2021/02/26LROニュース(7)

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  • 2021.02.28 UP
    2021/02/26LROニュース(7)
    • 【1】ナイジェリアが海上監視能力強化のために装備の増強を計画
      • 【1】ナイジェリア運輸相は、海賊事件が多発するギニア湾の治安を強化するために、今後3カ月で1億9,500万ドル(約207億円)を投じて、航空機、巡視艇、車両の調達を進めることを発表し、これによりナイジェリア沖を航行する船舶の船主が船舶の保護を民間警備会社に頼らなければならない状況を改善できると述べた。運輸相が指揮する行政機関によって調整が行われているThe Deep Blue Projectのもと、2隻の特殊任務船、2機の航空機、2機のヘリコプター、4機のドローンなどの調達が進められ、同氏は、十分な数の船艇、航空機およびドローンを配備して常時海上を監視すると述べている。イスラエルのヘルツリーヤに拠点を置く海上警備会社のBlue Octagon社が、これらの装備の調達を担当する。国際海事局(IMB)によると、近年発生している海賊による船員の誘拐事件のほとんどがギニア湾で発生しており、ギニア湾は船員にとって世界で最も危険な海域となっている。ナイジェリア政府の能力の向上は、国の重要な石油産業を支援する船舶や商品の輸出入を行う船舶が、1日あたり8千ドルから1万ドルの費用を支払い、武装した海軍の要員が乗船する個人所有の船に護衛を依頼する必要性を減少させることになる。
      • 原文 February 25, 2021 Dryad Global (若林健一)
    • 【2】北米初の潮汐発電所が閉鎖を決定
      • 【2】カナダのファンディ湾とアンナポリス川に面し、操業開始された1984年当時には世界でわずか3か所しかない潮汐発電所の一つだったアンナポリス発電所について、操業者のNova Scotia Power(NSP)は当該発電所を37年間の操業の末閉鎖することを決定した。アンナポリス発電所は満潮時に水を貯め、干潮時に貯水池から海へ放水する際に発電するよう設計されており、潮汐の状況によるが、一日当たり約80-100MWhを発電している。NPSは2018年、発電量の減少と継続的な資本コストの増加により、当該発電所への投資継続の見直しを開始したが、2019年1月に発電所の重要な機関が故障し、発電が停止する障害が発生した。加えて同年4月1日にはカナダ水産海洋庁より、当該発電所の運転継続には漁業法の下での承認が必要となる旨の通知が発行された。NSPは見直しの結果、投資継続はコストの最適化および顧客にとって最善の選択肢ではないと判断し、2月19日に当該発電所の現在の価値2580万カ加ドル(約21億円)を含め、閉鎖まで10年間(2021-2030年)の資産償却期間を求める申請をNova Scotia Utility and Review Boardに提出した。申請によると、提案された償却額は年間280万カナダドル(約2.3億円)であり、今後の決断は検討作業の終了次第下される予定である。
      • 原文 February 25, 2021 Offshore Energy(植木エミリ)
    • 【3】ESCA:Fuel EU Maritimeの包括的なアプローチを求める欧州議会を歓迎
      • 【3】欧州議会の運輸委員会は2月25日に報告書を採択し、Fuel EU Maritimeにより燃料の炭素強度だけでなく、船舶やその運航の効率を改善する技術的および運用上の対策にも取り組むよう欧州委員会に求めた。また、モーダルシフトの目標を達成し、輸送の混雑と排出を削減してゼロエミッションに移行する上での近海海上輸送が果たす役割の重要性を強調している。EUの船主は、今後のFuel EU Maritimeに基づく包括的なアプローチを求める欧州議会の運輸委員会の呼びかけを歓迎する。 欧州船主協会(ECSA)は、Fuel EU Maritimeの燃料基準が燃料供給業者ではなく船舶の要件となっているため排出削減を実現できないリスクがあると考えており、燃料供給業者に対する燃料基準、または船舶の全体的なエネルギー性能をカバーする効率基準のいずれかの形式を取る包括的なアプローチを提案する。報告書は、スクラバーに関するあらゆる措置がIMOの枠組みとMARPOL条約に沿ったものでなければならないとしており、これは前向きな進展である。欧州議会の報告書はまた、港湾やエネルギー供給業者を含む海事クラスターによる全体的なアプローチを取り入れ、欧州グリーン・ディールの目的を達成する上でのデジタル化、自動化、および寄港地の最適化の積極的な貢献を強調してる。
      • 原文 February 25, 2021 欧州船主協会 (若林健一)
    • 【4】SEA Europe:欧州戦略は独自の海洋技術産業に焦点をあてるべき
