2017/5/26LROニュース(10)

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  • 2017.05.26 UP
    2017/5/26LROニュース(10)
    • 1】バンカー硫黄含有分規制強化に関する課題
      • 1】(論説)バンカー硫黄含有分規制強化に伴って、世界の海運業界は年間600億米ドルの追加コストを負担しなければならないが、2020年から全世界で低硫黄バンカーに切り替えるのは、製油所の追加投資能力を考慮すれば現実的でない。従って船主はより高価なディーゼル油を使用するかスクラバーを使用するかの選択に迫られる。スクラバーのコストは大型コンテナ船で1000万米ドル、中型船で約500万米ドルとされており、投資はすぐに回収できるといわれているが、海運市況が低迷している現状では投資を行うための資金を融資してくれる金融機関を見つけるのは容易でない。最後に、規制強化を無視するという選択肢がある。大手の船社は信用問題があるので、この選択肢は取れないものの、小さな船主にとっては仮に規制違反で検挙されても罰金額は、規制を順守するコストよりはるかに少ないので魅力的な選択肢である。
      • 原文 May 9, 2017, Bloomberg (長谷部)
    • 2】SM Lineが急速に船隊を拡充
      • 2】海運分析会社のAlphaliner社によれば、韓進海運の後継会社として本年1月6日に発足したSM Lineは記録的な速度で船隊の拡充を進めており、現在17隻のコンテナ船を保有し、5隻の船舶を傭船している。保有しているコンテナ船のうち、11隻は韓進海運から引き継いだものであり、8隻が6665TEU、3隻が8586TEUのコンテナ船である。SM Lineは現在世界27位のコンテナ船社だが、数年以内に20位以内に食い込むという野心的な目的を掲げている。
      • 原文 May 10, 2017, Splash 24/7 (長谷部)
    • 3】第40回SHADE会議が開催
      • 3】4月25日から26日に第40回SHADE (Shared Awareness and De-Confliction)会議が33の加盟国と14の国際機関が参加してバーレンで開催された。SHADEの活動は2008年に始まり、参加国や国際機関がアデン湾とインド洋で実施する海賊対策と自衛措置の連携を図るために、意見・情報交換を行っている。SHADEはさらに具体的には、国際勧奨航行回廊(IRTC)を通航する商船の護衛、哨戒機による海賊危険海域の上空からの警戒、海賊の脅威に対処するための作戦の調整にも当たっている。このSHADEの仕組みを活用して、2012年初頭に日、中、印が、同年6月に韓国がITRCにおける共同護衛活動に参加した。
      • 原文 May 10, 2017, EU NAVFOR (長谷部)
    • 4】米国税関・国境警備局がJones Actの運用の改正を断念
      • 4】米国税関・国境警備局(CBP)はカボタージュを規定するJones Actの例外として外国籍船に米国の沿岸から米国の石油掘削リグ等まで一定範囲の装備を運送すること認めている現行規定を廃止することを提案していたが、石油ガス業界等からの強い反対を受けて、この提案を撤回すると5月10日発表した。提案のとおり例外規則が廃止されれば、メキシコ湾で運航されている水中の建設作業等に当たる限定的な数の外国籍船に影響が出る予定だった。撤廃によって新たに1000人規模の米国人船員の職場が得られるとして、撤廃提案は海事業界から広い支持を受けていたが、撤廃提案により、海上石油ガス開発が阻害され、何百万ドルもの損害を及ぼすと主張する国際海事事業者協会(IMCA)等の石油・ガス業界の強い反対に押し戻された。
      • 原文 May 10, 2017, The Maritime Executive (長谷部)
    • 5】マースク=アリババ提携の両社にとってのメリット
      • 5】(論評)マースク=アリババの提携を船社側から見れば、最も大きなメリットは通告なしの予約のキャンセル(no shows)の削減である。No showsの削減により、船会社は運送の予測可能性を増して、合理的なネットワークの形成、的確な運航スケジュールの作成、的確な収益予測が可能となる。またアリババのプラットフォームを経由することにより、解約時の解約手数料の徴収なども確実化して、コスト削減につながる。アリババ側の最も大きなメリットは、仲介手数料ではなく、マースクのビジネスに関するあらゆる情報が入手できるだけでなく、転売可能な顧客側の膨大な情報も入手することができることである。船社はアリババのプラットフォームに依存することによって、海上輸送サービスの商品化が進展し、独自の競争力を損ないかねない。海上輸送サービスの商品化を防ぐためには、海上運送部分だけではなく、陸上部分も含めた一貫物流としてのdoor to doorサービスを荷主に提供して、差別化を図る必要がある。
