2020/11/11LROニュース(7)

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  • 2020.11.11 UP
    2020/11/11LROニュース(7)
    • 【1】 Ellen Macarthur基金: プラスチック包装材削減の2020年進捗状況報告書"
      • 【1】Ellen Macarthur基金(EMF)は、UNEPと連携して、2018年にThe New Plastics Economy Global Commitment(GC)を立ち上げ、250社以上の民間企業と20の政府機関を含む500以上の機関が参加して、①必要のないプラスチック製品の廃絶。②どうしても必要なプラスチック製品については、再使用/リサイクル/堆肥化が可能なように設計。③使用済みのプラスチックは全量リサイクルして自然環境に垂れ流ししない。という目標を2025年までに達成するために、参加組織がそれぞれの目標を作成している。11月6日、EMFが2回目の進捗状況報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①不必要なプラスチック包装材を撤廃した包装材製造事業者等の割合は17%。②小売事業者等の扱う包装材に占める再使用可能な包装材の割合は1.9%。③再使用可能/リサイクル可能/堆肥化可能プラスチック包装材の比率は65%。④プラスチック包装材に占める再生プラスチック使用率は6.2%。⑤プラスチック包装材の使用量を公表している企業は47%、プラスチック包装材に使用される新しいプラスチックの量の削減目標を設定している企業は31%だった。
      • 原文 November 6, 2020, Ellen Macarthur Foundation(長谷部正道)
    • 【2】 ReCAAP: シンガポール海峡東航航路通航に関する警報を発出"
      • 【2】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)は11月9日にシンガポール海峡東航航路通航に関する警報を発出したところ、その概要は以下のとおり。①シンガポール海峡東航航路において11月8日から9日にかけて3件の武装強盗事件が発生した。②これらの事件はいずれも近い場所で6時間の間隔を空けて発生している。③すべての事件において乗組員が賊と対峙することはなかったが、このうち2件では船の備品や救命ブイが盗まれる被害が発生した。④昨年シンガポール海峡で発生した事件数は31件で、このうち17件が東航航路内で発生している。⑤今回の3件を含め、今年1月以降にシンガポール海峡で発生した事件数は既に31件に上り、このうち27件が東航航路内で発生している。⑥ReCAAP ISCはシンガポール海峡東航航路内で発生する事件について、昨年は5件、今年は4件の警報を発令している。⑦犯人の逮捕には至っていないことから引き続き同様の事件が発生する可能性があり、同海域を航行するすべての船舶は最大限の警戒態勢をとるとともに、追加的な予防策の実施やすべての不審事象を迅速に沿岸当局に報告することが求められる。
      • 原文 November 9, 2020, ReCAAP ISC(若林健一)
    • 【3】 イタリア海軍が海賊に襲われた製品タンカーをベナン沖で救出"
      • 【3】11月7日の朝、ベナンから約160海里沖合のギニア湾を航行中のプロダクトタンカーが海賊による襲撃を受けた。同船の乗組員21名は遭難信号を発信するとともにシタデルに避難し、遭難信号を受信したイタリア海軍のフリゲート艦が直ちにヘリコプターを現場に急行させた。現場に到着したヘリコプターから威嚇射撃を実施したところ、賊は銃を発砲した後に逃走し、ベナン海軍が犯人確保のために艇を派遣した。また、同日午後にはナイジェリアのEscravosの南方約130海里を航行していたタンカーが武装した7人の賊が乗った高速艇から追跡を受ける事件が発生したが、タンカーが回避動作をとり同乗していた武装警備員が警告射撃を行ったところ小型艇は逃走した。さらに、今月4日にはナイジェリアのBrassの南方約90海里を航行していたタンカーに賊が侵入し船橋の装備を複数破壊する事案も発生しており、犯人が身代金目的に船員の誘拐を企てて犯行に及ぶ事件が今後増加する可能性が高いとの分析もある。
      • 原文 November 9, 2020, The Maritime Executive(若林健一)
