2021/02/19LROニュース(7)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2021/02/19LROニュース(7)

記事アーカイブ

  • 2021.02.22 UP
    2021/02/19LROニュース(7)
    • 【1】米国が仮想通貨を使い北朝鮮船舶の所属を隠した北朝鮮人ハッカーを訴追
      • 【1】米国連邦当局は、サイバー攻撃を行い13億ドル以上の現金や仮想通貨を盗み、脅し取るなどしたとして、北朝鮮の軍事諜報機関に所属する3人の北朝鮮人ハッカーを起訴した。また、彼らは、米国による対北朝鮮制裁を回避する方法として、仮想通貨などを取引するためのソフトウェアを作成し、投資家が無意識のうちに仮想通貨で北朝鮮の貨物船に資金を提供するよう仕向けたとされている。さらに米司法省によると、ハッカーの1人はMarine Chain Tokenと呼ばれるデジタルトークンの作成に関与し、投資家が貨物船の所有権の一部を購入できるようにすることで、貨物船が北朝鮮に所有および管理されているという事実を隠匿したとされている。ハッカーは数百の仮想通貨会社を標的にして、数千万ドル相当の仮想通貨を盗んだと言われており、北朝鮮のハッカーによる犯罪行為の範囲は広範で長期にわたるものであり、彼らが犯した犯罪の範囲は驚異的であると、カリフォルニア中央地区連邦地方検事代理は述べている。
      • 原文 February 18, 2021, Splash (若林健一)
    • 【2】パナマ運河が料金システム等を4月15日から変更
      • 【2】パナマ運河庁は、特定の日時の通航を保証する通航予約制度の需要の高まりを受け、需要と供給を満たすため、当該サービスの価値を価格に反映させるとして、4月15日より予約料金を改正することを発表した。概要としては、①パナマックス閘門の予約料金は(1)船腹27.7m以下のレギュラー船は10500ドル(約110万円)(2)船長274.32m以下、船腹32.61m以下のスーパー船は4万ドル(約422万円)(3)船長274.32m~294.44m以下、船腹32.61m以下のスーパー船は5万ドル(約528万円)。②ネオパナマックス閘門の予約料金は(1)パナマックスプラスを含む船腹42.67m以下の船舶は7万ドル(約740万円)(2)船腹42.67m以上の船舶は85,000ドル(約897万円)。③通常のオークションで得られる通航スロットの基本/最低料金は、(1)レギュラー船15000ドル(約158万円)(2)スーパー船55000ドル(約580万円)(3)パナマックスプラスを含むネオパラマックス船93000ドル(約982万円)。④特別オークションで得られるネオパラマックス閘門の通航スロットは日付と条件は運河の混雑状況やその他の要因によるが、基本/最低料金は10万ドル(約1056万円)。⑤加えて、同日よりタグボート/ラインハンドラー/曳船機関車関連のサービス料金と、船舶調査・安全保障料金・パナマ運河船舶油濁対応プラン(PCSOPEP)料金といった補完的なサービスを含めたその他の海上サービスにも変更を加える予定である。
      • 原文 February 18, 2021 Seatrade Maritime News(植木エミリ)
    • 【3】Maerskが2023年までに世界初の炭素中立船の進水を目指す
      • 【3】コンテナ船社大手のMaerskは、当初計画していた2030年より7年早い2023年に世界初の炭素中立を実現した定期船を進水させる計画であることを明らかにした。この船は、容量が約2,000 TEUのメタノール燃料船であり、標準的な低硫黄燃料油(VLSFO)で運航可能だが、初日から炭素中立なメタノールまたは持続可能なバイオメタノールで運航される予定。The Methanol Institute(MI)の最高執行責任者は、メタノールは、クリーンで効率的かつ安全な船舶燃料として証明されており、温室効果ガス(GHG)を大幅に削減し、IMO2020に完全に準拠し、炭素中立を実現する道筋を示し、船舶の運航者に直ちに脱炭素化のメリットをもたらすと述べている。MaerskのCEOは、2018年に2050年までの炭素中立を宣言した時は壮大な計画であったが、現在は難しい課題であるものの実現可能な目標であると考えていると語っている。マースクは、その脱炭素戦略に沿って2030年までに商業的に実行可能な脱炭素舶を進水させ、2030年までに対2008年比でCO2排出量を60%削減することを目指しているが、今回の発表はこの計画の実現を早める可能性がある。Maerskは、アルコール(メタノールとエタノール)、バイオメタン、アンモニアの3つの燃料に着目して、新たな燃料の開発に投資してきたが、同CEOは、2乃至3年以内にアンモニアやアルコールをベースにした燃料の安全性やその他すべての問題を解決すべく取り組んでいると述べている。
      • 原文 February 17, 2021, OFFSHORE ENERGY (若林健一)
    • 【4】ロッテルダム港主催による水素サミットが3月9日より開催
