宝の島プロジェクト~油化装置を用いた離島の海岸漂着ごみの新たな処理システム~

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宝の島プロジェクト

1.背景

海岸に漂着する大量のごみは、美観を損ねるばかりか、生態系まで破壊することなどから、長年にわたり問題視されてきました。特に、季節風や海流の関係で、漂流ごみの通り道となっている離島の状況は極めて深刻です。ごみを常に回収・処分し、海岸を保全するという対応に直面しています。  平成21年7月15日に、海岸漂着物処理推進法が公布・施工され、地方自治体は海岸漂着ごみの処理費用やごみ減少のための啓発活動などに際し、国の財政支援が一定枠ながら得られるようになりました。しかし、ゴミ回収のための労務負担や焼却処理に伴う環境負荷は計り知れないものとなることが予想されます。

2.概要

そこで、当協会では日本財団の支援を受け、“宝の島プロジェクト”と称した一般市民主導型の油化装置を用いた新たな離島の海岸漂着ごみの処理システムの社会実験を行っています。具体的には離島内に油化装置を設置し、島民が自主的に回収した海岸漂着ごみの一部(発泡スチロール)をエネルギーに変換し、これを島内で有効活用するというものです。スチレンはガソリンなどと同じ引火性の液体で、ディーゼル機関、ボイラー、焼却炉等の燃料として利用することができます。さらに、本プロジェクトは離島の海岸の美化や省エネ対策に貢献するばかりか、市民活動の促進による地域連携の充実化や、ごみ由来のエネルギーを利用した起業を通じ、過疎化や高齢化などの問題の解決の糸口となり、“離島振興”にもつながる可能性を秘めています。文字どおり、海岸漂着ごみが離島を“宝の島”に変えるという画期的な取り組みであり、国内外から大いに注目されてきました。

3.プロジェクトの経過(2011年7月14日現在)

●「漂着ごみの油化に関する調査及びモデル地区の設立」

2009年   沖縄県竹富町鳩間島をモデル地区に選定、同島内に固定式油化装置を導入し、社会実験を開始しました。
2009年11月 鳩間島にて公開実験を開催しました。
2010年10月 沖縄県竹富町西表島にて「竹富町海洋フォーラム2010」を開催しました。
2010年11月 鳩間島にて公開実験を開催し、移動式油化装置を初披露致しました。
2010年11月 西表島にて公開実験を開催しました。
2010年12月 沖縄県与那国町にて公開実験を開催しました。
2011年6月  西表島にて検証型社会実験を開催しました。

●「漂着ごみの油化に関する広域社会実験事業」

鳩間島で固定式油化装置を用いた油化システムの普及を進めてきましたが、大型の離島や複数の離島を抱える自治体の場合、1台の固定式装置で広範囲のごみを処理しようとすると、運搬にコストがかかってしまいます。また、複数の固定式装置を導入して処理するのでは、経済的な負担が大きくなってしまいます。そこで我々は、費用をできる限り安く抑え、利便性や機動性を向上させるためには、自ら移動が可能な装置を開発し、離島内の各集落や複数の離島を巡回する方法が望ましいと考えました。 2010年11月、装置の小型軽量化進め、4トントラックに油化装置を搭載した車両移動式油化装置を開発しました。
2011年度は、鳩間島で培ったノウハウを他の離島にも伝承すべく、車両移動式油化装置により、南西諸島から島根県・隠岐に至るまでの主な離島を巡回する広域社会実験、いわゆる“離島キャラバン隊”活動を進めました。その結果、スチレンの活用方法等に関し、各離島のニーズを踏まえることの重要性等が確認される一方、本システムが他の離島においても、極めて有効に機能する可能性が高いことも確認されました。
広域社会実験とは、移動式油化装置を長期間(1ヶ月~2ヶ月)派遣し、あらかじめ設定した検証テーマについて検証する「検証型社会実験」と、移動式油化装置を短期間(数日~数週間)派遣し、地域のイベントの開催等に合わせ、漂着ごみ油化のデモンストレーションを行う「イベント型社会実験」の二種類の実験の総称のことを指します。平成23年度は、沖縄県西表島、鹿児島県奄美大島、島根県西ノ島の合計3箇所において検証型社会実験を、鹿児島県喜界島、長崎県福江島、熊本県天草市、沖縄県石垣島の合計4箇所でイベント型社会実験を開催しました。
2011年5月~6月  西表島検証型社会実験を実施しました。
2011年6月     西表島公開実験を実施しました。
2011年7月    喜界島イベントト型社会実験を実施しました。
2011年8月~9月  奄美大島検証型社会実験を実施しました。
2011年10月    福江島イベント型社会実験を実施しました。
2011年10月    天草市イベント型社会実験を実施しました。
2011年11月~12月 西ノ島検証型社会実験を実施しました。
2012年1月     奄美大島二次社会実験を実施しました。
2012年3月     石垣島検証型社会実験を実施しました。
 

●「漁船のディーゼルエンジンでのスチレン混合油の使用に関する研究」

海岸漂着ごみから抽出したスチレン油は石油エネルギーとして、漁船のディーゼルエンジンの補助燃料として活用できる可能性があります。しかし、洋上での エンジントラブルは、人命の安全にもかかわる問題で、絶対に避けなければなりません。また、スチレン油を使用した結果、大気汚染を助長させることも、あってはなりません。したがって、スチレン油の漁船での使用にあたっては、安全・環境の両面から慎重に検証を行う必要があります。
 私たちは公的研究機関と共同で、漁船のディーゼルエンジンにスチレン油を使用した、さまざまな実験や耐久テストを繰り返し行いました。その結果、ディーゼ ル油等の通常の燃料に、スチレン油を10%程度まで混合しても、特に問題が生じないことがわかりました。

