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【4】 ISRA:EU域内のリサイクル施設の処理能力は十分な見通し
      • 2018年12月31日に発効するEUのシップリサイクル規則では、適正なEU船籍船のリサイクル能力は250万LDTだと明記されているため、安全で信頼できる船舶リサイクル施設が不足する可能性が議論されている。しかし、国際船舶リサイクル協会(ISRA)の分析によれば、リサイクルされるEU船籍船は過去8年間で平均年75万LTDから45万LTDまで減少した上、現在承認されているEU域内のリサイクル施設の処理能力は130万LDTあり、2018年末までにさらに50万LDT増えると予想されていることから、需要を処理するのに十分と言える。その上、この先8年間スクラップされるEU船籍船の船腹量は100万LDTを越えないとも予想されている。また、リサイクル施設の規模でもリサイクル能力は限定されていると言われるが、ISRAの分析によれば過去7年間でスクラップされた12500GT以上の大型EU船籍船のうち、南アジアでビーチング方式により解体された船舶はわずかであり、これらの船舶はトルコの信頼できるリサイクリング施設でリサイクルすることが可能だったとISRAは強調している。
      • 原文 Sep. 21, 2018, ISRA (Julie Harper)
    • 【5】 中国が日本を抜いて世界第2位の船腹保有国に
      • 中国が日本を抜いて世界第2位の船腹保有国となった。第1位のギリシャとはまだ差があるものの、中国の保有する船腹量が急増しているため、ギリシャとの差も急速に縮小しつつある。クラークソン調査会社によれば、中国の船腹量は、2015年に6.5%、2016年に7.5%、2017年に9.4%、2018年1月から8月で7.1%対前年比拡大し、本年8月末の時点で7744隻(170MGT)を保有している。同時点でギリシャの船腹量は222MGT、日本は167.6MGTとなっている。これを2014年のそれぞれの国の船腹保有量と比較すると、中国は34%、ギリシャは23%の成長を達成したのに比べて、日本はわずか2%の微増となっている。
      • 原文 Sep. 13, 2018, Hellenic Shipping News(長谷部正道)
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