2018/1/15 LROニュース(17)

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  • 2018.01.15 UP
    2018/1/15 LROニュース(17)
    • 1】 ECSAが欧州海事シングルウィンドウ環境に関するポジションペーパーを発表
      • 1】 12月11日、欧州船主協会(ECSA)が欧州海事シングルウィンドウ環境(EMSWe)に関するポジションペーパー(PP)を発表し、現在の報告様式命令(Reporting Formalities Directive: RFD)を抜本的に見直し、以下の条件を満たすEMSWeの実現を要求している。①港湾当局に申告する情報の様式の統一とEU規則・各加盟国の規則・各地域の規則の間の整合性を図る。②本当に必要な内容の情報に絞って報告義務を簡素化する。各国または各港湾レベルで追加提出を要求される情報を最小限にする。③一度報告した情報については、EU域内の全ての当局が共有できるように、貨物事前報告制度(Entry Summary Declaration: ESD)等に関する既存のデーターベースの活用を図ること。④船主が情報を一つの窓口にだけ申告すればすむこと。⑤統一情報には通関に必要な情報も含むこととし、当該統一情報に含まれない船主が知りえないような貨物の情報を通関にあたり要求されないし、当該情報の不備について船主が責任を問われないこと。
      • 原文 Dec. 21, 2017, ECSA (長谷部)
    • 2】 INTERCARGO、ギニア湾での船員10名誘拐事件に対し声明を発表
      • 2】 12月22日、国際乾貨物船主協会(INTERCARGO)は、12月14日にギニア湾で発生したばら積み船船員10名の誘拐事件に関して声明を発表した。声明では、海賊が国際海運、貿易及びこれらに関わる人々にとって重大な脅威であるとして、海賊対策の厳重な実施を訴えるとともに、海賊に対して最も脆弱な地域である西アフリカ、アデン湾及び東南アジアにおける海賊対策への取組みとそれに必要なリソースの更新が優先的に行われなければならないとしている。
      • 原文 Dec. 22, 2017 INTERCARGO (武智)
    • 3】 欧州の海上保安3機関の協力促進に関するプロジェクト報告書が公表される
      • 3】 欧州の海上保安業務を担う機関であるEMSA(欧州海上保安機関)、Frontex(欧州対外国境管理協力機関)及びEFCA(欧州漁業管理機関)間の協力による相乗効果の創出を目的としたパイロットプロジェクト「CREATION OF A EUROPEAN COASTGUARD FUNCTION」の最終報告書が12月22日に公表された。このパイロットプロジェクトは、2015年に欧州向け移民の急増を受けて欧州委員会が提案した国境管理政策パッケージと並行して、欧州議会が立ち上げたプロジェクトであり、EMSA、Frontex、EFCA及びEU加盟国の海上保安当局の間の協力の促進についてのテストベッドとなることを目的としている。
      • 原文 Dec. 22, 2017 EMSA (武智)
    • 4】 北朝鮮への制裁決議を国連安保理が採択
      • 4】 12月22日、国連安全保障理事会は北朝鮮に対する新たな制裁決議を中露を含む全会一致で採択した。決議では、寄港国がその領海内において制裁違反の物品を押収するよう求めているが、米国が主張した公海上での(旗国の同意のない)臨検については、決議の最終案には含まれなかった。また、今回追加された制裁では、海上保険会社や一定の船舶運航者に関連するものとして、制裁違反への関与が疑わる船舶に対する保険契約や再保険が禁じられるとともに、旗国に対し制裁違反への関与が疑われる船舶の登録抹消が求められている。
      • 原文 Dec. 22, 2017 The Maritime Executive (武智)
    • 5】 米海軍、兵士の体力要件を緩和
      • 【5】 4000名の増員に直面する米海軍は、約5万人の兵士を対象とした体力テストを取りやめ、強制除隊に関連する方針を修正することを決めた。2015年以降、米海軍は3年間で2回の体力テストに合格しない兵を強制的に除隊させており、これによって2016年には1,700人が軍を去っている。海軍人事部長は、艦隊への適切な人員充足が最重要であり、全ての能力ある兵を繋ぎ留めることが海軍の任務遂行能力に不可欠であるとして、今回の方針変更を米海軍の能力維持に必要なステップであると説明している。ただし、強制除隊制度の終了後も体力テストに合格しない兵は合格するまで昇進の対象から外され、補習トレーニングを課されるなどの措置は残される見込みである。
