2018/1/18 LROニュース(11)

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  • 2018.01.18 UP
    2018/1/18 LROニュース(11)
    • 1】 MARPOL附属書Vの改正が3月1日から発効
      • 1】 3月1日から発効するMARPOL附属書V(船舶からの廃棄物による汚染の防止に関する規則)改正の主たる内容は以下のとおり。①貨物残滓については海洋環境に有害(harmful to environment: HME)と認定されたものの方が有害でないものより排出基準が厳しいが、SOLAS規則VI/1-1.2に定める穀物を除く固体ばら積み貨物は附属書Vの新たな付表1に分類され、荷送り人は当該貨物がHMEに該当するか否か申告しなくてはならなくなった。②廃棄物登録簿(Garbage Record Book: GRB)の様式が改正され、貨物残滓以外の全ての廃棄物に関する第1部(すべての船舶に適用)と貨物残滓(固体ばら積み貨物運搬船に限定)に関する第2部に分割されることとなった。③GRB上の廃棄物の分類に、電子廃棄物(E-waste)が追加されるとともに、貨物残滓についてHMEと非HMEに分けて記載されることとなった。
      • 原文 Jan. 5, 2018, DNV-GL (長谷部)
    • 2】 英国でプラスチック微細粒子が入った化粧品等の製造が禁止
      • 2】 洗顔料や歯磨きに含まれるプラスチック微細粒子は毎年数千トンが海に流出し、海洋生物の体内に蓄えられ、食物連鎖を通して人間の食物にも入る場合がある。米国は既に2015年にプラスチック微細粒子が混入された製品の製造販売は禁止されており、続いて英国においても2016年に製造販売禁止が決定されていた。2018年1月9日、プラスチック微細粒子を含む製品の製造がようやく禁止となり、7月に同製品の販売も禁止される予定である。全世界の海を漂うプラスチックゴミが5兆個に達しているが、プラスチック微細粒子は海洋プラスチックゴミの多きの割合を占めるものの、微細粒子を含む製品の製造販売を禁止することで比較的容易に海洋汚染源となることを防止できるとされている。
      • 原文 Jan. 9, 2018, The Guardian (Dafnis)
    • 3】 ReCAAP ISC週間レポート(2018年1月2日~8日)
      • 3】 ReCAAP情報共有センターが2018年1月2日から8日の間に報告を受けた海賊及び武装強盗事案は次の1件。2017年12月31日午前4時頃、バングラデシュのKutubdia島の西約13マイルを艀を曳航して航行中のタグボートの2等航海士が、艀に接近する小型船を発見。小型船は艀に隠れるほど接近して約30分間付きまとった後離れ去ったことから、タグボート船長の指示により艀を調査したところ、非常用ペンダントワイヤーなど数点がなくなっていた。タグボートは乗員に負傷などなく、目的地に向け航海を継続した。
      • 原文 Jan. 8, 2018 ReCAAP (武智)
    • 4】 米国の船舶一般許可制度による年次報告は2月28日までに
      • 4】 米国環境保護庁(EPA)は、2013年の船舶一般許可(Vessel General Permit: VGP)法に基づき、船長79フィートを超える船舶に対し、船舶の通常運行に付随してバラスト水等を排出するVGPを与えているが、VGPを取得している船舶は前年の様々な情報について、翌年2月末までに電子媒体で年次報告書をEPAに提出する義務がある。報告事項等の詳細については以下のリンクを参照。
      • 原文 Jan 18, 2018, SQE Marine (長谷部)
    • 5】 ヤマルLNG事業が環境に与えた影響と復旧の試み
      • 5】 ヤマルLNG事業は北極圏でこれまで行われたもっとも大規模な浚渫・土地造成事業であり、ヤマルツンドラ地帯の脆弱な天然表土が覆われただけでなく、カラ海からオビ川までに至る遠浅の海域も大きな環境上の損害を被った。ロシア海洋・河川運輸省によれば、2014年から2017年にかけて、7000万トンの土砂がサベッタの新港の周辺海域から浚渫され、土地が埋め立てられた。元々水深が浅いカラ海に、2016年だけでも23隻の浚渫船が投入され、最大喫水12mの大型LNG輸送船が安全にサベッタ港にアクセスできるように、幅205m(ターミナルのそばは315m)、水深15.1mの航路を開設した。一方で、浚渫埋立事業で失われた漁業資源を回復させるため、6億ルーブル以上をかけて、2億1500万匹のオームリ(北極海に生息する白身魚)の稚魚や260万匹のチョウザメの稚魚を放流した。
      • 原文 Jan. 8, 2018, The Barents Observer (長谷部)
    • 6】 サザンプトン港のコンテナ貨物の混雑と物流コストの上昇が深刻化
      • 6】 サザンプトン港のコンテナヤードに一時的に保管されるコンテナの数は従前約6500個程度であったが、昨年の4月にThe Allianceがフェリックストー港への寄港を廃止し、サザンプトン港に寄港地を集約した結果、現在では1万5千個程度に急増している。この寄港地の集約により、より多くの運送事業者がサザンプトン港に集まるようになり、本来サザンプトン港の周辺により広い荷捌き施設やトラックの待機場所が必要となったが、このような新たな物流インフラが全く整備されていないため、運送事業者は荷捌き施設を港から半径10マイル以内のところに別途確保せざるを得なくなり、港のコンテナヤードと運送事業者の荷捌き施設を往復するという無駄な物流が混雑に輪をかけている。さらにThe Allianceが進めるコンテナ船の大型化が1回の寄港毎に取り扱うコンテナの個数を増加させ、これを一斉に運ぶトラックやトラック運転手の数の不足が深刻化した結果、同港におけるコンテナ物流コストを押し上げている。
