2021/01/18LROニュース(7)

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  • 2021.01.19 UP
    2021/01/18LROニュース(7)
    • 【1】 新型コロナウィルスの変異種の出現により船員交代が困難に
      • 【1】複数の新型コロナウィルスの変異種の出現により、世界中で多くの国がロックダウンを実施するなか、隔離措置が免除となる旅行回廊(Travel Corridor)の廃止や新たな規制の導入により航空各社は再び運航便を運休や減便しており、再び船員の交代が難しい状況に陥っている。港においても同様で、人の移動に対して再び厳しい規制が課されており、例えばコロナ禍にあって船員交代のハブとしての役割を果たすとしていた比は、変異種の出現を受けて過去14日以内に特定の国に寄港した船舶に対しては船員交代を目的に比国内に入域することを制限する措置を1月15日を期限に導入していたが、この措置を少なくとも1月末まで延長するとともに、対象国を2カ国追加して35カ国とすることを発表した。船員の配乗業務を行うDanica Crewing Services社の代表取締役は、この半年間は費用がかかり複雑な手続を経つつも何とか船員交代を行うことが可能な状況であったが、現在は船員の移動に対して様々な規制や障壁が存在し、また、船員の健康上のリスクに関しても深刻な問題に直面しており、これらは船員交代に対して今後数カ月間にわたり深刻な影響を与えることが予想されると述べ、船員交代は昨年春と同様に危機的な状況に向かっているとして警鐘を鳴らしている。
      • 原文 January 15, 2021, Splash (若林健一)
    • 【2】 海草が形成する繊維束がプラスチック片を捕獲
      • 【2】海草は多くの魚類の生息地であると共に、水質の改善やCO₂の吸収・酸素の放出を行い、沿岸部では海岸の侵食を防ぎ、壊滅的な高潮の被害を和らげるなど生物にとって多大な貢献をしているが、バルセロナ大学等の研究者達によると、こうした働きに加え、海流によって切り刻まれた海草が形成する繊維束が海中のプラスチック片を回収し、浜辺に運んでいることが分かった。研究者達が2018年と2019年に、沖合に広大な海草の群生地を有するマヨルカ島の4つの海岸に打ち上げられた海草から発見されたプラスチック片を数えたところ、緩い海草の葉の半分にはプラスチック片が付着しており、海草1キロあたり最大600片が検出された。一方で、Neptune ballと呼ばれるきつく結束された繊維束のうち、プラスチックを含んでいたのは全体のわずか17%だったが、緩い海草より遥かに高密度で、1キロあたり1500片が検出された。地中海の海草の繊維生産量から、海域全体でどれほどのプラスチック片が回収されるかを試算したところ、地中海だけで年間9億片近くが回収されている可能性があると推定された。
      • 原文 January 15, 2021, The Guardian(植木エミリ)
    • 【3】 インドネシアの水域で活動する中国の調査船や無人潜水艇
      • 【3】1月8日から12日にかけて船舶自動識別装置(AIS)を作動させずに南シナ海南端に位置するナトゥナ諸島周辺やカリマタ海峡を通過した中国の調査船が、その後スンダ海峡を通航した。インドネシア政府は国連海洋法条約に従って、群島航路帯を通航するすべての船舶に対してAISを作動させるよう要求するとともに、海洋調査の実施を禁止している。また、先月には中国のSea Wingと思われる無人潜水艇が南スラウェシのスラヤール島沖合で確認されたが、昨年だけで同様の事案が他に2件発生している。今月上旬には別の無人潜水艇がロンボク海峡付近で漁師により発見されている。専門家は中国海軍による西太平洋とインド洋を行き来する活動は増加を続けており、今後このような事象の発見事例は増えることが予想されると分析している。インドネシアのジョコ政権は海洋国家構想の一部として、国連に対してスマトラ島の南西沖などの大陸棚延伸の申請や各島間の通信環境の改善を進めており、過去2年間にわたり米中の大国間での争いに引き込まれないよう立ち回ってきたジョコ政権にとって、これらの事象は、その海洋権益に関する中国との関係においてインドネシア政府に新たな問題と提示している。
      • 原文 January 15, 2021, ASIA TIMES (若林健一)
    • 【4】 LNG価格の高騰が今後海運業界に与える影響
      • 【4】今冬アジアを襲った寒波はLNGの需要と価格を引き上げ、S&P Global Plattsによると、1月15日にはアジアでのLNGスポット高が100万BTUあたり約32ドル(約3318円)となり、2009年以来最高価格を記録した。現在の価格水準では、主要な燃料供給ハブで1トンあたり450ドル(約46,656円)程度となっているVLSFO1トン分のエネルギーに相当するLNGを得るために、1500ドル(約15万5523円)を超すLNGを購入する必要がある。こうしたLNG価格の高騰は、ガス燃料への舶用燃料の切り替えを検討している船主にとって考慮すべき問題である。過去数年でLNGのバンカリングが急増したため、LNGの価格は買い手にとって好ましいものとなっており、燃料としてのLNGの供給もほとんどが定期契約で行われているため、現在のところ海運業界へはこうした価格高騰の影響が大々的には出ていないものの、今後の契約交渉には大きく影響してくる可能性がある。また舶用燃料としてのLNGの利用がより普及すれば、スポット取引が更に一般的になり、こうした短期的な変動がより顕著になる可能性があると共に、地域的な価格の差異にも留意する必要がある。
