2020/12/21LROニュース(8)

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  • 2020.12.21 UP
    2020/12/21LROニュース(8)
    • 【1】 東サバ保安ゾーンの夜間外出禁止命令が延長
      • 【1】マレーシアのサバ州警察は、サバ州東部のTawau、Semporna、Kunak、Lahad Datu、Kinabatangan、Sandakan及びBeluranの7地域の沖合に発令している夜間航泊禁止令の期限を12月16日から同月31日まで延長することを発表した。午後6時から午前6時までの間は対象海域への接近や航泊が原則禁止となる。サバ州警察によると対象海域においては、身代金目的の誘拐事件に関与する武装組織やアブサヤフに属する組織が誘拐や国境を越えた犯罪を行うために、今もなお浸透しようと試みている。サバ州警察は、今回の措置は治安を脅かすテロリストの侵入を防ぎ住民の安全と幸福を守るために、また、取締りや船舶の動静監視を容易にするために必要であると説明している。
      • 原文 December 17, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【2】 ナイジェリア沖で一般貨物船から8名の船員が誘拐
      • 【2】12月16日午前7時45分ころ、ナイジェリアのBrassの南西28海里を航行中のカメルーン船籍の貨物船が海賊の襲撃を受け、8名の船員が誘拐されたとの報告があった。本件は今年に入りギニア湾の高危険海域内で発生した27件目の誘拐事件で、誘拐された船員の数は138人に達している。ギニア湾における海賊による襲撃事件は過去5週間増加しており、12月だけで本件を含め9件発生している。11月11日にはギニア湾の高危険海域の評価は日常的に海賊事件が発生し得ることを意味する「CRITICAL」に引き上げられている。当海域を通航する船舶は最大級の警戒レベルを維持し、可能な限りベストプラクティス集「BMP West Africa」に従った予防策を励行することが求められる。また、国際商業会議所の国際海事局(IMB)は、可能な場合は少なくとも200から250海里の沖合を航行することを推奨している。
      • 原文 December 16, 2020, Dryad Global (若林健一)
    • 【3】 独連邦議会:2030年までに電力の65%を再生可能エネにする法案を承認
      • 【3】独連邦議会は12月17日、2030年までに総電力消費量の65%を再生可能電力にするため、2017年の再生可能エネルギー法(EEG)を改正する法案を承認し、新たなEEGは2021年1月1日から施行される予定である。連立与党である社会民主党は、当該改正案に「再生可能エネルギーの拡大は公共の安全に資する」と明記することを望んでいたが、法的に公益性を規定することによって、司法判断に影響を与える恐れがあるという野党からの反対を受けこの記述を削除した。当該記述が削除されたことについて同国の再生可能エネルギー連盟は、エネルギー転換へ向けた明確な取り組みがEEGから削除されたとして非難している。一方野党リベラル派の自由民主党は、改正案に大気中のCO₂を回収する(negative emission)技術について明記することを主張したが採用されず、左派の左翼党と緑の党は、65%という目標では2050年までの炭素中立の達成には不十分であることを懸念し、目標値の引き上げを求めていた。
      • 原文 December 17, 2020, Euractiv(植木エミリ)
    • 【4】 ReCAAP ISC 週間報告書 (12月8日から14日報告分)
      • 【4】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)に、12月8日から14日まで通報された事件は、アジアで発生した重要度2の武装強盗事件が1件及びアジア以外で発生した事件が1件であり、その概要は以下の通り。①12月12日午後6時50分ころ、バングラディッシュのKutubdiaの西方沖で貨物船を曳航していたタグボート兼補給船に、刃物で武装した10人の賊が2隻の小型艇を使用して接近し移乗した。賊を発見した船長が直ちに沿岸警備隊に通報したが、賊は油圧オイルが入ったドラム缶2本とホースを盗んで逃走した。船体の損傷や乗組員に負傷者は発生していない。②12月8日午前3時ころ、コートジボアールのアビジャンにある造船所で錨泊していたタグボート兼補給船に複数の賊が侵入し、係留索1本とウエルディングポンプ1台を盗み、小型船を使用して逃走した。乗組員に負傷者は発生していない。