      • 原文 May 11, 2017, Splash 24/7 (長谷部)
    • 6】現代重工業が4社に分社
      • 6】世界第二位の造船会社である現代重工業(HHI)は、5月10日から事業を造船、建設機械、電気機械、工業ロボットの4社に分割し、それぞれの会社が上場して事業を開始した。4社合計の市場価値は約140億米ドルで、本再建計画が発表された今年の3月におけるHHI本社の市場価値であった約100億米ドルを大きく上回っている。この分社化によりHHIの純債務は半減し、負債資本倍率が2016年末の106.1%から95.6%に改善している。
      • 原文 May 9, 2017, FT (長谷部)
    • 7】国際海運会議所が船員の労働時間を管理するためのソフトウエアを改善
      • 7】国際海運会議所(ICS)とIT Energy社は、既に世界の8000隻以上の船舶で広く使われているISF Watchkeeperのソフトウエアを改良し、IMOとILOの規則に従って、個々の船員の労働時間を記録し、船員の過労を防止し、PSCで労働時間の記録漏れが指摘されないようにグレードアップしたISF Watchkeeper 3.5を発表した。新バージョンは国際日付変更線の通過を判断し、国際規則に違反する労働形態を判定し、複数の言語で主たる報告書が作成でき、2010年のSTCW条約に基づく「マニラ例外規定」の適用のために必要な計算を行うことが可能である。
      • 原文 May 10. 2017, ICS (長谷部)
    • 8】アジア海賊対策地域協力協定情報共有センターが4月の月次報告書を発表
      • 8】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)はこのほど、4月の月次報告書を発表したところ概要以下のとおり。2017年4月にアジアにおいては、海賊事件が2件と未遂事件が1件発生した。スールー海・セブ海・東サバ州沖合における誘拐事件は発生しなかった。2016年4月には、13件の海賊事件と1件の未遂事件が発生しているので、事件数は対前年比激減した。1月から4月の4か月間でみると、海賊事件が17件、未遂事件が6件発生しており、前年がそれぞれ30件と1件だったので、4か月でみても海賊件数は対前年比減少した。報告書は以下のリンクを参照。
      • 原文 ReCAAP (長谷部)
    • 【9】BIMCO, IPTA,WSCがMEPCに地球温暖化ガス削減に関する提案を提出
      • 9】バルチック国際海運協議会(BIMCO)、国際パーセルタンカー協会(IPTA)、世界海運評議会(WSC)はMEPC71に船舶からの地球温暖化ガス(GHG)削減のための目標と具体的手法について提案を行った。目標としては①海運活動を維持しながら、GHGの排出を削減してGHGの無い将来を目指す。②海運に関し最も炭素削減効率と投資効率の高い技術を研究開発する。③新技術と新たなバンカーの導入によって持続的なGHGの削減をめざす。④GHGばかりでなく、船舶から排出される硫黄酸化物、窒素酸化物、煤等の微小粒子の削減にも取り組む。以上の目的を達成する方法としては①国際海事研究審議会(IMRB)の設立。②エネルギー効率設計指標(EEDI)の定期的な見直し③既存の船舶の運航効率の向上による排気ガスの削減を具体的な手法として提案している。提案本文は以下のリンク参照。
      • 原文 Apr. 28, 2017, WSC (長谷部)
    • 10】米国がベトナムに巡視船艇を供与
      • 10】5月22日、ベトナム・クアンナム省で、米国がベトナムに供与する6隻の新造巡視艇の引渡しが行われた。これらの巡視艇はベトナム沿岸警備隊に所属し、密輸、密航、海賊、違法漁業の取締りに従事する予定である。供与された巡視艇は45フィート型のアルミ船体に主機関2機を搭載したウォータージェット推進で、他船との接舷等の衝撃から保護する防舷材を備えている。これに加え、米沿岸警備隊は5月25日、ハミルトン級大型巡視船のベトナム沿岸警備隊への引渡式典をホノルルで行った。大型巡視船の供与により、ベトナム沿岸警備隊の海洋状況把握能力の改善、海上法執行能力や捜索救助能力等の向上が期待される。
      • 原文 May. 25, 2017 The Maritime Executive(武智)
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