2021/01/22LROニュース(7)

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  • 2021.01.25 UP
    2021/01/22LROニュース(7)
    • 【1】2021年末までにVLCCの4割がスクラバーを搭載する見込み
      • 【1】スクラバーをすでに設置している既存の大型石油タンカー(VLCC)の割合は31%に達し、これに加え既存のVLCCの7%が現在設置を待っている状況で、本年末までに既存のVLCCの4割がスクラバーを搭載することが予想されている。また、既に建造発注済みのVLCCのうち32%がスクラバーを搭載することが予想されている。スクラバーの大手メーカーの報告によると、VLCCにおけるスクラバーの需要の増加は顕著である一方、昨年の新規発注数は大幅に減少しており、スクラバー搭載船のさらなる増加は見込めないとされている。また、スクラバーに対する規制当局の検査も厳しくなると見込まれ、特に開放型スクラバーの使用の禁止など現在までにスクラバーの使用を禁止している港の数も多く、今後その数はさらに増えることは避けられないと見られる。新型コロナウィルスのパンデミックが発生する前は、HSFOとLSFOの1トン当たりの価格差は250~300ドルで、スクラバーの使用による1日当たりの節約額も16,000ドルとスクラバーを搭載するメリットも大きかった。しかし、パンデミックの発生による石油価格の下落により、その価格差は40ドルから60ドル程度に縮小し、スクラバーの使用による1日当たりの節約額も3,000ドルから4,000ドル程度に減少した。一方で最近になって、高硫黄燃料油(HSFO)と低硫黄燃料油(LSFO)との1トン当たりの価格差は80ドルから100ドル程度にまで拡大し、スクラバーの使用による節約額はVLCCで1日当たり5,000ドル以上に達しており、スクラバー搭載による経済的なメリットは再び増している。
      • 原文 January 18, 2021, Hellenic Shipping News (若林健一)
    • 【2】Horizon 2020 ATLAS計画が深海の生態系保護に大きく貢献
      • 【2】EU最大規模の研究・イノベーションプログラムであるHorizon 2020 のATLAS計画は、4年前に大西洋への航海を開始し、80名以上の研究者が45回の調査に参加して、北大西洋の深海生態系への理解を大きく進展させてきた。ATLASは、12の新しい深海生物および30以上の海底生物群集を発見し、まだ探索されていない領域の多い海底では、これまで紅藻類/軟体動物/サンゴ礁はあまり探知されてこなかったが、研究では水深400m地点に生息する冷水性サンゴにも焦点が当てられた。現在深海生態系は高いリスクに晒されており、大西洋深層循環(AMOC)と呼ばれる海流は気候変動の影響により過去150年間で異常に減速している。また海洋の温暖化・酸化・食糧供給の減少により、冷水性サンゴや商業的に重要な深海魚類の利用可能性と生息地が2100年までに劇的に変化する可能性があることが分かった。ATLASでは科学的知見を海洋資源管理や国際的な海洋政策に反映させるという点でも大きな成果を挙げており、具体的には、深海における生物多様性のホットスポットを特定する方法を開発し、これにより海洋保護区に指定されたアゾレス諸島の熱水地域をはじめ、複数の地域が保護または生物学的に重要な場所として認識された。2019年には新たなiATLANTIC計画が開始され、調査範囲を南大西洋へ拡大している。
      • 原文 January 21, 2021 欧州委員会(植木エミリ)
    • 【3】ECSA:迅速な船員交代と船員へのワクチンの優先的な接種を要請
      • 【3】欧州船主協会(ECSA)は、迅速な船員交代と船員へのワクチンの優先的な接種を求めEU各国に宛てた書簡を公表したがその概要は以下のとおり。①新型コロナウィルスの変異種の出現で新たな規制が課されるなか、船員交代を巡る環境はさらに悪化すると見られている。②2021年はワクチン接種によりウィルスとの闘いに勝利するため、ワクチンや感染防止用保護具、注射器など、各国に必要な物資を供給するために船員は不可欠な存在である。EUや国連、国際海事機関、国際労働機関も船員や海事関係者が国際貿易で果たす重要な役割を認識し、船員交代や医療機関の利用を容易にするため彼らを直ちに基幹労働者(Keyworkers)に指定することを求めている。③ECSAはすべてのEU加盟国や欧州理事会による船員交代の実現に対するこれまでの貢献に感謝するが、コロナとの闘いが重要な局面にある今、すべての国が船員を基幹労働者に指定し、船員に優先的にワクチンを接種することを要請する。さらに、いかなる制限措置に関しても船員や海事関係者を例外的に扱うことを各国に求める。④すべての加盟国は、船員のサプライチェーンを維持する役割の重要性と、船員交代のために移動する際の感染リスクを考慮して、船員にワクチンを優先的に接種することを要請する。また、すべての船員がワクチン接種を受けるまでの間、船員の入国や移動に関してワクチン接種を条件としないことを求める
      • 原文 January 21, 2021, ECSA (若林健一)
    • 【4】RightshipとINTERCARGOがドライバルク船のための新たな基準を創設