      • 原文 December 15, 2020, ReCAAP(若林健一)
    • 【5】 FMCコミッショナーがコンテナ船社が米国の輸出を阻害していると警告
      • 【5】米国連邦海事委員会(FMC)のBentzelコミッショナーとMaffeiコミッショナーは連名で、コンテナ船社の業界団体である世界海運評議会(WSC)のCEOに12月16日に書簡を送り、コンテナ船社が米国の輸出事業者に空コンテナの提供を拒否しているため、米国からアジア向けの輸出が阻害されているとの懸念を表明した。アジアから米国向けの輸出貨物が急増し、コンテナ船社はこの需要に対応するため、空コンテナを米国の輸出事業者に回さずに、空コンテナのまま直ちに返送しようとするため、米国の輸出業者は空コンテナを融通してもらうために理不尽な料金をコンテナ船社に払うか、輸出を断念するかに迫られているという米国輸出事業者からの多くの苦情を連日FMCは受け付けており、今回のコミッショナーの書簡はコンテナ船社が即座に行動を改めるよう促す警告であると、コミッショナーは語った。コンテナ船社は米国の海運法上、common carrierとしての輸送引き受け義務があり、空コンテナがあるのに、米国輸出貨物の輸送を拒否することは、明らかに海運法に抵触する行為だともコミッショナーは指摘している。
      • 原文 December 16, 2020, American Shipper(長谷部正道)
    • 【6】 ILO: 3者協議会が船員交代促進のための船主と用船者の連携について声明
      • 【6】12月15日に表記声明が発表されたところ、その概要は以下のとおり。①検疫手続を遵守した船員交代の促進は、関係者全員の責任であり、船内でのコロナ感染の蔓延や世界的な物流網混乱のリスクを最少化することにより、船舶の安全運航や船員の福祉の向上にも貢献する。②船主と用船者(荷主)は、船員交代に関する情報を透明性をもって共有し、必要な船員交代が、効率的なコストの下に迅速に実施されることを担保するために連携すべきである。③船主は用船者に対して船員交代計画について事前に通知し、用船者は運航経路の変更も含め船員交代を実施するために妥当な協力を行うべきである。④船舶の安全運航と船員の福祉及び雇用契約上の権利を保護するため、用船契約には必要な船員交代を禁止するような条項を含めるべきでないし、そのような条項は2006年の海事労働条約にも違反するものである。⑤用船者は、用船契約を締結するにあたり、しっかりとした船員の健康管理を実施し、必要経費を含む船員交代に関する情報をきちんと開示しているような船主を選択すべきである。
      • 原文 December 15, 2020, ILO(長谷部正道)
    • 【7】IMO: Carbon Intensity削減の短期対策の効果検証運営委員会の構成が決定 C.L. 4355
    • 【8】ジョンソン首相、クリスマス後のロックダウン実施を否定せず
      • 【8】英国内のコロナウィルスの感染状況を示す実行再生産数(R)の値は、先週0.9から1.0の間であったが、最新の数値は1.1から1.2の間と評価されており、国内の感染者数が再び増加していることを示している。政府は家族でクリスマスを祝えるように12月23日から27日の5日間は規制を緩和する方針を変えていないが、既に国内の医療体制は逼迫した状況にあり、イングランドにおける12月13日までの1週間の病床使用率の平均は約89%に達し、半数近い地域で既に90%を超えている。北アイルランドでは12月26日から6週間のロックダウンを実施し、ウェールズでも12月28日からロックダウンを実施することが既に決定しており、スコットランドもロックダウンの実施を否定していない。ジョンソン首相はイングランドにおけるロックダウン実施の可能性について問われ、「そのような事態を回避できることを強く望んでいるが、直近の数週間の感染率は増加しているのが現実である」と述べ、クリスマス後のロックダウンの実施を否定していない。

        ※12/18の英国の感染者数:28,507人(日本3,214人の8.9倍、緊急事態解除基準47人の607倍)
        ※12/18の英国の死者数:489人(日本44人の11倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 December 18, 2020, BBC (若林健一)
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