2018/1/10 LROニュース(17)

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  • 2018.01.10 UP
    2018/1/10 LROニュース(17)
    • 1】動画:コンテナ船を襲撃するギニア湾の海賊
      • 1】海上リスク管理を専門とするASKET社は、ギニア湾で海賊がコンテナ船を襲撃する動画を公開した。襲撃は12月7日に発生し、8人の武装した海賊が乗ったボートがシンガポール籍コンテナ船を襲撃する様子が収められている。報告によれば襲撃は未遂に終わり、コンテナ船は無事とのことである。
      • 原文 Dec. 13, 2017 ASKET (武智)
    • 2】米気象学会が2016年における世界の異常気象を分析した報告書を発表
      • 2】米国気象学会(American Meteorological Society: AMS)は、12月13日、「気候変動の観点から2016年の異常気象を説明」という報告書を発表し、人間による地球温暖化につながる行動が無ければこのような異常気象は発生しなかったと報告しているところ、その概要は以下のとおり。本報告書は、世界18か国の116人の科学者が参加して、27件の異常気象について分析した。海洋関係の異常気象の代表例としては、アラスカ湾・ベーリング海・豪の北部沖合の海洋の温度が、35年前に気象衛星による観測が始まって以来の最高温度となり、この結果Great Barrier Reefのサンゴ礁で大規模な白化が進み、アラスカ沖合で有害なアオコが大量発生した。
      • 原文 Dec. 13, 2017, AMS (長谷部)
    • 3】バンクーバー港の排ガスが2010年以来大幅に削減
      • 3】12月12日、バンクーバー・フレーザー港湾管理庁(VFPA)が、第3回目の「港湾排気ガス実績報告書」を発表し、取扱貨物量が増えているにもかかわらず、環境規制の強化と環境技術への投資によって、2010年以来、港湾活動から発生する排気ガスの量は大幅に減少したとしている。VFPAは5年に一度、カナダ環境省とバンクーバー市とともに、排気実績調査を行っている。調査では、バンクーバー港に出入りする船舶・鉄道・自動車からの排気ガスと、その他の排気ガスに分けて、排気ガス量を分析している。報告書は2015年の排気ガスの実績に加えて、今後の排気ガス量の推移についても予測している。
      • 原文 Dec. 12, 2017, バンクーバー港(長谷部)
    • 4】ムーディーズが2018年もコンテナ船社の統合が進むと予測
      • 4】12月14日、ムーディーズ投資サービスは、コンテナ海運会社はシェアの拡大、運航効率の向上、供給過剰と競争の激化に対応するため2018年もアライアンスという形か買収という形かにかかわらず統合戦略を進めると分析した報告書を発表したところその概要は以下のとおり。スロットの購入やアライアンスへの加盟は、追加的な投資をせずに、運航効率を向上させることが可能となるので、大手船社はもちろん、中小船社も競争を勝ち抜き運航効率を上げるために、こうした統合戦略を追求する見込み。統合に加わらない船社は、競争上不利な状況に置かれ、萬海航運股份有限公司のようにニッチな市場で営業し、主要マーケットで大手船社と競争しないような会社を除き、統合なくして生き残りは困難。経営の統合は収入と経費の両面でシナジー効果を生むものの、経営統合を成功させるためには、統合後の運航面での大胆な効率化が不可欠。
      • 原文 Dec. 14, 2017, Sea News (長谷部)
    • 5】インド商工会議所連合会が同国の港湾開発について提言
