2020/12/02LROニュース(7)

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  • 2020.12.02 UP
    2020/12/02LROニュース(7)
    • 【1】 インド政府が海上運送法を改正して運賃規制へ
      • 【1】インドの貿易は基本的に中国からの大幅な輸入超過状況であったが、6月下旬以降、中国からの輸入の急減と輸出の急増に伴って、インド国内における輸出用コンテナが不足し、空コンテナの手配コストが上昇したことなどにより、航路にもよるがコンテナ船社が最大40%運賃を引き上げたため、インド輸出組織連盟は、10月に政府に対して、インドの輸出入産業を突然かつ急激な運賃の変動から守るために、海運会社に対する規制を強化するように要請した。これを受けて、インド港湾・海運・水運省は海上運送法を改正し、以下の条文を新たに挿入することを検討している。「インド沿海において、輸出入・国内輸送に従事するインド船・外国船を運航する海運会社または代理店は、別途定める様式に従い、船荷証券または他の輸送関係書類に、全てを包括した運賃を記載しなければならない。いかなる海運会社または代理店は船荷証券または他の輸送関係書類に記載されたすべてを包括した運賃以外のいかなる課金もしてはならない。」この規定の創設によって見積もり時の運賃より割高な運賃が後日請求されるようなことを防ぐのが目的。
      • 原文 November 26, 2020, The Hindu Business Line(長谷部正道)
    • 【2】 フィリッピン国内の多くの船員教育訓練機関の水準がEMSAの標準に達せず
      • 【2】2006年に実施された欧州海事安全庁(EMSA)のSTCW条約の順守状況に関する監査において、同国内の船員訓練機関の訓練水準が不合格とされて以来、その後の監査でも同様な状況が継続し、同国の船員がEU籍船に乗務できなくなる可能性が続いてきた。2020年の2月から3月に実施された最新のEMSAによる監査の最終報告書はまだ発表されていないが、EMSAによる同国海事産業庁(MARINA)に対する監査結果の事前ブリーフィングの結果、同国内の多くの船員訓練機関がEMSAの基準に達していないことが公然の秘密となっている。最終報告書はEMSAから欧州委員会内の交通問題担当部局であるDG MOVEに未だ提出されていないが、最終報告書を踏まえて、EUがどのような措置をとるか2021年に決定される見込み。同国内の船員手配事業者は、こうした基準に達しない船員訓練機関を卒業した船員の多くは実際にそのまま外航船舶に乗務することはないとしており、多くの船主や海運会社は同国内に自前の訓練施設を設けて、雇用した船員が国際的な基準に達するよう自前で訓練している。
      • 原文 November 27, 2020, Seatrade Maritime News(長谷部正道)
    • 【3】 ECA監査報告書:EUの海洋環境/生物多様性保護政策は不十分
      • 【3】欧州会計検査院(European Court of Auditors: ECA)が標記報告書を作成し、11月26日に発表したところその概要は以下のとおり。①EUの共通漁業政策は、漁業が環境的に持続可能な方法で実施されることを担保し、海洋生態系に与える悪影響を最少化することを目的としているが、EUは未だに欧州の海域における海洋生物の多様性の減少に歯止めをかけることに失敗している。②欧州内には3000か所以上のMPAが設定され、広範な保護の網をかけているものの、欧州環境庁が最近発表したとおり、その1%以下しか十分な保護機能を果たしていない。③効率的な保護を実施するためには、MPAが絶滅危惧種とその生息域を広くカバーしたうえで、必要に応じ漁業活動を制限するとともに、MPAをよく管理する必要があるが、現状はこのようなあるべき状態からは程遠い。④EUの法令で絶滅危惧種とその生息域を指定したのは25年以上前のことであり、最新の科学的な知見に基づく有効な保護がされていない。⑤2014年から2020年の予算期間の間に、欧州海事基金(EMFF)に60億ユーロ(約7500億円)予算配分されているにもかかわらず、今回監査の対象とした西・仏・伊・ポルトガルでは、EMFF予算の6%が海洋環境保全に直接関係する政策に、8%が海洋環境保全に間接的な影響のある政策に使用され、漁業活動による海洋環境への影響を抑制するための政策にはわずかに0.2%の200万ユーロ(約2.5億円)しか支出されていなかった。
      • 原文 November 26, 2020, ECA(長谷部正道)
    • 【4】 英国の国際援助予算の削減がCOP 26に悪影響