      • 原文 January 15, 2021, Ship & Bunker(植木エミリ)
    • 【5】 ReCAAP-ISCが2020年の年間報告書を公表
      • 【5】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)が2020年年間報告書を公表したが、その概要は以下の通り。①2020年にアジアで発生した海賊武装強盗事件でReCAAP-ISCに報告があった件数は97件(既遂95件、未遂2件)で、2019年(既遂72件、未遂11件)と比較して全体で17%増加、既遂事件で32%増加した。97件のうち93件が武装強盗事件、4件が海賊事件であった。既遂事件は2007年以降で最少の62件を記録した2018年以降は毎年増加を続けている。②2020年は、バングラディッシュ、インド、フィリピン、ベトナム、南シナ海及びシンガポール海峡で発生した事件が増加の要因となっている。特にシンガポール海峡を航行中の船舶に対する侵入事案の増加が続いており、昨年31件であったのに対して34件に達した。③スールー海やセレベス海、サバ州東部沿岸では依然として船員の誘拐事件の発生が懸念される。また、2020年は比の港や錨地で発生する事件も2019年の7件から13件まで増加した。④中国やマレーシアの港や錨地での発生件数は前年から減少し、バングラディッシュ、インド、フィリピン、インドネシア、シンガポール海峡では賊が逮捕される事例もあった。⑤事件の内容の深刻度のレベルも昨年と同様に中程度であった。最も深刻な事案を表すCAT1に該当する事案は1件、2番目のCAT2に該当する事案は6件で、2007年以降の14年間で最も低い水準であった。全体の74%は、賊も武装せず乗組員にも負傷者がでなかったことを示すCAT4に該当する事案であった。
      • 原文 January, 2021, ReCAAP ISC(若林健一)
    • 【6】 バングラデシュの船舶解体作業で相次ぐ死者
      • 【6】南アジアにおける船舶解体作業の安全性の乏しさはたびたび指摘されてきたが、環境NGO・Shipbreaking Platformの最新の四半期報告書によると、2020年の第4四半期は、バングラデシュの施設で船舶解体作業にあたっていた作業員が最低5名亡くなっていることが明らかになった。異なる船舶の解体作業中に転落死した2名のうち一人は、作業を早く終わらせるよう圧力をかけられており、非常に早いペースで切断作業が行われていたと地元のメディアが報じている。別の船舶解体所では2名の作業員が体調を崩して死亡したが、原因はまだ明らかになっておらず、もう1名の作業員は、大型の鉄材が直撃したことで死亡し、Kabir Steel groupが所有する船舶解体所では少なくとも4件の事故が報告されている。報告書によると、2020年の第3四半期に破損した船舶170隻のうち、110隻が南アジアの国々へ売られたが、船舶の1/3は到着する数週間前に船籍をコモロ/ガボン/パラオ/セントクリストファー・ネイビスに変更しており、こうした船籍変更は、安全で環境的に問題のない施設でのよりコストの高い船舶解体作業を回避するためしばしば行われ問題となっている。
      • 原文 January, 15, 2021 Offshore Energy(植木エミリ)
    • 【7】 すべての入国者に対する陰性証明の提示義務と10日間の隔離措置が開始
      • 【7】英国政府は、日本を含む一定の国からの入国者を入国後の隔離措置の実施義務の対象外としてきた「旅行回廊(Travel corridors)」の制度を1月18日午前4時をもって一時停止し、基本的にすべての入国者に対して入国後10日間の隔離措置の実施を義務付けた。また同時に、すべての入国者を対象に、出国前72時間以内に受けた新型コロナウィルスの検査の結果取得した陰性証明書の提示の義務化が開始し、これに違反した場合は500ポンド(約7万円)の罰金が課される。隔離措置については5日目に任意で検査を受け、結果が陰性であれば隔離を終了することができる。現在英国では極限られた理由でのみ渡航が認められているが、週末には規制強化前に入国しようとする旅行者で空港が混雑する場面も見られた。

        ※1/17の英国の感染者数:38,598人(日本6,999人の5.5倍、緊急事態解除基準47人の821倍)
        ※1/17の英国の死者数:671人(日本66人の10倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 January 18, 2021, METRO (若林健一)
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