      • 5】12月12日、インド商工会議所連合会(ASSOCHAM)は、「インドの港湾部門:規模と効率化への挑戦」という調査報告書を発表し、インド国内の12の主要港湾のコンテナ取扱能力を合計しても、上海港の取扱能力の1/4にも満たないとして、早急に必要な港湾整備を行って中国に追いつく必要があるとの提言を行ったところその概要は以下のとおり。インドの港湾貨物取扱量は近年急速に伸びており、2016-17年には10億トンを超え、2025年までには25億トンに達する見込みだが、その大半は石油・石炭・鉄鉱石といったばら積みの原料である。インドにおいてコンテナ輸送が普及しだしたのはつい最近で、コンテナ貨物がどれだけあるかというのが国際市場において当該国がどれだけ工業化し、付加価値を生み出しているかの指標ともなる。インドの主要港の総コンテナ取り扱い能力は850万TEUに過ぎず、中国には3億6500万TEUの取り扱い能力を持つ上海港に加えて、2000万TEU以上の取り扱い能力を持つ港湾が、深圳港、寧波・舟山港、香港港と3港もある。
      • 原文 Dec. 12, 2017, ASSOCHAM (長谷部)
    • 6】ヤマルLNG事業竣工式典におけるプーチン大統領のスピーチ
      • 6】12月8日、プーチン大統領がヤマルLNG事業竣工式典で行ったスピーチの内、北極海北航路に関する部分の概要は以下のとおり。「本事業は我が国のエネルギー部門やLNG生産といった観点から重要だというだけではなく、北極海北航路を開発していくというより野心的な事象として重要である。このため(ロシア政府内の)安全保障理事会でつい昨日、ヤマル事業向けの新たな特別の原子力砕氷船の建造について議論したところである。新砕氷船によってあらゆる海氷をも砕氷することが可能となれば、ヤマルから通年でLNGを搬送できるようになる。ヤマルから欧州向けの西航路については既に通年運航が可能となっているが、現在夏場の6-7か月しか運航できない極東向けの東航路についても、段階的に強い砕氷能力を持った新造船が逐次投入されれば、中長期的に通年運航が可能となる。」
      • 原文 Dec. 8, 2017, 露大統領府(長谷部)
    • 7】地中海東部における海上治安協力に沿岸3か国が合意
      • 7】12月12日、キプロス、エジプト、ギリシャの国防相は地中海東部における薬物・武器密輸及び人身売買対策並びにテロ対策のための情報共有について協力することに合意した。これら3か国は、地中海東部の重要な海上交通路の保護のための合同訓練を統括する調整機関の設置についても合意した。合同訓練は今後数週間のうちに行われ、捜索救助や沖合掘削施設の保護に関する調整についての訓練が行われる見込みである。西欧諸国にとって、原油や貿易の大部分がスエズ運河を通過していることを踏まえ、3か国の国防相はこの地域の治安強化の必要性を強調した。
      • 原文 Dec. 14, 2017 The Washington Post (武智)
    • 8】BIMCO等が船舶装備品のソフトウエアの保守管理の業界標準を作成
      • 8】船舶の装備品については情報の確認が容易だが、装備品にインストールされているソフトウエアについてはこうした確認を行うことが難しく、ソフトウエアの適正な更新等が行われないことも多く、適正な資格を持った技術者が定期的にこうしたソフトウエアの状況を検査・管理する必要がある。2014年に国際海上通信委員会(Comite International Radio-Maritime: CIRM)とボルチック国際海運協議会(BIMCO)は共同作業部会(JWG)を設立し、同年12月に最初の船舶装備品のソフトウエアの保守管理標準案を作成し、2017年に当該標準に基づいて試験事業を行い、その結果を踏まえて業界標準案を最終化し、2月に開催されるIMOの航行安全・無線通信・捜索救助小委員会(NCSR5)に報告することとなった。BIMCO等は現在、国際標準化機構(ISO)に上記業界標準案をもとに、ソフトウエアの保守管理に関する国際標準の開発を働き掛けているが、ISOの基準ができるまではまだ時間がかかる見込み。
      • 原文 Dec. 14, 2017, BIMCO (長谷部)
    • 9】MPAがLNGバンカリング機能の整備にさらに1200万星ドルを支援