      • 原文 Dec. 22, 2017 The Maritime Executive (武智)
    • 6】 港湾の自動化と海運のサイバーセキュリティ
      • 6】 国際海事保安センター(Center for International Maritime Security: CIMSEC)が「港湾の自動化と海運のサイバーセキュリティ」という報告書を発表したところその概要は以下のとおり。IMOは2016年にサイバーセキュリティに関する自主的なガイドラインを策定したが、2021年から強制力のある規制として適用される。海運業界は2021年を待たずに、出来ることからサイバーリスク対策を強化すべきである。またIMOは2017年に海事サイバーリスクに関するガイドラインを海上安全管理コード(ISMコード)に盛り込んだが、港湾・海運事業者はサイバーセキュリティの強化に努めるべきである。国際的なハブ港湾は国際物流の拠点として極めて重要だが、サイバーリスクに対し脆弱で、海運産業全体として拠点ハブ港湾のサイバーセキュリティの強化に取り組むべきで、過去の攻撃に関する情報や経験を共有するためにシンガポール港ではMPAが中心となって、各事業者の保安責任者をつなぐ情報共有システム(Port Authority Focal Point Correspondence Network)を構築している。
      • 原文 Dec. 20, 2017, CIMSEC (長谷部)
    • 7】 2018年船舶燃料の展望
      • 7】 (論説)コンサルタント会社Wood Mackenzieの予測によれば、バンカー硫黄分規制が強化される2020年には、原油価格高と船舶ガスオイル(MGO)の不足によりMGOの価格は2016年の原油バンカー価格に比べて、4倍に値上がりし、海運業界全体として年間600億ドルのバンカー代の追加負担をかけることが予測される。従って、非効率的で船齢の高い船舶は経済的に運航することが難しくなり、船社間の合併も促すものと考えられる。結局、蒸留油及び蒸留油をブレンドして硫黄分0.5%以下の基準を満たすことになるが、そうしたバンカーの調達にあたって船主はバンカー市場の状況に通じ、船主が所有し、船社が運航するそれぞれの船舶のニーズに対応できる信頼できるバンカー供給バンカー供給事業者を選択する必要がある。シンガポール港は2017年から重油バンカーの供給にあたり、流量計測器(Mass Flow Meters: MFM)の導入を義務付け、バンカー供給の効率化とバンカー供給量を巡る紛争の大幅削減に成功したが、2018年初頭から、MGOを含む蒸留油の供給にあたってもMFMの導入が義務付けられる。また2018年にはバンカーの品質についてISO8217:2017の適用がさらに進むことが予想されるが、2020年の規制強化に対応する新たなISOの基準を2020年まで作成することが困難であり、2020年規制との整合性と透明性を図るため暫定的な標準ができるものと予測する。
      • 原文 Dec. 22, 2017, Maritime Executive (Dafnis)
    • 8】 英国港湾協会が英政府のEU離脱影響報告書に強く反発
      • 8】 英国港湾協会(British Ports Association: BPA)は12月21日に英国政府が英国下院EU離脱委員会に提出したEU離脱の影響に関する「海事・港湾分野報告書」の内容を強く批判し、RoRoフェリーが発着する港湾におけるトラックの渋滞問題など同協会として既に政府に懸念を伝えている問題について、同報告書では十分な検討が全くなされていないとして、英国の港湾運営に与える影響について政府は早急に再検討すべきであるという声明を同日発表した。
      • 原文 Dec. 21, 2017, BPA (長谷部)
    • 9】 国連総会でBBNJ交渉開始が決議
      • 9】 12月24日、国連総会で公海上の海洋環境保護に関する国際条約の策定に向けて交渉が開始されることが決議された。この条約は公海上の漁業や海運を含む人間の活動を規制し、公海における海洋生態の多様性の保護を目的とする包括的な国際的枠組みを規律することとなる。また本条約により公海上に海洋保護区(Marine Protected Area: MPA)を設定することが可能となる。今回の合意により、今後2年間に4回の条約制定交渉が開催され、条約の条文が確定される。条約の実施の担保については、加盟国の海軍・沿岸警備隊・海事当局が担当することになる。12月に国連環境総会が、海洋プラスチックゴミの削減について、各国に対して陸上における発生源対策に取り組むように求める決議を採択したが、国連としての次の目標は海洋プラスチックゴミの削減のための条約の策定になるかもしれない。
