2018/1/22 LROニュース(11)

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  • 2018.01.22 UP
    2018/1/22 LROニュース(11)
    • 1】 シンガポールPSAが港湾関連の新技術を披露
      • 1】 1月10日から14日まで、PSAシンガポールは「将来のインテリジェント港湾」と題した博覧会を開催し、港湾運営に関する数々の新技術を披露したところその概要は以下のとおり。①自動ツイストロック施錠・開錠アーム:現在コンテナの積付・積降にあたっては、岸壁のクレーンのわきで、固縛担当者がツイストロックの施錠・開錠作業を行っているが、自動プラットフォームやロボットアームを利用してこの作業を自動化する。②無人ドローン: あらかじめインプットした飛行計画をもとに自律的に飛行する無人ドローンを利用して、船舶と港湾間の軽貨物の輸送、港湾ターミナルの保安監視、様々な情報収集を行わせる。③将来の自動荷役機器集中管理センター:港湾ターミナル内の自動軌道走行ガントリークレーン(ARMGs)、自動運送車(AGVs)、自動岸壁クレーン(AQCs)といった自動荷役装置を1か所で集中管理するため指令所。
      • 原文 Jan. 9, 2018, PSA (長谷部)
    • 2】 ドイツの連立政権の交渉で2020年のGHG削減目標が延期
      • 2】 ドイツ政府は、同国の二酸化炭素の排出量を40%削減(1990年比)する達成目標を設定したが、メルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)とドイツ社会民主党(SPD)間の連立政権を設立するための交渉で、両党が同達成目標を2020年から2020年代前半に延期することに1月8日に合意した。2030年までに二酸化炭素の排出量を55%削減する既存計画は変えずに推し進められる。なお、現状ではドイツの電力消費量の3分の1が再生可能なエネルギーとなっており、ドイツ政府は再生可能なエネルギーの割合を2025年までに45-55%に引き上げる計画をもっていたが、最近の連立政権の交渉において、当該割合を2030年までに65%に引き上げる新たな目標が合意された。
      • 原文 Jan. 8, 2018, Reuters (Dafnis)
    • 3】 ノルウェー首相:米大統領に地球温暖化への取り組みが重要と主張
      • 3】 1月10日、トランプ大統領との共同記者会見でノルウェーのソルベルグ首相はノルウェー政府がパリ協定の目標達成に積極的に取り組んでいると主張した。また、ソルベルグ首相はトランプ大統領に地球温暖化への取り組みは多数な事業・経済的な機会を提供することを説得しようとし、その一例として、ノルウェー人の約3分の1は排ガスゼロ車を運転し、その多くが米国のテスラ社の電気自動車であることを指摘した。トランプ大統領は、予定されている米国のパリ協定離脱は大きな話題にはならなかったと語り、パリ協定は米国に対して非常に不公平であり、米国の競争力に悪影響を及ぼすという意見を改めて強調した。
      • 原文 Jan. 10, 2018, VOA News (Dafnis)
    • 4】 カナダが新たな「北極海海運安全環境保護規則」を策定・施行
      • 4】 カナダ政府はIMO極海コードを国内に適用するため新たな「北極海海運安全環境保護規則」を策定・施行したと発表した。IMO極海コードは北極海と南氷洋を航行する船舶が航行の安全と環境の保全のため順守すべき事項を規定しており、具体的には、氷海航行に必要な船舶の設計や装備品に関する基準、船舶の運航と安全運航のための船員の訓練基準などが定められている。カナダ政府は何十年にもわたり北極海における航行の安全を規制してきた経験をもとに、IMOにおける極海コード作成作業において常に主導的な役割を果たしてきた。さらにカナダ政府は海洋保護計画を策定し、昨年8月に加交通大臣は北極海の安全と環境を守るために、同計画から1億7500万ドルを支出すると表明している。
      • 原文 Jan. 10, 2018, カナダ政府(長谷部)
    • 5】 台湾政府が自主的に減速しまたは低硫黄燃料油を使用する船舶に補助金