      • 9】シンガポール海事港湾庁(MPA)は、シンガポール港におけるLNGバンカリング機能の整備にさらに1200万星ドルを支援することを決定した。半額の600万星ドルは、同港における船舶間のLNGバンカリングを可能にするための新たなLNGバンカリング船(LBVs)を共同で建造するために利用される。残りの半額は、2015年に既に創設されているLNGを燃料として使用する船舶の建造費補助制度に追加支出される。LBVの建造支援については1隻あたり300万星ドルを上限に支援するが、支援の対象は現在既にMPAの燃油供給免許を有するシンガポールの会社で、かつ建造される船舶はシンガポールで登録し、最低限5年間は同港でバンカリング事業に使用することが条件とされている。
      • 原文 Dec. 14, 2017, MPA (長谷部)
    • 10】マースクが太平洋航路安定化協定から脱退
      • 10】マースクはHamburg Sud(HS)社買収に伴う香港とNZ競争当局による承認のための条件を履行するため太平洋航路安定化協定(TSA)から脱退した。この結果、顧客との輸送契約の見直しが進められており、殆どの顧客との間で5月から運賃の見直し交渉が行われる予定。このほかに、マースクは今後5年間、競合他社と新たに船腹共有協定(VSA)を締結しないこと、HSは現在参加している極東=南米東岸航路の船腹共有協定(VSA)から直ちに脱退し、極東=南米西岸航路のVSAについては、現在の協定を更新しないことに合意している。
      • 原文 Dec. 14, 2017, World Maritime News (長谷部)
    • 11】中国、南シナ海の軍事拠点化を着々と進める。
      • 11】米国シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は、中国政府は南シナ海を巡って近隣諸国に対する外交的働きかけを行う一方、スプラトリー・パラセル諸島において基地施設の建設を着々と進めているとの分析を公表した。分析によれば、今年に入って中国が南シナ海で完成または建設を開始した恒久的施設は、大型レーダーやセンサー群の管理施設、地下倉庫を含む29万平方メートルに及んでいる。最も建設作業が活発なのはファイヤリークロス礁で、滑走路沿いに大型の格納庫や、島の南部に弾薬などの貯蔵庫と思われる大型地下施設が建設されているほか、大型の通信施設やセンサー群、各種レーダー、ミサイル発射装置のための強固なシェルターなどが建設されている。
      • 原文 Dec. 14, 2017 CSIS(武智)
    • 12】DNV GLが完全にノルウェー資本に
      • 12】2012年にノルウェーの船級協会であるDet Norsk Veritas(DNV)が独の船級協会であるGermanischer Lloyd(GL)を合併して、DNV GLが創設されたが、このほど同社の36.5%の株式を所有していた独の投資会社からDNV基金が全株を取得した。但し、DNV GLの海事部門の本社は引き続きハンブルグに置き、現在の役員の構成・組織。ブランドも変更しない。
      • 原文 Dec. 14, 2017, DNV GL (長谷部)
    • 13】ロシアが北極圏の大気汚染の監視体制を強化
      • 13】ロシア気象庁は北極圏における大気の汚染状況の監視体制を強化するために、2021年から2025年にかけて既存の13の観測点を近代化し、4つの情報センターを新設し、6台の移動式生態研究施設を購入すると発表した。北極・南極研究院の副委員長は、北極圏における最大の汚染源は、工業地区で大規模な工場を操業する大企業であり、例えば、アルハンゲリスク地区では主たる汚染源は製紙パルプ工場、火力発電所、造船所等であると述べている。ヤマルにおいても毎年600-700トンの汚染物質が大気中に放出されており、最大許容限度以内とはいっても、ヤマル地域の観測点では、硫黄酸化物を含む大気中の汚染物質が急増している。
      • 原文 Dec. 13, 2017, TASS (長谷部)
    • 14】USCG、2017年は大西洋で年間1000の氷山を監視
      • 14】コネチカット州にある米国沿岸警備隊(USCG)国際アイスパトロールは、北大西洋で氷山を監視し船舶への情報提供を行っているが、同アイスパトロールが2017年中に北大西洋の主要航路で監視した氷山は1008個にのぼり、4年連続で「危険」な状態を記録した。同アイスパトロールの指揮官によれば、2017年は後退(融解)が進んだグリーンランドの氷河が嵐で砕かれ、多数の氷山となって流出したことが原因である。同アイスパトロールは主に航空機で氷山を観測し、海図上にその位置を示して情報提供を行っており、衛星画像による観測の比率を増やしてはいるものの、特に小型の氷山については船舶との見分けが困難であることから、完全に衛星画像による観測に移行するには多くの年月が必要と見られる。
