2021/01/08LROニュース(7)

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  • 2021.01.12 UP
    2021/01/08LROニュース(7)
    • 【1】 中国が南シナ海に近い海南島の海軍基地を強化
      • 【1】中国海軍は、標準的な艦載機として使用しているZ-9型ヘリコプターを海南島南端の三亜市にある海軍基地から飛行させ、南シナ海において対艦ミサイルの実弾を使用した演習を実施した。同基地は過去一年間で大規模な拡張が行われており、新たに撮影された衛星写真によると、2016年に建造が開始された乾ドックが略完成しており、現在上海で建造が進められている003型航空母艦が十分に収まる大きさであることが確認できる。また、この乾ドックの付近には航空母艦2隻が着桟できる桟橋も備えられている。これは、中国海軍が海南島を恒久的に航空母艦の基地として使用することを示唆しており、南シナ海における中国海軍のプレゼンスが大幅に強化されることになる。同基地ではこれまでに長距離無人航空機も確認されており、原子力潜水艦や通常型潜水艦、大型艦船が存在することは、中国がその戦力の中心を南シナ海に移行していることを意味している。
      • 原文 December 29, 2020, USNI News (若林健一)
    • 【2】 UNEP:世界中のサンゴ礁を詳細に地図化する計画が進行中
      • 【2】サンゴ礁は全海洋生物の1/4を育む生態系であり、世界10億人以上の食糧や家計、安全を支えているが、気候変動による汚染や熱波、乱獲等の危機に晒されている。海洋探査はコストが高く、技術も発展途上であり、世界のサンゴ礁のほとんどは地図化されていないが、海洋生物多様性の保護と回復のため、Microsoftの共同創業者で、海洋生態系の保全に取り組んでいたPaul Allen氏が創設した慈善団体Vulcanが主導するAllen Coral Atlas projectでは、衛星画像を用いた浅瀬のサンゴ礁の詳細な地図化に取り組んでいる。この新たな地図により、科学者や環境団体がサンゴ礁の健康状態を長期的に比較し、サンゴ礁に対する環境的な圧力を把握することが可能である。また気候変動の影響に対し、自然な耐性を有しているサンゴ礁の群生地を特定することを目指しており、そうした場所には、温暖化した海洋がサンゴ礁に与える影響を緩和する鍵が潜んでいる可能性がある。国連環境計画(UNEP)もVulcanと協力し、この新たな地図の利用法について、特に途上国におけるサンゴ礁の専門家や管理者、政策立案者の人材育成に取り組んでいる。
      • 原文 January 7,2021, UNEP(植木エミリ)
    • 【3】 リサイクルに適さない廃プラスチックを規制する改正バーゼル条約が施行
      • 【3】リサイクルに適さない汚れたプラスチックごみを新たに規制対象とする改正バーゼル条約が2021年1月1日から施行された。これにより、規制対象となるプラスチックごみを輸出する場合には事前に相手国の承認が必要となる。これまでプラスチックごみを輸入する国は、送られてくるプラスチックごみが実際にリサイクル可能か否か、または再利用に適さないほど著しく汚染されていないかを事前に確認することができず、結果としてリサイクルに適さないプラスチックごみの違法な焼却や埋立処分、水域への投棄処分に繋がっていた。
        実際にリサイクルされるプラスチックごみの量は全体の約9%に過ぎず、約12%は焼却処分され、残りの79%は埋立や野積みにされた結果降雨や洪水により河川に流出し、最終的にその大部分が海洋に流出している。バーゼル条約事務局長のロルフ・パエット氏は、5年後には海洋プラスチックごみが減少するという結果が得られるだろうと述べて期待感を示している。
      • 原文 December 29, 2020, The Guardian (若林健一)
    • 【4】 宇宙技術を利用した船舶からの汚染物質の追跡計画に英国政府が資金提供
      • 【4】英国政府は1月6日、英国宇宙局の宇宙研究・技術革新ネットワーク(Space Research and Innovation Network for Technology : SPRINT)を通じて、地球上の様々な問題を革新的な宇宙技術によって解決する新たな国家計画に資金提供を行うことを発表した。SPRINTは宇宙に関する専門知識や施設の提供を行っており、これまでに70の企業と87の共同計画に対し、宇宙以外での使用を目的とした製品の開発を支援してきた。新たな計画では、企業とサウザンプトン大学・レスター大学・エディンバラ大学が提携して5つの計画を行い、そのうちの一つに、衛星分析を利用して、船舶から排出されるCO₂や大気汚染物質を追跡し、船団および個々の船舶からの排出量を監査する新たなアプローチの確立に取り組む計画が含まれている。当該計画は宇宙技術やデータを応用した企業へのコンサルティングを行っているRedshift Associates社とレスター大学の共同で行われ、開発は、港湾における分析方法を開発するこれまでの手法に基づき、これを沿岸や国際水域まで拡大していく予定。
