2018/1/19 LROニュース(10)

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  • 2018.01.19 UP
    2018/1/19 LROニュース(10)
    • 1】 英首相がプラスチックゴミ削減対策を発表
      • 1】 1月11日に、英首相は「環境改善25か年計画」の一環として、2042年までに代替可能なプラスチックゴミをゼロにする目標を発表した。具体的な対策としては、①スーパーマーケットにプラスチック包装材が全く使用されない商品専用の売り場を設ける。②食品用の使い捨てプラスチック包装材に課金する。③プラスチックの買い物袋1枚当たりに5ペンス課金する制度を延長し、イングランドの全ての小売店で実施する。④プラスチックに関する技術開発に政府が資金支援する。⑤英国の政府開発援助等を利用して、途上国が環境汚染・プラスチックゴミを削減するのを支援する。英首相はさらに海洋問題を4月に開催される英連邦首脳会議の主要議題として取り上げるとも語った。これに対し、環境団体は今回の計画に法的拘束力がないこと、労働党党首は25年計画というのは長すぎて、「ごみのポイ捨て文化」は今こそ取り組まなければならない重要課題だと批判している。
      • 原文 Jan. 11, 2018, BBC (Dafnis)
    • 2】 欧州委員会が新たなプラスチック課税を検討
      • 2】 欧州委員会はEU全体を対象に買い物袋などに使用されるプラスチックの課税を検討していると1月10日に発表し、海洋プラスチックゴミの問題と英国離脱後の財源縮小に対して一石二鳥のような解決策を目指している。EUの年次予算全体は約1050億ユーロであり、英国は現在13%(約130億ユーロ)を拠出しているので、英国が2019年3月末にEUを離脱すると財源が不足することとなる。更に、今後のEU歳出が100億ユーロも増加することが見込まれているので、それは合計230億ユーロの不足分に相当する。プラスチックの課税からの収入は恐らく比較的に少ないが、加盟国の拠出に依存する自主財源の少ない欧州委員会の現状を考慮すると、これはかなり重大な提案である。その他の対策としては、①歳出を削減する。②加盟国にさらなる拠出を求める。③欧州排出権取引制度からの収入を加盟国からEU全体の予算に移譲する。
      • 原文 Jan. 10, 2018, Independent (Dafnis)
    • 3】 欧州におけるプラスチックゴミ問題の現状と簡単な減量対策
      • 3】 毎年800万トンのプラスチックゴミが全世界の海洋に流出し、最近の予測では2050年までに世界の海洋に魚よりもプラスチックゴミの方が多くなる。このため、環境団体はEUに法的拘束力のある減量対策の実施を求めており、欧州委員会は1月16日にプラスチックゴミを削減するための戦略を発表する。1月11日、欧州環境局(EEV)は以下の簡単な減量策を発表した。①使い捨ての包装材を使わないようにする。欧州諸国が年間数100億個のプラスチックボトル・コーヒカップ・食品用の使い捨て容器を消費し、これらは同諸国の海岸に漂着したゴミの半分を占める。②再利用可能 な買い物袋を利用する。全世界で1 分間当たりに100億枚のビニール袋が利用されているので、中国等は既にビニール袋を禁止し、アイランド等は同袋の課税を開始した。③プラスチック微細粒子を含む製品を買わない。英国の調査では、同国の海域で捕れた魚の3分の1にプラスチック破片が発見された。④プラスチックをリサイクルする。欧州では、2016年にリサイクルされたプラスチックゴミの割合は30%に過ぎなかったので、2017年12月にEU加盟国は2035年までに該当割合を最低55%に引き上げることに合意した。⑤政府の行動を要求する。例えば、代替可能な使い捨てプラスチック製品の販売制限や、プラスチックの製造や販売によって利益を得る会社にプラスチックゴミ回収・再生の財政的な責任を問う。
      • 原文 Jan. 11, 2018, META (Dafnis)
    • 4】 海賊事件の人質となった船員の多くにPTSDの後遺症を発見
      • 4】 IMOの統計によれば、1984年から2016年までの間に報告された海賊と武装強盗の件数は7567件で、2016年中だけでも221件に達している。海賊に人質として長期間誘拐された船員は、銃撃され、威嚇され、殴られ、同僚が殺されるのを目撃するといった凄惨な経験により長期にわたって心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされ続けることが多い。フィリッピン・ウクライナ・インド出身で海賊に誘拐された経験を持つ450人の船員を対象にした調査では、誘拐されたことのない船員のPTSD発症率が4%であるのに比べ、調査対象となった船員の1/4がPTSDを発症していた。さらに、普通に職場復帰できた残りの3/4の船員についても、周辺の人間からPTSDをいつか発症するのではないかという色眼鏡で見られることも問題であると報告されている。
      • 原文 Dec. 28, 2017, Oceans Deeply (長谷部)
    • 5】 英国政府が「Green Future: 環境改善25か年計画」を発表
      • 5】 1月11日、英国政府が「Green Future: 環境改善25か年計画」を発表したところその概要は以下のとおり。英国政府は①小売店においてプラスチック買い物袋1枚当たり5ペンス課金する制度を継続し、政府が管理する建物において使い捨てのプラスチックの使用を禁止し、公共の水飲み場を整備するよう水道事業者を支援し、スーパーにプラスチック包装材を使用しない売り場を設置すること等により、代替可能なプラスチック製品の削減を図る。②絶滅危惧種のために新たに50万ヘクタールの生息地を造成し、農家が使わなくなった農地を牧草地等に戻すのを支援すること等により、野生動物が増加するのを支援する。③開発途上国がプラスチックゴミの問題に取り組むのを海外援助資金で支援し、英国の海洋保護区のネットワークを拡張すること等により、環境保護に関する世界のリーダーとなる。
      • 原文 Jan. 11, 2018, 英国政府(長谷部)
    • 6】 北極海第2 LNG事業に外国の技術を積極的に活用
      • 6】 ノヴァテック社はヤマル半島の対岸のGydan半島に、北極海第2LNG事業の整備を進めているが、2017年5月に独仏のエンジニアリング会社であるTechnip and Linde(TL)社と枠組み協定を締結し、TL社の北極海における天然ガスの液化技術を導入し、独から必要なライセンスを購入することで合意している。またオビ湾の海底構造物として使用する重力着底型構造物(Gravity-based Structure: GBS)の建造についてもイタリアのSpaiem社と2016年に戦略連携協定を締結し提携していく見通しで、Spaiem社とは現在ムルマンスクの郊外に建設を計画しているプラントのモジュールを製造するためのコラ造船所の建設でも連携する可能性がある。北極海第2LNG事業は2023年初頭の操業開始を目指し、それぞれ610万トンの生産能力を持つ3つの製造ラインを持つ予定で、近隣のSalmanovskoyeガス田やGeofizicheskoyeガス田等から天然ガスの供給を受ける予定。
      • 原文 Jan. 10, 2018, The Barents Observer (長谷部)
    • 7】 東・東南アジア海域は新たな「魔のバミューダ三角海域」か?