      • 原文 Dec. 14, 2017 The New York Times (武智)
    • 15】欧州委員会が海洋プラスチックゴミ削減政策についてパブコメを募集
      • 15】12月15日、欧州委員会は使い捨てプラスチック製品や漁網などによる海洋プラスチックゴミの削減政策についてパブコメの募集を開始したところ提案された政策の概要は以下のとおり。国連環境総会で取り上げられたとおり、海洋へ排出される海洋プラスチックゴミの削減は緊急の課題である。EUにおいては、プラスチックの袋や使い捨てのプラスチックの食器などの使い捨てプラスチック製品と放棄された漁網・漁具が主な汚染源となっている。海岸で回収されるごみの85%がプラスチックゴミで、このうち61%が使い捨てプラスチック製品、20%が漁業関連のプラスチックゴミである。これらの削減対策として、①リサイクル可能なゴミについてはゴミの分別収集率を向上させる。②使い捨てのプラスチックの食器などのように素材を紙や木製に置き換えられるものについては紙製・木製のものに置き換える。③たばこのフィルター、生理用品など他の製品に置き換えられないものは、適正に処理するよう国民の意識改革を図る。使用されなくなった漁網・漁具の回収についても漁民の動機づけの向上を図る。
      • 原文 Dec. 15, 2017, 欧州委員会(長谷部)
    • 16】中国がパキスタンのグワダルのあらゆるインフラ建設に大盤振る舞い
      • 16】中国はパキスタンのアラビア海に面した小さな漁村であるグワダルに、米・印が軍事目的に転用される恐れがあると警戒する商用の深水新港を建設することを目的として地元住民の関心を引くため莫大なインフラ建設支援を行っている。中国は近隣の空港を建設するために2億3000万米ドルの支援を行っているほか、総額5億米ドルの規模で学校・病院・水道等のインフラ整備を行うだけでなく、病院で働く医師まで派遣している。中国は中国国営銀行等を通じて、途上国に対し借款を供与するのが通常で、グワダルのように多額の資金を気前よく供与するのは極めて異例で、グワダルを将来的に米海軍の制海権に対抗する拠点にしようと中国が狙っていると米・印が疑う根拠ともなっている。いずれにせよ中国・パキスタン両政府はグワダルを中国の一帯一路戦略の中核をなす中国=パキスタン経済回廊の重要な港湾として、他の60か国を超えるアジア・欧州・アフリカ諸国との交易の窓口として位置付けている。
      • 原文 Dec. 17, 2017, Reuters (長谷部)
    • 17】IBIA:2020年対策として半数が低硫黄バンカーの購入を選択
      • 17】国際バンカー産業協会(IBIA)が11月に開催した年次総会で出席者に対し、2020年の硫黄分規制強化に対する理想的な対処方法について回答を求めたところ、50%が低硫黄分バンカーの購入と答え、42%がLNGバンカーへの転換、スクラバーの設置と答えたのはわずかに8%に過ぎなかった。さらに、スクラバーを装備した船舶が全世界で1000隻を超えるのはいつ頃になるかという問いに対しては、2025年が44%、2023年が33%、2020年と答えたのはわずか14%で、永遠に超えないという回答が9%あった。BPによる試算では、2020年の段階でスクラバーを導入した船舶が使用する重油の量は、バンカー全体量の5%程度にとどまり、低硫黄バンカー(very low Sulphur fuel oil: VLSFO)がバンカー全体の半数を超え、残りの大部分は船舶ガスオイル(MGO)となる見込みで、LNGへの転換は最小限にとどまるとみている。
      • 原文 Dec. 14, 2017, IBIA (長谷部)
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