2021/01/26LROニュース(7)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2021/01/26LROニュース(7)
  • 2021.01.27 UP
    2021/01/26LROニュース(7)
    • 【1】EUの産業を保護するため欧州委員会が炭素国境税の導入を検討
      • 【1】欧州委員会は、今後10年間でCO₂排出量を55%削減するという目標を達成するための様々な環境法令の一つとして、今年6月末までに炭素排出に関する国境調整措置の導入を提案すると予想されている。欧州委員会上級副委員長を務めるフランス・ティーマーマンス氏は、1月18日に開催されたオンラインイベントにおいて、炭素国境税はEUの産業が生き残るために不可欠な措置であり、EU以外の国の産業がCO₂排出削減に貢献しない限り、EUは歪んだ競争環境や炭素リーケージのリスクからEUの産業を保護する必要性からこれらの国に対して炭素国境税を課すことになるだろうと述べた。また同氏は、中国は2060年までに炭素中立を達成することを宣言し、米国もパリ協定への復帰を宣言しており、他の主要なCO₂排出国もすぐにカーボンプライシングを導入するだろうと述べて期待を示すとともに、より多くの国や地域がカーボンプライシングを導入すれば、EUも国境調整措置を導入する必要性もなくなると述べ、本制度の狙いを説明している。今年11月にはCOP26の開催が予定されており、これに向けて加盟国はさらなるCO₂排出削減に向けた対策を示す必要があり、気候変動対策の強化が求められている。同氏は仮にCOP26において成果が得られない場合は、EUは国境調整措置の導入を推し進めることになるだろうと述べている。
      • 原文 January 19, 2021, Euractiv (若林健一)
    • 【2】ロッテルダム港がスマート係留システムの試験を実施
      • 【2】ロッテルダム港当局は、Maasvlakte のECTデルタターミナルの岸壁沿いに、蘭企業Straatman BVと共同開発したスマートボラードを試験的に設置した。これまで、係船索の張力を測定することは不可能であり、正確なデータがないため、係留索にかかる最大の負荷を想定する必要があったが、今回設置されたボラードはリアルタイムで係船索の張力を測定することができ、安全性を即時に監視できるだけでなく、どの船舶がどの岸壁に係留可能か鮮明な画像によって把握することが可能である。ボラードに力が加わると、ボラードはごくわずかに動き、センサーが力を測定して、管理当局に結果を直接送信する。ロッテルダム港当局は岸壁の建設と維持管理を専門にしており、収集したデータを利用して構造物の監視を行っている。例えば、多くの岸壁にはセンサーが設置されているが、センサーの働きによって岸壁は以前想定されていたよりもはるかに長持ちすることが分かっており、こうした結果は欧州の構造設計基準(Eurocodes)の更新にも繋がっている。今回のスマートボラードの試験は、デジタル化を通して港湾をより効率的にするというロッテルダム港当局の方針に沿ったものである。
      • 原文 January 25, 2021 Port of Rotterdam(植木エミリ)
    • 【3】サントメ島沖で海賊の襲撃により船員1名が殺害、15名が誘拐される
      • 【3】1月23日午前5時30分ころ、ナイジェリアのラゴスを出港してケープタウンに向けてサントメ島の北西約98海里の海上を航行していたリベリア籍コンテナ船が海賊による襲撃を受け、アゼルバイジャン人船員1名が殺害され、トルコ人船員15名が誘拐された。乗組員などの証言によると、賊は武装し、爆発物を使用して船員が隠れたシタデルをこじ開けるなど高度に組織化されていた。残された乗組員3名も負傷し、現在同船は、ガボンの領海内でガボンによる支援を受けている。本件は今年に入りギニア湾の高危険エリア内で発生した5件目の事案で、これまでに西アフリカの海域で発生した事案の中で最も沖合で発生している。2020年に西アフリカの海域で発生した事件数は2019年から12%増加し、賊による侵入事案の件数は13件から18件に増加している。付近を航行する船舶は最大限の警戒態勢を維持しつつ、ベストプラクティス集(BMP West Africa)に従った予防策の励行が求められる。
      • 原文 January 23, 2021, Dryad Global (若林健一)
    • 【4】グリーンエネルギーへの転換に伴い大幅な人員削減を行うBP