      • 7】 海上保険のAGCS社によれば、2007年初めから2016年末の10年間に世界で25898件の海難事故があり、このうち1186件が全損事故であったが、世界全体でみればこの10年間に船舶運航の安全性が格段に向上し、2007年に171件あった全損事故が、2016年には85件とほぼ半減した。一方で、日本・韓国・中国・インドネシア・フィリッピンを含む東・東南アジア海域における全損事故は同期間中微減にとどまり、10年間の平均で年間39件の全損事故が発生し、全世界の約1/3の全損事故が同海域で発生している。2016年だけで見ても、同海域で発生した全損事故は34件と全世界の全損事故85件のうち40%を占めている。海事コンサルタントによれば、同海域で全損事故が多いのは、海上交通量が多く、気象海象条件も悪いというだけでは説明しきれず、当該海域において船舶の安全運航に必要ないくつかの安全基準が国際基準に適合していないためではないかと指摘している。
      • 原文 Jan. 10, 2018, Marine Link (長谷部)
    • 8】 EMSAがポルトガルへの遠隔操縦航空機によるサービス提供を開始
      • 8】 1月6日、EMSAは最初の遠隔操縦航空機(RPAS)による支援サービスをポルトガルに対して開始した。海上における違法行為や海洋汚染の発見、漁業監視、海上交通監視のための多目的海洋監視の支援として、すでに60時間以上の飛行をRPASは実施している。機体には電子光学カメラや夜間活動のための赤外線センサー、レーザー発行器を装備しているほか、AIS、遭難信号受信器、監視対象船舶をより詳細に捉える静止画カメラを備えている。このオペレーションは国家調整委員会が主導し、天然資源局、海事局、警察、国境管理局、海軍、空軍など複数の政府機関等が参画している。EMSAは3か月間にわたってこのRPASサービスを提供する。
      • 原文 Jan. 11, 2018 EMSA (武智)
    • 9】 USCG長官、砕氷船建造のため予算抑制の解除を求める
      • 9】 USCGの新型大型砕氷船は2023年に第1船が就役の見込みであるが、1月10日、USCG長官は、稼働可能なUSCGの大型砕氷船がPolar Star1隻しかない状況を踏まえ、今後必要となる砕氷船を揃えるには議会が財源の凍結を解除する必要があり、仮に議会が通常ベースで国防省及び国土安全保障省の予算を認めなければ、新型砕氷船の就役予定が危うくなるとの見解を述べた。1977年に就役したPolar Starはすでに寿命を超えており、USCGはもう1隻保有する大型砕氷船Polar SeaをPolar Starの部品取りとして延命している。現在のところ、米国は3隻の大型砕氷船と3隻の新型中型砕氷船の計6隻を建造する計画であるが、中型砕氷船を新たに設計して建造するより、大型砕氷船4隻を建造するほうが約1億ドルの節約になるとのレポートもある。USCG長官は、予算抑制の継続から、砕氷船建造計画を変更するかどうか今後2年以内に決定しなければならなくなると述べている。
      • 原文 Jan. 10, 2018 USNI(武智)
    • 10】 東南アジアで多発する武装強盗
      • 10】 国際商業会議所国際海事局(ICC IMB)が発表した2017年の海賊発生状況のレポートによれば、チッタゴン、マニラ、ビンタン島の錨地ではそれぞれ9件の武装強盗が2017年に発生し、ラゴスやカタルヘナ等他の強盗頻発地域を抜いて世界で最多となっている。錨地での武装強盗対策としてIMOは、自船の乾舷や船速、積荷の種類、非常時に動員可能な船員の数、船上の監視装置等を含む保安アセスメントを錨地到着前に実施することを推奨している。十分に訓練された乗員による厳重な警戒が最も効果的な武装強盗対策であるとIMOはしている。加えて、船外からのアクセスポイントを管理し、船舶の航海計画や積荷に関する情報の拡散を最小限にすることが肝要である。もし錨地に長く留まるようになりそうであれば、航路の調整や沖待機等により、自船が強盗のリスクにさらされる時間を短くすることも一考である。
      • 原文 Jan. 11, 2018 The Maritime Executive (武智)
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