      • 【4】英国は、国民所得の0.7%を国際援助予算に充てることに合意した30の先進国の中で、2019年にその目標をG7で唯一達成した国であるが、英財務大臣は11月25日、財政状況が許すまで、来年からこの目標値を0.5%へ引き下げることを発表した。英国政府の財政支出見直し報告書によると、2021年から2025年の間に、開発途上国の気候変動対策のために116億ポンド(約1.7兆円)を援助するという公約は保証される見込みだが、パンデミックの影響を受けて財政難に苦しむ途上国にとっては悪い知らせであり、後発開発途上国47か国グループの議長は、「途上国はパンデミックと気候変動の影響を受けて、より多くの資金援助を必要としており、先進国と後進国との間の一体性を確保するためにも、英国はCOP 26の議長国として、ODAの削減ではなく拡大のリーダーシップをとるべきである。」とコメントしている。パリ協定の締約国は年末までに、2020年以降の気候変動に関する途上国に対する支援目標を提出することが求められており、COP26でも、2025年までの先進国共同の支援目標についての交渉が行われる予定である。
      • 原文 November 25, 2020, Climate Change News(植木エミリ)
    • 【5】 MEPC 75: 船舶のエネルギー効率化に関する合意の海運業界への影響
      • 【5】(論説)ばら積み船の、現状における新造船発注量は、5610万dwtと既存船の船腹量のわずか6.3%にすぎず、過去30年間で最低の水準にあり、これに伴い船齢15年を超えるドライバルク船の割合も2003年以来の最高水準にある。こうした傾向の原因としては、市場の先行き見通しの不透明さばかりでなく、商業的に採算性の取れる低炭素船舶がいつ開発されるか不明なのも寄与している。MEPC 75の合意により、法的拘束力を持った老朽船のスクラップ促進の見通しが遠のいたため、ドライバルク部門の船腹の需給関係やCO₂削減目標に大きな影響を与える見込みである。具体的には、今回合意された内容が実際に適用開始となる2026年まで、ドライバルク部門では13年から17年の船齢の船舶が中心となり、これらの「中年の船舶」がエネルギー効率化策としての減速運航を用いながら、2030年まで運航を続ける見込みである。また新造船の減少、需要の回復、既存船の船齢の高齢化という傾向が続けば、船舶から排出されるCO₂の量も船腹量の拡大とともに増加を続けるので、2030年までは船舶から排出されるCO₂総量が減少することはないと見込まれる。
      • 原文 November 27, 2020, Sea News(長谷部正道)
    • 【6】 USCG: ハワイ沖での無人海上艇の試験運航を終了
      • 【6】米国沿岸警備隊(USCG)は30日間にわたりハワイのオアフ島沖で実施していた無人海上艇の試験運航を11月上旬に終了した。今回の試験運航は、Saildrone社及びSpatial Integration Systems社が提供する無人海上艇も使用して、無人運航に関する現在の技術や新たな先端技術をはるか沖合の海上における状況把握に如何に利用できるかを探ることに焦点を当てて行われた。試験運航の結果、様々なセンサーを搭載した無人海上艇は、捜索救助から法執行に至るまで世界各地で活動するUSCGの様々な業務を支援できるだけの能力を有することが示された。長期行動が可能な無人海上艇を活用することで、沿岸から遠く離れた米国の排他的経済水域においても継続的な状況把握が可能となる。USCGは2018年から2022年までの戦略計画の中で、無人運航技術、人工知能、機械学習などの先端技術を業務に活用することの可能性を評価することを主要目標の一つに掲げている。
      • 原文 November 25, 2020, USCG(若林健一)
    • 【7】 ロックダウン解除後の政府の対策案が議会で承認される
      • 【7】英国政府は、現在イングランドで実施している全国的なロックダウンが解除される12月2日以降は3段階の警戒レベルに応じて地域ごとに対策を実施することとしており、12月1日にこの政府の対策案が議会において賛成多数で承認された。3地域を除くすべての地域が最も高い警戒レベル(Tier3)又は次に高い警戒レベル(Tier2)に分類されることから、事前に多くの議員が政府案に反対を表明し、政府案の正当性を示す説得力のある証拠の提示を求めるなど先行きが不透明な状況が続いていた。Tier2に分類された地域では同居しない人と屋内で会うことが禁止され、さらにTier3に分類された地域では同居しない人と会える場所が公園など屋外の限られた場所に制限されるほか、パブやレストランは持ち帰り又は配達営業のみとなり、他の地域との往来の自粛も求められる。

        ※11/30の英国の感染者数:12,330人(日本2,056人の6.0倍、緊急事態解除基準47人の262倍)
        ※11/30の英国の死者数:205人(日本13人の16倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 December 1, 2020, BBC (若林健一)
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