      • 原文 Dec. 24, 2017, The Maritime Executive (長谷部)
    • 10】 ナイジェリア連邦行政評議会、海賊鎮圧法案等を承認
      • 10】 ブハリ大統領が主宰するナイジェリア連邦行政評議会は、海賊鎮圧法案及び海上犯罪法案について承認した。法案は海運業界の海賊から確実に保護するもので、海賊対策に関する同国の広範な政策を組み込んで提示し、実現することを目的としている。ナイジェリア海事安全庁(NIMASA)長官によれば、法案は年明けにも議会に送られる見込みである。ナイジェリアは2017年11月に行われた、IMO理事国選挙で落選したが、船主達の間では、同国の海事政策の貧弱さが原因との苦言もある。
      • 原文 Dec. 25, 2017 Marine Link (武智)
    • 11】 アラスカ沖での新たな試掘が始動
      • 11】 2015年に、シェルは高い採掘コストと厳しい環境規制のため、アラスカ沖の石油ガス開発事業から撤退したが、2017年4月に、トランプ大統領は北極海の海上ガス田の開発を許可する大統領令を出し、11月28日には、環境安全執行局(Bureau of Safety and Environment Enforcement: BSEE)がEni社に対して初めての掘削許可を出し、同社は12月末に、ボフォート海の人工島であるスパイ諸島の周辺海域で試掘を開始した。
      • 原文 Dec. 27, 2017, The Maritime Executive (長谷部)
    • 12】 韓国、北朝鮮制裁違反の中国籍タンカーを拘束
      • 【12】 12月29日、韓国当局は、北朝鮮に対する国連安保理制裁決議に違反して瀬取りにより北朝鮮に油を供給したとして、中国籍製品タンカーLighthouse Winmoreを拘束したと明らかにした。台湾の企業が運航するWinmore号は、14,000トンの石油製品を積んで韓国の麗水を10月15日に台湾向け出港したが、韓国政府当局者によればその途上、10月19日に北朝鮮籍船に600トンを供給したことを含め、公海上で4回の瀬取りを行ったとされる。韓国税関は11月24日にWinmore号が麗水に寄港した際に臨検を行い、北朝鮮制裁に違反した船舶の拿捕を求める新たな国連決議採択後の11月下旬にWinmore号を正式に拿捕した。Winmore号の乗員25人は中国人である。また米国税関当局は最近、北朝鮮が公海上での瀬取りにより制裁を回避していることを示す画像を明らかにした。画像では、北朝鮮籍製品タンカーが船名不詳のタンカーと横付けしている場面が写されている。韓国の報道によれば韓国政府は、10月以降中国船が少なくとも30回北朝鮮籍船に油を供給したと確信していると伝えている。
      • 原文 Dec. 29, 2017 The Maritime Executive (武智)
    • 13】 ヤマルLNGの最初の輸出先に絡んで外交問題
      • 13】 既報のとおり、ヤマルLNG事業の初荷は中国に向かって輸出されるという報道があったが、実際にはマレーシアの国営石油会社の英国子会社であるPetronas LNG UKに販売され、12月28日夕刻、英国のIsle of GrainのLNG貯蔵施設に荷揚げされた。このLNG輸送に対し、今回のLNGの輸送が12月中旬に北海から英国に天然ガスを供給するパイプラインにひび割れが生じ、当該パイプラインからのガス供給が停止し、英国における天然ガス価格が急騰した後に行われたため、在英国のロシア大使館はツイッター上で、今回のヤマルLNGの輸送は英国のエネルギー危機を救うものだと宣伝した。その後、ベルギーから天然ガスを緊急輸入したため、英国の天然ガス価格は通常のレベルに戻ったが、ヤマルから到着したLNGは実際には英国内の市場には供給されず、Isle of Grainの貯蔵施設から、他の輸送船に積み替えられてより高価で販売可能な市場に転売される見込みで、英政府関係者はロシア大使館のデマ宣伝に憤っている。なお、北海のパイプラインの復旧工事は終了し、北海から英国への天然ガスの供給は再開されている。
      • 原文 Dec. 29, 2017, The Guardian (長谷部)
    • 14】 中国、北朝鮮への石油供給を否定