      • 【4】3月9日から11日まで、第2回目となる世界水素サミットがオンラインで開催され、今年は水素技術とその活用に関する世界的傾向に焦点を当て、ロッテルダム市・持続可能エネルギー協議会と共同で主催を務めるロッテルダム港の意向が強く反映されたものになる見込みである。ロッテルダム市はロッテルダム港を、水素の大規模な生産/輸出/処理/消費を行うEU最大の水素ハブとして発展させることを目指しており、サミットではロッテルダムの数多くの地域的なプロジェクトについても言及し、港湾CEOのAllard Castelein氏が水素の輸入に重点をおいた基調講演を行う予定である。ロッテルダム港湾当局はパートナーと協力して、再生可能エネルギーから製造するグリーン水素や、化石燃料から炭素回収・貯留技術を用いて製造するブルー水素の新たな製造施設と、港湾施設を介して水素を輸送するためのパイプラインの実現に取り組んでいる。加えて、水素の輸入量と処理能力の向上と共に、道路輸送と内航船における水素の利用を促進しており、これらの計画によって同港の国際的な水素ハブとしての立ち位置を確立すると共に、今後数十年に渡って確実に同港が欧州北西部をリードするエネルギー港湾でありつづけられることを目指している。
      • 原文 February 18, 2021 Port of Rotterdam(植木エミリ)
    • 【5】Yaraが欧州初の大規模なグリーンアンモニア製造プロジェクトを発表
      • 【5】Yara Internationalは、StatkraftおよびAker Horizonsと提携しノルウェーのポルスグルンにあるYaraのアンモニア製造所の電化および脱炭素化を図り、海運、農業、および工業向けのグリーン水素やグリーンアンモニアを製造することを計画しており、これはグリーンアンモニアに関する欧州初の大規模なプロジェクトになると発表した。このプロジェクトでは、アンモニアの生産過程においてCO₂排出をなくすことにより、CO₂を排出しない船舶燃料、炭素を含まない肥料、および工業用途のアンモニアを生産することを計画しており、年間で30万台以上の自動車から排出される量に相当するCO₂の削減を目指す。電力が利用可能で必要な公的資金が投入されれば、プロジェクトは5乃至7年以内に実現できる見込みでる。YaraのCEOは、現在は再生可能エネルギーと電気分解によりグリーン水素を生産することは天然ガスよりもコストがかかるが、大規模な生産により電気分解に要するコストを削減できるとし、また、Yaraの既存のアンモニア製造所を改修することで、新たな製造所を建設する場合に比べ経済的で短期間で済むと述べている。3社は当プロジェクトに加え、ノルウェー北部でのグリーンアンモニア生産の可能性を探求することも計画している。
      • 原文 February 19, 2021, The Maritime Executive (若林健一) 
    • 【6】気候変動の影響により永久凍土地域に出現するクレーター
      • 【6】2020年に発生したピンゴ(永久凍土域にみられるドーム状の丘陵地形)の爆発によって、メタンガスが噴出し、氷と岩を遠くまで吹き飛ばして、シベリアのツンドラ地帯に巨大なクレーターを出現させた。これは2013年に初めて観測されて以来、ロシア北極圏のヤマル・ギダン半島で発見された17番目のクレーターであり、クレーターの出現には気候変動が関連していると考えられている。昨年8月に当該クレーターを訪れたロシアの研究チームがGeosciences発表した調査結果によると、研究者達は初めてドローンをクレーター内部に飛行させることに成功し、メタンガスが溜まっていた地下の空洞の形状を捕らえることができた。ドローンが撮影した画像を基に3Dモデルを構築したところ、クレーター下部には珍しい空洞があり、氷の中の空洞の中にメタンガスが溜まることで地表に小山を出現させることが確認された。この小山が大きく成長すると爆発して氷や小石等を吹き飛ばし、後には巨大なクレーターが残る。メタンの発生源ははっきりしておらず、地球の深層部か地表付近か、或いはその両方と考えられている。永久凍土は強力なGHGであるメタンの天然の貯蔵庫であると共に、大気中の約2倍のCO₂を保持していると考えられているため、永久凍土域は気候変動との戦いに非常に重要である。こうしたクレーターは通常ヘリコプターの飛行中や、トナカイの放牧者によって偶然発見され、人口のまばらな地域に出現しているが、地域住民や石油・ガスインフラに危険を及ぼすものである。
      • 原文 February 18, 2021 High North News(植木エミリ)
    • 【7】 感染者数の減少が続くなか政府が次週ロードマップを公表予定
      • 【7】英国統計局が公表したデータによると、2月12日までの1週間で確認された新型コロナウィルスの感染者数はここ数週間で最も低い値となり、実行再生産数(R)の値は0.6から0.9の間にあると評価されている。また、これまでにワクチン接種を1回終えた人の数は1,680万人を超え、2回の接種を終えた589,591人と合わせるとその数は1,750万人近くに達する。さらに、ONSが実施したサンプル検査の結果、イングランドでコロナウィルスに感染している人の割合は115人に1人の割合であったが、先週が80人に1人の割合であったことから大幅に改善していることが認められた。一方で専門家からは改善はみられるものの依然として感染率は高い状態が続いており、警戒が必要であるとの声も聞かれる。政府は来週ロックダウン緩和のロードマップを公表する予定だが、内容についてコメントすることは避けている。
        ※2/18の英国の感染者数:12,057人(日本1,448人の8.3倍)
        ※2/18の英国の死者数:454人(日本人94の4.8倍)
      • 原文 February 18, 2021, BBC (若林健一)
  • 資料閲覧 その他