2020/11/18LROニュース(8)

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  • 2020.11.18 UP
    2020/11/18LROニュース(8)
    • 【1】 フィンランド政府:SECA排出基準違反に対する罰則の厳格化を検討
      • 【1】フィンランドのSOx排出規制海域(SECA)における排出規制違反については、現状でも罰金または懲役刑が科せられているが、過去同政府が摘発した4件の違反事例について、最終的に罰則が科せられた事例はなかったために、運輸通信省は罰金刑の最低額を6000ユーロ(約74万円)に引き上げ、EUの硫黄排出制限指令に従って、燃料供給事業者に対する監視も強化し、適用対象を内水にも拡大する国内法の改正案を公表した。パブコメは12月17日まで受け付けられ、政府は2021年2月に議会に改正案を提案する予定。
      • 原文 November 13, 2020, Manifold Times(長谷部正道)
    • 【2】 海洋のCO₂吸収可能量は大気中のCO₂濃度に比例
      • 【2】海洋は人類が大気中に放出するCO₂の39%を吸収し、carbon sinkとして大気中のCO₂の上昇を抑えているが、コロンビア大学等の研究者達が最近発表した報告によれば、海洋がCO₂を吸収できる量は、大気中のCO₂の量に比例することが分かった。大気中のCO₂の量と海洋中のCO₂の量には均衡点があり、大気中のCO₂の濃度が一定のレベルまで低下すると、海洋はCO₂を吸収するのではなく、逆に海水中に蓄積されていたCO₂を大気中に放出し始めcarbon sinkではなく発生源になることが分かった。従って、将来的な気候変動対策を立案する際には、大気中のCO₂濃度が減っても、海洋が今までとおりの量のCO₂の吸収を継続するという間違った前提に立たないようにすることが大事であるが、一方で、大気中のCO₂濃度が十分に低下して、海洋がcarbon sinkから発生源に転換するまでにはまだ長い道のりが必要であり、過剰な心配をする必要はない。
      • 原文 November 9, 2020, Hakai Magazine(長谷部正道)
    • 【3】 ナイジェリア沖合で一般貨物船の乗組員5名が海賊に誘拐される
      • 【3】11月16日午前4時ころ、ナイジェリアのブラッスの南方44海里の海上を航行していたガーナ船籍の貨物船が海賊に襲撃された。犯人の数は6乃至7名で、貨物船の通信機器や航海計器を破壊したうえ乗組員5名を誘拐して逃走した。誘拐された船員は全員ガーナ人で、現在同船は残された乗組員2名を乗せたまま漂流を続けているとみられる。ギニア湾では本件を含め11月だけで9件の襲撃事件が発生しており、今年に入り船員が誘拐された事件の数は22件となり誘拐された船員の数は115人に及んでいる。今年発生している他の多くの事例が沖合約80海里付近の海上で発生しているのに対し、本件は、2018年と2019年に事件が多発した通航量の多い沿岸に近い海域で発生しており、未遂事件も多発していることを踏まえると、賊はこの海域を通航する船舶に焦点を移しつつある可能性が高い。今月発生した事件は地理的に広がりを見せており、複数の海賊グループによる犯行か、または同じ海賊グループに属する2つのグループによる犯行である可能性がある。
      • 原文 November 16, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【4】 BIMCO: MEPCでIMRB構想の合意と速やかな条約改正を求める
      • 【4】海運から排出されるCO₂の排出量は2008年実績比で既に約7%低下しているものの、船舶燃料を化石燃料に依存し、世界の海上輸送量が今後も拡大する以上、IMOにおいて合意された2050年までにCO₂排出量を半減するという目標を達成するのは困難であり、この目標を達成するためには、2030年までに商業的採算性がとれるゼロエミッション船を実現するために必要な新たなゼロカーボン技術の開発が急務である。再生可能エネルギーから製造される水素やアンモニアのようないくつかの代替燃料の候補が挙げられているが、燃料の安全性・保管・供給・熱量・燃料の生産/輸送/消費といったライフサイクル全体の環境への影響の問題など検討課題は多く、現状では大型外航船に利用できる技術はない。そこで海運業界は、IMOの条約を改正して、世界の全ての海運会社が平等に、舶用燃料1トン当たり2ドル(約209円)の法的拘束力のある課金を負担し、その収入で総額50億ドル(約5230億円)の基金を創設し、NGOの国際海事研究開発理事会(IMRB)を創設し基金を管理することを提案している。多くの加盟国が、IMRBの公正な運営が担保出来ることを前提として、業界案に理解を示しており、MEPCでIMRB構想の迅速な審議と合意が得られることを望む。