      • 原文 Jan. 9, 2018, The Load Star (長谷部)
    • 7】 イエメンの武装組織が紅海の封鎖を警告
      • 7】 イエメンのイスラム教シーア派武装組織「フーシ」は、サウジアラビアが主導する連合軍がホデイダ港の制圧に向けフーシへの攻撃を続けるならば紅海の戦略的航路を封鎖すると警告したと、フーシが運営するニュースが伝えた。封鎖の具体的な方法については言及されていないが、紅海とアデン湾をつなぐバブ・エル・マンデブ海峡は幅が20kmしかなく、ここを通過する数百の船舶が容易に標的となり得る。フーシによる警告に対し、サウジ主導連合軍の主要国であるUAEの外相は1月9日にツイッターで、フーシがテロリストであることの証明であり、イエメンを破壊し同盟国を裏切ったフーシが今度は国際航海に脅威をもたらしていると批判した。
      • 原文 Jan. 9, 2018 Reuter (武智)
    • 8】 IMB、2017年の海賊に関するレポートを発表
      • 8】 2017年に国際商業会議所国際海事局(ICC-IMB)が報告を受けた海賊発生件数は180件で、188件を記録した1995年以来最も少ない件数となった。2017年に海賊によって船員が身体拘束を受けたのは15件(91人)、船員誘拐事件は13件(75人)である。他方、ギニア湾では脅威が拡大しており、36件の海賊事件が発生し、10件の誘拐事件によって65人の船員がナイジェリアの領海またはその付近で誘拐されている。また、全世界で火器による襲撃事件が16件発生しているが、そのうち7件がギニア湾で発生している。ソマリア沖については、9件の海賊事件が発生している。11月にはモガディシオの東方約280マイルで航行中のコンテナ船がロケットランチャーによる襲撃を受ける事件が発生しており、ソマリアの海賊がいまだに数百マイル沖合でも商船を襲撃する能力を有していることを表している。東南アジアでは、インドネシアでの事件件数が半減しており、インドネシア当局のパトロールが功奏している。
      • 原文 Jan. 10, 2018 ICC (武智)
    • 9】 対ロシア制裁にかかわらず米がヤマルLNGを輸入か?
      • 9】 露のヤマルLNGからの初荷が12月28日に英のIsle of GrainのLNG貯蔵施設に荷揚げされたのは既報のとおりだが、その後仏の多国籍エネルギー企業であるEngie社が保有するタンカーが同貯蔵施設からLNGを積載して、ボストン港に向かっている模様であり、同港には1月22日に到着の予定だが、最終目的地は変更される可能性がある。Engie社の広報担当者は、今回の米国へのLNGの輸送は米国の貿易関係の法令に違反するものではなく、米国北東部の寒波により、LNGへの需要量が高まっているため、同社が通常調達しているトリニダッドからのLNGに加えて、今回LNGをスポットで調達したと語った。米エネルギー省は本件に関してコメントを出していないが、ノヴァテック社に対する制裁にかかわらず、もし実際に米が露のLNGを購入するとすれば今回が歴史上初めてということになる。
      • 原文 Jan. 9, 2018, Reuters (長谷部)
    • 10】 サウジ、武装組織によるタンカーへの攻撃を阻止したと発表
      • 10】 1月10日、イエメンの武装組織「フーシ」と戦うサウジ主導の連合軍報道官は、1月6日に爆発物を積んでサウジ籍タンカーへの攻撃を試みた小型ボートを破壊し、タンカーへの攻撃を阻止したと発表した。フーシは1月9日、フーシが支配するホデイダ港への攻撃を連合軍が続けるならば紅海の航路を封鎖すると警告している。連合軍報道官は、ホデイダ港はテロリストが紅海とバブ・エル・マンデブ海峡の海上交通を脅かす拠点となっており、国連が主導権を持ってホデイダ港を管理すべきと述べた。国連は2016年に両者の対話が頓挫して以降、対話の再開を試みている。連合軍は2015年3月にイエメン内戦に介入して以降、主要港であるホデイダ港の占領を試みており、最近は地上作戦と空爆を激化させている。
      • 原文 Jan. 10, 2018 Reuters (武智)
    • 11】 Sanchi: 補償金の支払いに様々な問題
      • 11】 (論説)1月6日、13万6千トンの可燃性の高いコンデンセート油(市場価値にして6000万米ドル)を積載したタンカーが、中国から約160海里沖合の東シナ海でばら積み船と衝突・炎上・爆発した事故による補償金の支払い問題は、タンカーの運航会社がイランで、乗組員の大多数がイラン人船員であることにより、米国が依然としてイランに対する金融取引に対して厳しい制限を課しているため、非常に難しい問題となることが予想される。今回の衝突炎上事件から発生する損害は、船体損害(全損)・貨物損害・環境損害・乗組員の人命損害の4種類に分かれそれぞれ別の保険が適用されるが、多くの保険会社により総額で何十億米ドル規模の保証金額が支払われることが予想される。今回の第三者賠償責任については、今回の積み荷が重油でなく、揮発性の高いコンデンセート油であることから、また(香港を除く)中国は国際油濁補償基金(IOPCF)の対象でないことから、IOPCFは関与せず、タンカーのP&I保険会社であるSteamship Mutualと国際P&Iグループ、さらに場合によっては中国油濁補償基金(COPCF)が補償金の支払いにあたることとなる。
      • 原文 Jan 10, 2018, Reuters (長谷部)
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