      • 14】 中国が北朝鮮への原油供給を容認しているとトランプ米大統領がツイッターに投稿し、また韓国の新聞が、中国船による北朝鮮船への石油供給が10月以降約30回行われていると報道したことに対し、12月29日、中国外交部報道官は公式にこれを否定した。報道官は、10月19日に中国船が北朝鮮船に石油を供給した疑いがあるとの報道を含む最近の報道に留意しているとしたうえで、当該船舶は8月以降中国の港に接岸せず、出入港の記録はなく、報道は事実と一致しないと述べた。また報道官は、中国は常に北朝鮮に対する安保理決議を完全に履行し、国際的な義務を果たしており、中国企業や中国人による決議違反を決して容認しないと述べた。韓国政府は29日、中国広州市の会社が管理し、台湾企業が用船する香港籍船Lighthouse Winmoreを北朝鮮への石油供給の疑いで11月下旬に拘束したと明らかにした。この船舶は10月19日に中国と朝鮮半島の間の公海上で北朝鮮籍船に600トンの石油を供給したとされている。台湾総統府は用船者は台湾企業ではないとしている。
      • 原文 Dec. 29, 2017 Reuters (武智)
    • 15】 韓国、北朝鮮への石油製品積替えでパナマ籍船を拘束
      • 【15】 韓国の税関当局者が12月31日に明らかにしたところによれば、国連安保理決議に違反して北朝鮮に石油製品を移送した疑いで、パナマ籍船KOTIを拘束した。北朝鮮制裁決議に関連して韓国が船舶を拘束するのはここ数日で2隻目である。KOTIが拘束されたのは韓国西岸の平沢・唐津港で、海事当局者によれば拘束は「最近」である。KOTIは5,100トンの油を輸送可能で、乗員のほとんどは中国人とミャンマー人である。韓国情報当局と税関が合同で調査を行っている。韓国外交部報道官は詳細を避けつつも調査については認め、国連安保理決議の徹底した履行のため関係国及び省庁と緊密に協議していると述べた。北朝鮮から禁輸物品を運んだとしてブラックリストに載せるよう米国が国連安保理に提案した10隻の船舶には、先に摘発されたLighthouse Winmoreは含まれているが、KOTIは含まれていなかった模様である。
      • 原文 Dec. 31, 2017 Reuters (武智)
    • 16】 ロシア籍タンカー、北朝鮮へ石油供給の疑い
      • 【16】 西ヨーロッパの上級治安関係者が匿名で語ったところによれば、ロシア籍タンカーが北朝鮮に対し、洋上瀬取り(Ship-to-ship)で石油を供給していた疑いがある。ロシア政府の関与を示す証拠はないという。この治安関係者は、タンカーVityazが密輸に関与した船舶の1隻であるといい、ロシア港湾当局への提出書類では、10月15日に1,600トンの石油を積んで、日本海の漁船団に向けてスラブヤンカを出港しているが、ロイターがこのタンカーの衛星位置情報を調べたところ、外洋に出てから数日間、Vityazの発信機の電源が切られていた。瀬取りの相手船は北朝鮮籍タンカーのSam Ma2であるといい、Sam Ma2の発信機は8月初旬から電源が切られていて、位置情報を追跡することはできなかった。ロシア船の所有者は北朝鮮船との接触を否定しているとともに、Vityazが漁船に燃料補給を行ったことについても知らないと述べている。
      • 原文 Dec. 30, 2017 Reuters (武智)
    • 17】 スクラバー搭載船舶が全世界で240隻に
      • 17】 Clarksons社の船舶情報ネットワーク(Shipping Intelligence Network: SIN)によると、2017年12月1日現在で、世界でスクラバーを装備した船舶は240隻に到達し、このうちRoRo自動車運搬船が57隻、クルーズ船・フェリーが62隻、液化ガス運搬船が25隻、タンカーが23隻となっている。これらのほとんどの船舶が硫黄分規制が0.1%と最も厳しい排出規制海域(Emission Control Area:ECA)を主として活動海域にしているが、2020年の規制強化を踏まえ、スクラバー搭載船舶の隻数の増加が見込まれている。2012年から2015年にかけてスクラバー搭載船舶の新規受注の割合は新規受注全体の約1%に過ぎなかったが、2017年には、当該比率が約5%に上がった。その一方で、まだまだ全体の中ではスクラバーを選択する船主が少なく、「様子見」姿勢をとっている船主も多い。
      • 原文 Dec. 29, 2017,(Dafnis)
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