      • 5】 高雄市に本社を置く国営の台湾港務(TIPC)は、同港に入港する大型船が同港から20海里以内の海域で運航速度を12ノット以下に削減することを2012年から奨励してきたが、殆どの船舶はまだ18ノット程度で運航している。こうした状況を踏まえ、台湾政府は台湾南部における大気汚染への取り組みの一環として新たな補助金制度を設立し、台湾の国際港湾に入港する国際クルーズ船・1万トン以上の貨物積載能力のある貨物船を対象に、運航速度を自主的に削減する船舶へ8000台湾元の補助金を支給すると発表した。更に、本年に台湾交通部航港局は450億台湾元の予算で、低硫黄燃料に切り替えた船舶へ5000台湾元の補助金を支給する試行措置を実施する。両事業により、港湾区域で3832トンの硫黄酸化物を含む合計5000トンの大気汚染物質を削減できると見込んでいる。
      • 原文 Jan. 12, 2018, Taipei Times (Dafnis)
    • 6】 硫黄含有分規制逃れが国際競争に与える影響と監視の必要性
      • 6】 (論説)国際バンカー産業協会(IBIA)の試算によれば、2020年の現時点における重油バンカーと低硫黄分バンカーの価格差はトン当たり150ドルから400米ドルに達するものと予測されている。世界最大級のタンカーやばら積み貨物船は1日で50トンから75トンのバンカーを消費し、コンテナ船とクルーズ船ははるかに多くのバンカーを消費することを考慮すると、硫黄規制を逃れることによりコストを大幅に節約できる。規制逃れの可能な形態として 、船舶の乗組員がバンカー供給会社と結託し、低硫黄バンカーを購入したように請求書等を改竄して、安い重油バンカーを実際に購入することによる節約金額を乗組員とバンカー供給者で折半することが考えられるが、この場合には、海運会社自体は恩恵を受けない。競争優位性を確立するには、経営レベルをはじめ指揮系統全体にわたる共謀が必要である。会社の規模が大きくなればなるほど、内部報告者が出る可能性が高まると共に、同会社が罰金刑を科せられたり社会的評価が落ちたりするリスクが高いので、大手海運会社で組織ぐるみの不正が行われる可能性は低く、考えられるのは家族経営の小さな船社のみで、海運業界全体の競争環境に及ぼす影響は少ない。従って、一部の規制逃れによって、規制を順守している船社の国際競争条件が大きく影響される可能性は極めて少ないので、公平な国際競争条件維持の観点からは、規制順守を監視する体制を強化するためにIMO、EU、各国の海事当局等が新たに大金を投資する必要はない。
      • 原文 Jan. 15, 2018, Seafarer Times(Dafnis)
    • 7】 海氷の減少により富栄養価が進む北極海
      • 7】 (論説)北極海の温暖化は急速に進み一部の海域では海水の温度が1980年から2010年までの平均海水温に比べて4度も高い状況になっている。この北極海の温暖化により、海氷が減少するばかりでなく、目に見えない形で北極海に流れ込む炭素や栄養素の量が増加しており、北極海の既存の海洋食物連鎖や生態系に大きな影響を与える可能性がある。最近の科学誌に発表された研究によれば、北極海沿岸の大陸棚に堆積している栄養分・微量金属・炭素を多く含む表土が北極海中央海域に流れ込み、プランクトンを大量発生させ、北極海の食物連鎖を変化させる可能性がある。従来北極海中央部は日照や栄養分が限られていたため生物学的生産性は低いレベルで抑制されていたが、海氷の減少により海面に対する日照時間が増え、栄養分の増加によってプランクトンや藻類が大量発生して、食物連鎖の起点となっていた北極海中央分の環境を変えることにより、北極海における食物連鎖全体が影響される可能性が高まっている。
      • 原文 Jan. 11, 2017, Ocean Deeply (長谷部)
    • 8】 船舶燃料としての水素のメリットと開発の方向性
      • 8】 カリフォルニア大学国立燃料電池研究センターのセンター長によれば、①港湾における船舶の排気に関する規制が今後とも強化されること。②電解装置さえあれば、船上でもあるいは風力や太陽電池のような再生可能エネルギーを利用して、どこでも簡単に水素を製造できること。③燃料電池が普及するにつけ、量産効果で単価が安くなり、化石燃料より長期的には経済的に有利になる可能性があることから、海運業界においても長期的には水素から製造される電気が船舶の動力として有力な選択肢となるとしている。燃料電池が非常に高価であり、クルーズ船やコンテナ船を動かすためには大きな動力が必要なので、当面、電気動力船は自動車と同様にハイブリッド技術が利用されると考えられる。韓国のLGはハイブリッド燃料電池を活用したLNGを燃料とするタービンエンジン船を4年以内に開発すると発表している。
      • 原文 Jan. 10, 2018, Oceans Deeply (長谷部)
    • 9】 深刻化する海洋の低酸素化に歯止めをかけることは可能か?
