2017/1/26LROニュース(5)
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2017.01.26 UP
2017/1/26LROニュース(5)
- 1】サーバー攻撃による被害を完全にカバーする保険が海運分野で未整備
- 【1】船舶に対するサーバー攻撃に対処しようとしている船社にとって、既存の船 体保険のような保険では同攻撃による被害を補填できないことが多い。船舶はGPSの ような電子航行機器を搭載しており、サーバー攻撃を受ける可能性があるが、航空機 のようないざという時のバックアップシステムを持ち合わせていない。サーバー攻撃 による被害情報は開示されにくいので、保険業界。海運業界にとってリスクを正確に 把握して付保することが難しく、保険で担保されない損害が発生した時には、当該船 社ばかりでなく、海運業界全体や利用料金を通じて荷主にも影響を及ぼす恐れがあ る。 原文 Jan 12, 2017,Reuters(長谷部)
- 2】国際乾貨物船主協会がIMO事務局長のEU首脳に対する書簡を支持
- 【2】1月12日、国際乾貨物協会(INTERCARGO)が、船舶からの温暖化ガス排出規制 について、EU首脳宛書簡で表明されたIMO事務局長の立場を支持する声明を発表し た。IMOは2023年を最終目標時期として、既に船舶からの地球温暖化ガスの削減につ いて、責任のあるロードマップを承認しており、海運という国際的な活動について は、地域的な取り組みではなく、IMOの場で審議していくことが望ましいと表明して いる。 原文 Jan 12, 2017,INTERCARGO(長谷部)
- 3】2017年中に韓国3大造船会社でさらに約4000人以上の人員整理も
- 【3】1月12日、韓国業界関係者によれば、韓国内の造船業界の人員整理は2017年 も継続される見込みで、3大造船会社の合計で4000人以上が解雇される恐れがある。 大宇造船海洋は昨年約2000人の人員整理を行ったが、今年も約2000人の解雇を行う予 定。サムソン重工も昨年1500人の整理を行ったが、今年もさらに1800人の解雇を予 定。世界最大の造船会社である現代重工は昨年業務を6部門に再編し基幹事業に集中 する方針を発表し、船舶ブローカー業の子会社を売却の予定だが、併せて人員整理も 実施する予定。 原文 Jan 12, 2017,Korea Times(長谷部)
- 4】中国北部の主要港で深刻な滞船が発生
- 【4】1月下旬の旧正月のピークシーズンを前にして、昨年の12月20日から、中国 北部の大部分を厚いスモッグが覆ったため、視界不良により、貨物の荷揚げが数次に わたって中止された結果、渤海湾の天津港など重要な工業港において、中国の発電所 や製鉄所向けの石炭や鉄鉱石を満載し、貨物の荷揚げを待つ百隻以上のばら積み船が 滞船している。一年で最も寒い時期を迎えて暖房の需要も高く、あらゆる作業が中止 される旧正月を前に、何とか荷揚げをしようとするばら積み貨物船が、大連港など他 の北部港湾も併せると約300隻滞船している。この結果、用船主にとっては莫大な不 必要な用船コストが発生するとともに、一部の港では貯蔵原材料の減少が起こってい る。 原文 Jan 12, 2017,Reuters(長谷部)
- 5】北極圏の産物を販売する会社に環境影響評価を義務付けることの可否
- 【5】北極圏の産物を欧州内で販売しようとする企業は事前に環境影響調査を行っ て、欧州委員会に提出しなくてはいけないとする決議案を欧州議会外務委員会と環 境・公共衛生・食品安全委員会は共同で審議しているが、賛成派と反対派の間で激し い議論となっている。賛成派の主張としては、このような環境上の厳しい規制を課す ことによって、北極圏の脆弱な自然環境に対する、環境的・社会的・文化的な影響を 制限することができるとする。反対者は、このような規制は、EUによって一律に行わ れるべきではなく、個々の国が地域の事情に応じて判断すべきであること、またこの ような厳しい規制は、環境影響調査を実施することができない既存の小規模な地域の 事業者を締め出し、外部の大企業の進出を促進する結果となる可能性があること等を 指摘している。両委員会は1月31日に最終決議案を決定し、その週の後半に議会の全 体会議で投票にかけられる予定。 原文 Jan 12, 2017,The Arctic Journal(Hannah)