海洋汚染防止の調査研究

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海が持つ浄化作用は偉大です。しかし、近年の経済活動の発展・多様化により、大量の汚染物質が海に排出されるなどして、海の持つ浄化作用を超えることが懸念されています。
近年では、海洋環境の保全は人類共通の重要テーマの一つとなっており、当協会では、長年に亘り、船舶に係る海洋汚染の防止を目的とした各種調査研究に取り組んでいます。

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1. 油の流出による海洋汚染の防止
タンカーの事故などに伴う大量の油の流出は、自然の浄化作用を超え、海洋環境の破壊につながります。また、海洋や海岸で営まれている漁業や観光など、社会・経済活動にも大きな影響を及ぼします。
当協会では、次のようなさまざまな調査研究を続けてきました。
漂流油の回収技術に関する調査
流出油災害対応マニュアルの作成
流出油災害に備えた沿岸域環境保全リスク情報マップの整備
流出油災害時のボランティア活動に関する調査
国家石油備蓄基地における荷役の安全性の検証 など
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2. 有害・危険物質による海洋汚染の防止
海を汚染するのは油だけではありません。化学薬品や化学製品などの流出も、海洋やその周辺環境に甚大な影響をもたらすおそれがあります。
こうした有害・危険物質の流出後の挙動はさまざまです。油のように海面を漂うとは限りません。大気中に拡散するもの、海中を浮遊するもの、海水に溶解するもの、海底に沈降するものもあります。流出した場合の防除活動や清掃活動に際しては、物質の物理・化学的特性に応じたとても高度な専門知識や技能を必要とします。
当協会では、有害・危険物質による海洋汚染の防止を目的としたさまざまな調査研究を続けてきました。
有害・危険物の海上輸送時の事故対応の研究
有害・危険物事故対応ガイダンス
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3. バラスト水による海洋汚染の防止
バラスト水とは、喫水を保ち安定させるため、船舶が積荷のない状況で航海する場合や港で積荷を陸揚げした際などに船舶内タンクに取り入れ、荷物を積むときは排出する海水のことを言います。船舶にバラスト水として積載された海水の中に存在する動植物プランクトンが船舶とともに他の海域に移動することによって、本来の生態系を破壊してしまいます。
このバラスト水に関しては平成3年(1991年)に国際海事機関(IMO)で正式議題に取り上げられてから、世界的な環境問題として大きな課題となりました。 平成16年(2004年)にはIMOで「船舶バラスト水及び沈殿物の管制及び管理のための国際条約」が採択されました。
当協会では、早くから、この問題に関する調査研究に取り組み、研究成果を踏まえた技術開発についても、民間企業研究者と協同で取り組みました。
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4. ごみによる海洋汚染の防止
近年、日本各地の海岸に、国内外からの漂着物が大量に押し寄せており、景観の悪化や、公衆衛生の阻害、生態系の破壊、海岸機能の低下や漁業への影響など様々な被害を及ぼしています。
また、近年においては、マイクロプラスチックによる海洋環境への深刻な影響が懸念されています。
平成21年(2009年)7月に、海岸における良好な景観及び環境並びに海洋環境を保全するための海岸漂着物の円滑な処理と発生の抑制を目的とした「海岸漂着物処理推進法」が成立しました。これにより、対策を推進するための財政上の措置を含め、海岸漂着物等の円滑な処理等の仕組みが整えられたところです。
当協会では、平成21年(2009年)から離島の海岸漂着ゴミ処理システムの社会実験(島民が回収した海岸漂着ゴミの一部(発泡スチロール)を油化装置を用いてエネルギー(スチレン油)に変換するもの)を行いました。
今後もゴミによる海洋汚染防止に関する継続的な調査研究が必要です。
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