●発泡スチロールから抽出したスチレン油の成分分析

海岸漂着ごみに、いったいどのような成分が含まれているのか、今まで詳しい分析は行われていませんでした。私たちは全国の海岸から、漂着した発泡スチロールのサンプルを多数集め、公的研究機関に分析を依頼しました。また、これらの発泡スチロールを原料としたスチレン油の成分分析も行うなど、安全・環境 両面から検証を行いました。

●発泡スチロール以外の漂着ごみの油化

現在は発泡スチロールのみ対応可能となっていますが、現在発泡スチロール以外の漂着ごみも処理できるよう研究を進めています。今後、下処理の条件さえ整えば硬化プラスチック製品なども油化できる可能性があります。

4.今後の活動

2011年度の広域社会実験において、鳩間島での取り組みが他の離島においても通用することが判明しました。そこで、2012年度は、より深度化させた広域社会実験を実施する予定です。

5.メディア出演履歴(平成24年3月15日現在)

平成21年度

新聞
産経新聞(7月15日)、八重山日報(9月10日)、八重山毎日(9月10日)、八重山日報(11月8日)、八重山毎日(11月8日)、琉球新報(11月8日)、沖縄タイムス(11月8日)
テレビ
琉球朝日放送・ステーションQ(10月28日)、琉球朝日放送・スーパーJチャンネル(11月2日)、テレビ朝日・スーパーモーニング(11月5日)、沖縄テレビ・ニュース(11月8日)、琉球朝日放送・ニュース(11月8日)、NHK沖縄放送局・ニュース(11月11日)、NHK・朝のニュース(11月17日)
ラジオ
J-WAVE TOKYO MORNING RADIO(7月20日)、東京FMラジオ・クロノス・”WONDA モーニングショット ワンショットコラム”(7月24日)、NHKラジオ(10月8日)
雑誌
フォーブス日本版(11月号)

平成22年度

新聞
八重山日報(4月7日)、読売新聞(7月24日九州沖縄版・夕刊)、沖縄タイムス(10月17日)、八重山毎日(10月17日)、八重山日報(10月17日)、西日本新聞(10月28日)、長崎新聞(10月28日)、京都新聞(10月28日)、大分合同新聞(10月28日)、山形新聞(10月28日)、福井新聞(10月28日)、佐賀新聞(10月28日)、岩手日報(10月28日)、静岡新聞(10月28日)、茨城新聞(10月28日)、北國・富山新聞(10月28日)、山陽新聞(10月28日)、千葉日報(10月28日)、神奈川新聞(10月28日)、四国新聞(10月28日)、高知新聞(10月28日)、日本海新聞(10月28日)、中国新聞(10月28日)、下野新聞(10月28日)、山陰中央新報(10月28日)、東京新聞(10月28日)、河北新報(10月28日)、山梨日日新聞社(10月28日)、秋田魁新報(10月28日)、福島民報(10月28日)、新潟日報(10月28日)、中日スポーツ(10月28日)、北日本新聞(10月28日)、宮崎日日新聞(10月28日)、岐阜新聞(10月28日)、徳島新聞(10月28日)、八重山日報(10月29日)、八重山毎日(11月4日)、八重山日報(11月4日)、琉球新報(11月4日)、沖縄タイムス(11月5日)、八重山日報(12月2日)、八重山日報(12月5日)、八重山日報(12月19日)、八重山毎日(12月25日)、八重山日報(3月19日)
テレビ
NHK沖縄放送局・朝のニュース(10月17日)、石垣ケーブルテレビ(10月17日)、NHK沖縄放送局・朝のニュース(11月4日)、石垣ケーブルテレビ(11月4日)
ラジオ
南十字星FM(11月4日)
雑誌
女性自身(4月13日号)、ボートクラブ(9月号)、うみもり(11月号)
業界紙
日本海事新聞(10月29日)、みなと新聞(11月12日)、循環経済新聞(11月22日)

平成23年度

新聞
八重山日報(6月5日)、八重山毎日(6月5日)、南海日日新聞(7月24日)、奄美新聞(7月24日)、南海日日新聞(9月2日)、奄美新聞(9月2日)、南海日日新聞(9月4日)、奄美新聞(9月4日)、熊本日日新聞(10月29日)、山陰中央新報(11月8日)、読売新聞(11月10日朝刊・島根版)、朝日新聞(12月22日朝刊・島根版)、八重山毎日新聞(3月6日)、沖縄タイムス(3月7日)
テレビ
石垣ケーブルテレビ・ニュース(6月4日)、沖縄テレビ・ニュース(6月4日)、奄美テレビ放送・ほっとけトーク -自然を守りながら燃料を作ろう-(7月21日)、奄美テレビ放送・ほっとけトーク -離島が抱える共通課題とその解決策 海岸漂着ごみ問題を例に-(9月1日)、鹿児島テレビ放送・ニュース(9月4日)、奄美テレビ放送・ニュース(9月4日)、NHK長崎放送局・朝のニュース(10月16日)、五島テレビ・ニュース(10月16日)、NHK熊本放送局・夕方のニュース(10月23日)、テレビ熊本、天草ケーブルテレビ・ニュース(10月23日)、石垣ケーブルテレビ(3月5日)
雑誌
ソトコト(8月号)

6.参考資料

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