      • 【4】欧州委員会は2月18日、将来的な「オープンで、持続可能かつ積極的な通商政策」の方向性を定めた新たな通商政策のレビューを採択した。現在、輸送・防衛・安全保障・貿易と海上へのアクセス・食・エネルギー供給といった海上での活動は複雑な船舶や洋上プラットフォームに依存しているだけでなく、高度な海洋技術を必要としている。そのため、欧州での海事産業における製造能力の拡大は、自律的な海洋戦略およびグリーン/デジタルという二大革命をリードするため不可欠である。こうした戦略に対し、造船業・舶用工業の業界団体SEA Europeは、現在の不公正な貿易慣行は、欧州の海事技術産業の存続を危うくしており、造船業において、東アジアからの不公平な競争の平衡化と貿易保護を強化するための戦略的で適当な解決手段がないことによりさらに悪化していると指摘した。またSEA Europeの欧州事務局長は、複数の声明や公約にも関わらず、欧州の海事技術分野、特に造船分野は、30年以上にわたって造船を妨げてきた貿易防衛策独自の法の抜け穴を塞ぐ具体的な行動を待っているのが現状であると述べた。その一方で、「不公正な貿易慣行から欧州企業を保護するためのツールを開発する」という欧州委員会の確固たる約束を歓迎する意向を示し、必要な場合には、自律的なツールを使ってEUの利益を追求するとしている。
      • 原文 February 23, 2021 Safety 4 Sea(植木エミリ)
    • 【5】オマーン湾を航行する自動車運搬船で原因不明の爆発が発生
      • 【5】2月25日午後8時40分ころ、オマーンのマスカットから北西約44海里のオマーン湾をサウジアラビアからシンガポールに向け航行していた自動車運搬船で爆発が発生したとの報告があった。乗組員に被害はなく同船はそのままシンガポールに向け航行を続けているとみられる。事件に関する詳細は明らかになっていないが、現在の地域的な緊張状態や周辺の領域で軍事的な手段を用いて力による外交を行うというイランの意図からすると、事件がイラン軍の活動による結果発生した可能性もある。同船はマン島に登録され、イスラエルの会社が所有している。バイデン政権とイランとの関係に和解の兆候が見られることもあり、イスラエルとイランとの関係は緊張状態が続いている。また、イランは、イスラエルが他の湾岸諸国との関係改善を進めることを恐れており、サウジアラビアとイスラエルがイランに対抗すべく裏で協力を図っているとの最近の報告が、イランの活動に影響を与える可能性もある。
      • 原文 February 26, 2021 Dryad Global (若林健一)
    • 【6】気候変動の影響でアラスカの雷雨が三倍になる可能性
      • 【6】米国立大気研究センター等の科学者は、Climate Dynamics誌に発表した論文のなかで、現状の気候の傾向が続けば、今後アラスカは更なる雷雨・地滑り・洪水・山火事に見舞われる可能性があり、今世紀末までに雷雨の発生量が三倍になる可能性があると警告している。
        気温が上昇すると、大気中の水分量が増え急激な上昇気流が起こりやすくなるが、これが雷の発生する2つの要因であり、アラスカでは北極海の海氷の急激な減少によってより多くの水蒸気が大気中に放出されるという影響も受けている。気候変動と雷の関連性については研究が続いており、2014年にScience誌に発表された別の研究では、産業革命以前の気温から1℃上昇するごとに雷の発生率が約12%上昇していることが明らかになっている。この度の新たな研究では、雷雨の増加に伴って極端な豪雨の発生率が2100年までに37%増加すると見込まれており、研究の共著者は将来的な降雨のパターンとして、非常に短い間豪雨が降ったのち、乾燥した期間が長期間続くと予測しており、乾燥した期間に豪雨が挟まることによって、永久凍土の融解に既に脆弱な地域をより危険に晒す可能性があるとしている。アラスカでは近年、内陸部や沿岸部のアンカレッジといった以前はまれだった地域でも頻繁に雷雨が発生しており、アンカレッジの雷雨の発生頻度は、過去20年間は平均0.8日だったのに対し現在では2倍になっている。
      • 原文 February 24, 2021 Arctic Today(植木エミリ)
    • 【7】ワクチン接種の第2段階は業種別ではなく年齢順で実施
      • 【7】現在英国では、新型コロナウィルスのワクチン接種の第1段階として、年齢50歳以上の人、介護施設の入所者や医療機関のスタッフなどを対象にワクチン接種が行われており、これが終了した後には2,100万人以上の50歳未満の成人を対象にワクチン接種の第2段階に入る予定。40代、30代、18歳から29歳まで順で年齢順にワクチン接種が進められる計画で、早ければ4月中旬から40代の人を対象にワクチン接種が開始される見込みである。一方で、学校の教師、警察官、その他の基幹労働者は職務上他人と接する必要があっても自身の年齢に応じてワクチン接種の順番を待つ必要があり、労働組合などからはこれらの職業に就いている人へのワクチン接種を優先させることを求めている。これに対して予防接種に関する共同委員会(JCVI)は、業種別での接種は手続きが複雑になりワクチン接種の進行を遅らせることになると述べている。
        ※2/25の英国の感染者数:9,985人(日本927人の11倍)
        ※2/25の英国の死者数:323人(日本人63の5.1倍)
      • 原文 February 26, 2021, BBC (若林健一)
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