      • 【4】2020年に、大手石油企業としては初めて、2030年までに一日当たりの石油・ガス生産量を40%(100万バレル)削減する目標を設定し、再生可能エネルギーの生産量を20倍に増やし、2050年までに事業活動の炭素中立化を宣言したBPは、化石燃料からグリーンエネルギーへの転換を促進するにあたって大規模な企業再編を行っており、数年前のピーク時は700人以上いた同社の地質学者・エンジニア・科学者は100人以下に削減された。過去数か月で、石油探査チームから数百人が新たな低炭素活動の開発支援のため異動または解雇されており、こうした動きは化石燃料から急速に脱却している顕著な兆候だが、化石燃料は同社が再生可能エネルギーへ転換するための資金調達を行う上で、少なくとも今後10年間は主な資金源であり続ける。同社は労働力の15%に当たる1万人の雇用を削減するなど、シェルやトタルといった欧州の他の石油メジャーに比べ積極的な人員削減を行っており、またノルウェーのコンサル企業Rystad Energyの分析によると、同社が2020年に取得した新規探査許可は2015年以降最少となる3000㎢で、2020年はパンデミックの影響で世界の探鉱活動が全体的に鈍化したが、同社の縮小は主に戦略の変更によるものである。
      • 原文 January 25, 2021 Reuters(植木エミリ)
    • 【5】インドネシアがイラン籍タンカーとパナマ籍タンカーを拿捕
      • 【5】インドネシア政府は1月24日、イラン籍タンカーとパナマ籍タンカーの2隻をカリマンタン州の沖合で違法に船舶間貨物油積替え作業を実施した疑いで拿捕し、さらなる捜査を実施するため2隻をリアム諸島州のバタム島に連行したと発表した。インドネシア海上保安機構によると、2隻は発見時に国旗を掲揚せず、船舶自動識別装置(AIS)の信号も切り、無線による呼びかけにも応じず、パナマ籍タンカーの周囲には油の流出も確認されたとしている。国際海事機関(IMO)は安全性と透明性の確保のために船舶に対してAISの使用を要求しており、船舶は海賊による襲撃を受けた場合などを除きAISを使用しなければならないが、違法な活動に従事する船舶が自船の位置を隠すためにしばしばAISを切ることがある。イラン政府は本件についてコメントしていないが、イランは米国による制裁への対抗手段として、原油を輸送するタンカーの追跡を不可能にすることで輸出した原油の輸送先を隠し、原油の輸出量の把握を困難にしていると指摘されている。昨年イランは今回拿捕されたタンカーに210万バレルのコンデンセートを積載しベネズエラに向かわせている。
      • 原文 January 24, 2021, gCaptain (若林健一) 
    • 【6】米新政権の大統領令により北ベーリング海の保護が復活
      • 【6】バイデン新大統領が就任初日に署名した環境保護や公衆衛生に関する大統領令により、北極圏国立野生生物保護区における石油探査の中止などの、トランプ政権による環境破壊的な政策が覆されると共に、北ベーリング海の保護が復活となった。北ベーリング海は海運や漁業にとって重要な海域であり、環境も急速に変化している。The Northern Bering Sea Climate Resilience Area(NBSCRA)は、北ベーリング海約29万㎢の環境保護と、政策におけるアラスカ先住民の権限強化を義務付けるもので、2016年12月にオバマ政権の大統領令によって制定されたが、その5か月後にトランプ政権の大統領令により撤廃されていた。現地の部族組織によって長年に渡り計画・作業が進められてきたNBSCRAプログラムには、輸送の安全性を高め、油濁汚染を防止するための一連の義務や、伝統的科学や土着の科学を含めた当該地域の科学的研究を後押しし、当該地域への人為的活動が与える影響調査が含まれるが、現地の部族組織にとって最も重要なのは、部族と先住民族の協議における要件の形式化である。2016年の大統領令執行時においても、当該地域における政策決定の指針となるベーリング海政府間部族諮問委員会の設立は特に重要なパートだった。
      • 原文 January 22, 2021 Arctic Today(植木エミリ)
    • 【7】英国内での新型コロナウィルスによる死者数の累計が10万人を突破
      • 【7】英国統計局が発表したデータによると、英国内の新型コロナウィルスによる死者数の累計は1月15日までに約107,907千人に達し、10万人を超えた。政府が公表している死者数はこれより少ないが、検査の結果陽性が認められた後に死亡した人の数を計上しているためで、英国統計局のデータは死亡診断書を基に計上している。内訳はイングランドが最も多く92,257人、次いでスコットランドが7,448人、ウェールズが6,074人、北アイルランドが2,128人となっている。また、介護施設で死亡した人の数は1月15日までの1週間で1,719人に達し、昨年のクリスマスから2倍以上に増加しており、イングランドやウェールズでは介護施設で死亡した人の数が昨年5月以来最多を記録している。

        ※1/25の英国の感染者数:22,195人(日本3,990人の5.6倍、緊急事態解除基準47人の472倍)
        ※1/25の英国の死者数:592人(日本65人の9.1倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 January 25, 2021, The Guardian (若林健一)
  • 資料閲覧 その他