      • 9】 世界の海洋の低酸素化は静かに進行しているが、海洋生物の生物多様性を大幅に減少させ海洋生物の生態系に大きな影響が及ぶ前に、海洋低酸素化の傾向を食い止めることが可能か科学的に大きな議論となっている。最近サイエンス誌に発表された論文によれば、過去50年間で全世界の海洋に含まれる酸素の量が2%減少し、酸素が欠乏している海洋の範囲が4倍に拡大した。海洋に含まれる酸素の量が標準的な水準の半部しかない最低限の酸素レベルの海域の広さはほぼEU全域と同様の面積に拡大している。こうした海洋に含まれる酸素の量の減少の主たる原因は気候の温暖化によってもたらされた海水温の上昇であり、暖かな海水はより少量の酸素しか吸収できず、また酸素の空中への放出を促進するとともに、海洋表面の温暖化は酸素が豊富な深海の海水と海面の海水の循環速度を低下させている。
      • 原文 Jan. 9, 2018, Oceans Deeply (長谷部)
    • 10】 シンガポール政府が「海運産業変革計画」を発表
      • 【10】 1月12日、シンガポール交通担当大臣は「海運産業変革計画(Sea Transport Industry Transformation Map: STITM)を公表し、2025年までに海運産業の経済規模を45億ドル拡大し、5000人の雇用を創造すると発表した。同計画は同国海事港湾庁(MPA)が中心となって、関係業界・労組・関係官庁と連携し、MPAの長期戦略に基づき、同港を次世代の新たな国際海事センター(IMC)とするために作成されたところその概要は以下のとおり。①最近、CMA-CGM, COSCO, Ocean Network Express(ONE) がシンガポール港の拠点機能を強化したが、海外の他の海事クラスターとの接続性を強化し、国際海事ネットワークの中核拠点としての機能を強化する。②新たなTuas港を効率的でインテリジェントな港湾とするため、ジャストインタイム船舶到着制度や諸手続きの一元化(Maritime Single Window)を導入するなどIndustry 4.0に対応した技術革新を図る。③港湾の自動化・デジタル化の導入に対応して、現在同港で働く労働者の技能を向上し、より付加価値の高い業務にスムーズに移行できるような支援制度を充実させる。
      • 原文 Jan. 12, 2018, MPA (長谷部)
    • 11】 北朝鮮制裁:米、公海上での臨検を模索
      • 11】 米、加は1月16日にバンクーバーで会合を開き、北朝鮮制裁への違反の阻止を関係機関に呼びかける見込みである。先日韓国は、制裁に違反して公海上で北朝鮮船舶に燃料を供給した2隻のタンカーを拘束したが、いずれも公海上ではなく港内で拘束されている。会合には米国務長官、加外相のほか、仏、英、印、日、韓及び朝鮮戦争で国連軍に加わった国の高官が出席するが、海上阻止行動に反対する中、露は招待されていない。米国務省の高官は、北朝鮮を対話のテーブルに着かせるには政治的圧力が最も有効と確信しており、海上阻止行動は制裁逃れの摘発に有効であるとしている。公海での海上阻止行動は戦争行為の合法化にほかならず、公海自由の原則を阻害すると警鐘を鳴らす研究者もあるが、過去米国によってなされた提案では、対象を北朝鮮に関連する船舶にのみ限定することで、このような懸念を払拭しようとしている。
      • 原文 Dec. 12, 2018 The Maritime Executive (武智)
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