      • 【4】海運業界における国際的な安全性・持続可能性・社会的責任の履行に関する専門知識を提供している第三者機関RightShipとINTERCARGOは1月21日、ドライバルク部門における新たな品質基準としてDryBMSを創設したことを発表した。この基準は、ドライバルク部門における安全性の向上を支援するもので、2021年後半に設立される新たなNGOが管理する。ドライバルクの安全基準の大幅な改善の必要性を一貫して主張してきた両団体は2020年8月、業界全体にとっての単一の枠組を創設するため、それぞれの専門知識を結集した。国際海運会議所(ICS)・BIMCOの支援を受け、創設されたDryBMSは、ベストプラクティスおよび主要な業績評価指標を提供し、安全面・環境面・運用面における卓越性に関する基準を引き上げる。当該基準の最終ドラフト版はDryBMSのウェブサイトから参照可能。
      • 原文 January, 21, 2021 INTERCARGO(植木エミリ)
    • 【5】太平洋で多数のコンテナが流出する事案が相次ぐ
      • 【5】1月16日、中国からロサンゼルスへ向かっていたコンテナ船が荒天に遭い、約750個のコンテナを流出させた。過去2カ月間で同様の事案が他に2件発生しており、昨年11月30日には同じく太平洋で1,800個以上のコンテナが流出する事案が発生している。世界海運評議会の昨年11月の報告書では、平均して毎年約5,000隻のコンテナ船から1,382個のコンテナが海上に流出しているとされている。今回コンテナを流出した船会社は、事態を深刻に受け止めており直ちに徹底した調査を行うとし、再発防止のために必要な如何なる措置も講じると述べている。しかし、特に太平洋における悪天候の頻度や深刻度が増すなかで、現在の大型コンテナ船へのコンテナの積み付け方法はもはや目的にかなっていないのではないかとの疑問が生じる。コンテナ船は縦揺れや横揺れを起こし、時に横揺れの角度は30~40度、あるいはそれ以上に達することもあり、この場合高く積みあがったコンテナの固縛や固定は簡単に壊れ、結果としてコンテナの海上流出や損壊が発生する。2018年1月に太平洋で発生したコンテナ流出事故に関して、英国海難調査局は昨年公表した報告書の中で、事故はコンテナのラッキングへの過負荷など様々な要因で発生したと結論付けている。さらに最近発行されたthe Journal of Ocean Engineering and Technologyは、新たに建造されるコンテナ船は既存船と比較して搭載する貨物の量が削減され、既存船においても搭載する貨物の量又は運航速力を減少せざるを得ないと予想されると結論付けている。
      • 原文 January 21, 2021, gCaptain (若林健一) 
    • 【6】IPAH:海事産業のデジタル化には幅広い官民の協力体制が必要
      • 【6】世界銀行と国際港湾協会(IPAH)による、「デジタル化の促進:海事サプライチェーンの耐久性を強化するために重要なアクション」報告書では、特に港湾に焦点を当て、デジタル技術の共同利用が、国際的な作業や文書化から、船上・陸上間でのコミュニケーションに至るまで、海上輸送のあらゆる側面を合理化するうえでいかに役立つかについてまとめている。IMOは加盟国に対し、国際海上交通簡易化条約(FAL条約)を介して主要なデータを電媒で交換することを義務付けているが、IAPHの調査によると、回答した100以上の港湾のうち、要件を満たしていたのはそのわずか1/3で、海事産業全体のデジタル化においては、技術的な問題ではなく、各国や地域における法的枠組みと、複数の官民の利害関係者に協力を要請することが主な障壁となっていることが分かった。報告書では、既に世界の主要な港湾や海事コミュニティで採用されている、ビッグデータ/IoT/5G/装着可能端末/無人航空機システムや、その他の性能と経済的競争力を向上させるスマート技術に基づく多数の技術について分析している
      • 原文 January 22, 2021 Splash(植木エミリ)
    • 【7】新規感染者数が減少傾向に転じるも非常に危険な状況が続く
      • 【7】イングランドとスコットランドは強い感染力をもつ新型コロナウィルスの変異種の出現もあり1月4日に全国的なロックダウンを宣言したが、最新のデータによると、先週まで増加していた国内の新規感染者数は今週に入り1日当たり1~4%の割合で減少しており、その効果が表れ始めたことを示唆している。感染者の実行再生産数(R)の値も先週の1.2~1.3から0.8~1.0へと減少したとみられる。しかし、英国国家統計局によれば現在も国民の55人に1人の割合で感染者が存在しているとされ、英保健省は非常に危険な状況に変わりはないと警告するとともに、感染拡大を抑えるためには外出をしないなど引き続き警戒を続ける必要があると訴えている。

        ※1/21の英国の感染者数:37,892人(日本5,533人の6.8倍、緊急事態解除基準47人の806倍)
        ※1/21の英国の死者数:1,290人(日本96人の13倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 January 22, 2021, Reuters (若林健一)
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