      • 原文 November 13, 2020, BIMCO(長谷部正道)
    • 【5】 COP 26: Building a Private Finance System for Net Zero
      • 【5】気候変動に関する金融政策に関する国連事務総長特別代理であり、COP26で英首相の金融アドバイザーを務めるMarc Carney氏が、「COP 26のための民間金融の優先順位」という副題の表記報告書を取りまとめたところその概要は以下のとおり。①各国は、経済全体が炭素中立へ転換するのを支援するため、国別貢献目標(NDCs)/長期戦略/コロナ経済復興政策を見直す必要がある。②金融市場/規制当局/消費者は、企業が如何に気候変動リスクを管理し、その機会を追及しているかについて増々情報を必要としている。③炭素中立社会への転換は、経済的に大きな機会を与えてくれる。④適切な投資機会を判別するためにも、分野ごとの科学的な転換への道を、どの企業が着実に進み、どの企業が淘汰されるのかという情報が重要である。⑤近年の民間金融機関による自主的なClimate Financeに対する取り組みは歓迎すべきものだが、気候変動に関するリスクと機会を公開し、融資を受ける企業とファイナンスを実施する金融機関がそれぞれ炭素中立目標に従って行動しているか評価するための根本的な枠組みについて国際的に調整・合意する必要がある。⑥新興国や開発途上国に対する国際的な民間金融機関のファイナンスは現状では限定されているが、これらの国におけるエネルギー転換を支援するために不可欠である。
      • 原文 November 9, 2020, UK COP 26(植木エミリ)
    • 【6】 EU再生可能エネ戦略: 2050年までに洋上風力発電の規模を300GWまで拡大
      • 【6】11月19日に欧州委員会が発表する予定の「海洋再生可能エネルギー戦略(案)」では、EU域内における洋上風力発電の発電能力を、2030年までに現在の23GWから60GW、2050年までに300GWまで拡大することを目指すことが明らかになった。北海は現在世界で最も洋上風力発電が盛んな海域であるが、バルト海/大西洋/地中海/黒海のいずれも洋上風力発電の可能性は高い。現在英国に次いで欧州第2位の洋上風力発電能力を有する独は、風力発電の手詰まり状況を打開するため、2019年に新たな洋上風力発電計画が定められ、現在は欧州理事会の議長国として慎重にこの戦略案を推進してきた。欧州委員会は、2030年までにCO₂排出量を55%削減するという新たな目標を提案しており、この目標達成のため、同年までにEU域内における再生可能エネルギーの比率を現在の約2倍の38-40%に引き上げることを目指しており、このためには、2050年までに洋上風力発電を300GW、その他の海洋再生可能エネルギー発電を約60GWまで拡大する必要があるとしている。
      • 原文 November 16, 2020, Euractiv(植木エミリ)
    • 【7】 IMO: 理事会改革に関する第1回ISWGが2月1日から5日に開催
    • 【8】 英国政府:全国的なロックダウン終了後の対策について検討中
      • 【8】11月17日、住宅・コミュニティー・地方行政相は、イングランドで現在実施している全国的なロックダウンを延長することなく12月2日をもって終了し、その後は以前実施していた3段階の警戒レベルに応じて地域ごとに対策を講じていく方法(the three-tier system)に戻したい考えであることを強調した。また、3段階の対策について、どの地域がどの警戒レベルに相当するのかについては既に検討を開始しており最新のデータに基づいて今月末に決定する予定であると述べ、12月のクリスマスシーズンを前にイングランド全域を対象に大幅に規制を緩和したい考えも示した。しかし、政府のコロナウィルス対策の顧問を務める疫学者は11月16日の記者会見で、3段階の対策のうち明らかに効果が認められたのは最高レベル(Tier3)の対策のみであり、再びこの方法を採用するに当たっては対策の強化が必要であるとの見解を示している。

        ※11/16の英国の感染者数:21,363人(日本1,435人の15倍、緊急事態解除基準47人の455倍)
        ※11/16の英国の死者数:213人(日本2人の107倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 November 17, 2020, The Guardian (若林健一)
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