      • 原文 January 6, 2021, 英国政府(植木エミリ)
    • 【5】 世界初のスマートLNGバンカリング船が誕生
      • 【5】1月4日、シンガポールのKeppel Offshore & Marine社の中国南通造船所で、シンガポール初のLNGバンカリング船であり、世界初のスマートバンカリング船が竣工された。同船は、同社とShell Eastern Petroleum社の合弁会社FueLNG向けに建造されたもので、シンガポール港に寄港するLNGを動力とする大型船への燃料供給を行う予定で、幅広い船種に対しバンカリングが可能で、操作性に優れているため、バンカリング作業中のタグボートの使用とそれに伴う燃料消費およびCO₂排出を最小限に抑えることが可能である。同船は同社独自のAssetCare Digital Solutionを搭載し、アメリカ船級協会によるSmart Infrastructure (Smart INF)およびCrew Asistance and Augmentation (Smart CAA)基準が承認されている。これにより、船舶の性能と効率を向上させる予知保全を行うだけでなく、航行の遠隔監視やリアルタイムでの操船支援を可能にする。また技術革新は当該船舶の建造および試運転にも及び、遠隔検査でのスマートグラスの使用によって、コロナ禍における従業員の安全性と造船所の効率も改善された。
      • 原文 January 7, 2021, Marine Log(植木エミリ)
    • 【6】 豪州海運港湾連合が政府に対し直ちに船員をKey Workerに指定するよう要請
      • 【6】豪州海運港湾労働組合(MUA)は、コロナウィルスのパンデミックが続くなか船員が置かれている状況は日々悪化を続け、現在も世界中で40万人もの船員が乗務を交代できずに乗船を続け、また同じ数の船員が渡航制限により乗務交代のための乗船が出来ずにいるとして、国際運輸労連(ITF)とともに豪政府に対して国際海事機関(IMO)やITFなどが主導する国際的な取組みに協調し、直ちに船員を必要不可欠な職種(Key worker)として指定して、安全で円滑な乗務交代や上陸許可、必要な場合の陸上の医療機関の利用を促進するよう求めた。豪政府は海上労働条約(MLC)で規定されている連続乗船規定については厳格な立場を取っている一方で、船員の交代に関してはコロナウィルスの感染防止対策の一環として事実上禁止している。
      • 原文 January 6, 2021 Seatrade Maritime News (若林健一)
    • 【7】英国政府が米国の製薬会社モデルナが開発したワクチンの使用を承認
      • 【7】英国政府は、米国の製薬会社モデルナが開発した新型コロナウィルスのワクチンの使用を承認した。このワクチンは94%の有効性が認められている。英国では既にファイザーとビオンテックが共同開発したワクチン及びアストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発したワクチンの使用が承認されており、今回の承認は3例目となる。政府はこのワクチンについて既に発注済みの700万回分に加え、さらに1,000万回分を追加で購入することを決定しているが、米国で製造されることから今年3月までは使用が見込めない。英保健相は今回の承認を歓迎し、既に国内の150万人に予防接種を実施済みでありモデルナのワクチンにより春以降この動きはさらに加速するだろうと述べ期待を示す一方、感染した場合のリスクが高い人への接種が続く間は感染者数を抑え愛する人を守るために引き続き規則を遵守する必要があると訴えた。

        ※1/7の英国の感染者数:52,618人(日本5,953人の8.8倍、緊急事態解除基準47人の1,120倍)
        ※1/7の英国の死者数:1,162人(日本72人の16倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 January 8, 2021, METRO (若林健一)
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