    • 【4】 ロイズ船級協会:パンデミック下における船員の福祉に関するオンライン調査"
      • 【4】ロイズ船級協会が、英国船主協会・Mission to Seafarers等と協力して表記オンライン調査を実施したところその概要は以下のとおり。①船員の仕事が正当に評価されているという回答はわずかに8%で、船員がコロナ禍において必要不可欠な働きを行っていると感じている船員も13%に過ぎなかった。②パンデミックの影響で陸側からの支援要員の来船が無くなったと答えた船員が75%だった。③運航上の要求水準に比べて、船員の健康や安全が適正に配慮されていないと感じている船員が62%だった。④パンデミック期間中の船員の精神的なストレスや疲労感について十分な支援を受けていないと回答した船員が54%だった。⑤船員交代が困難なことに関連し、船員の存在が忘れ去られ、見捨てられているとする回答もあり、船員交代に関する改革が必要との意見があった。⑥コロナ感染予防のために必要な個人防具が手当てされていると回答した船員はわずかに54%で、5%の船員からは船舶内でコロナに感染している船員がいるとの回答があった。
      • 原文 November 9, 2020, Lloyd’s Register(長谷部正道)
    • 【5】 ABS: 持続可能性白書「舶用代替燃料としてのアンモニア」"
      • 【5】米国船級協会(ABS)による標記持続可能性白書の概要は以下のとおり。①海運業界は、船舶からの硫黄酸化物/窒素酸化物/微笑粒子物質/GHG排出を規制するより厳しい規制に適合するため、新技術の開発・導入及び減速運航などの運航上の対応に迫られる。②GHGの削減について多くの技術が検討されているが、アンモニアは様々な代替燃料の中でも比較的早い導入が可能なゼロ炭素燃料であり、IMOの2050年までにGHGを半減させるという目標達成に貢献可能である。③アンモニアは有毒で取り扱いも難しいが、アンモニアを燃料とする機関の開発は、既存のDual Fuel機関技術をアンモニア燃料に適応する方法で既に進行中である。④またアンモニアを燃料とする内航輸送船の設計も、既に設計者/船級協会/造船所等のコンソーシアムによって発表されている。⑤アンモニアは世界的に貿易が盛んな商品であり、燃料補給も小型のLNG輸送船を転用することが可能だが、より本格的に長距離外航船の舶用燃料として使用されるには、燃料供給のための包括的なインフラの整備が必要で、新たな安全基準の作成と適用が必要である。報告書本文は以下のリンク参照。
      • 原文 October 30, 2020, ABS(植木エミリ)
    • 【6】 ノルウェー:スヴァールバル諸島周辺海域における重油燃料の使用禁止へ"
      • 【6】南極海では、船舶の重油燃料の使用が2011年から規制され、スヴァールバル国立公園内の海域でも2015年から使用が禁止されている。IMOにおいても、北極海での重油燃料の使用/輸送の禁止について合意案が作成され、11月に開催されるMEPCで合意されれば、2024年7月から原則として禁止となるが、多様な適用除外と免除が認められ、実質的には2029年まで多くの船舶が重油燃料を使用できることになる。しかしスヴァールバル諸島の中心都市ロングイールビュエンは、ここ数年間で何千人もの旅客を乗せた大型クルーズ船が寄港する回数が急増し、油濁事故の危険性が高まっている。スヴァールバル諸島は多数の生物多様性が存在する環境的な悪影響に脆弱な海域であるため、ノルウェー政府気候・環境省は11月6日、国立公園内だけでなく同諸島周辺海域全域における重油燃料の使用を禁止する提案を発表した。禁止がいつから実施されるかは未定で、政府の提案は今後議会における公聴会などを経て検討される見込み。Clean Arctic Allianceはこのノルウェー政府の提案を歓迎し、MEPCで各国政府が現在合意されている条約改正案を見直し、更なる規制強化について検討することを求めている。
      • 原文 November 9, 2020, Euractiv(植木エミリ)
    • 【7】 英国首相:ワクチン開発の進展を歓迎しつつ国民に引続き警戒を求める"
      • 【7】コロナウィルスのワクチン開発を進めている米国の製薬大手PfizerとドイツのBioNTechは、6カ国の約43,500人を対象に臨床試験を実施したところ、健康への影響もなく9割以上の確率でコロナウィルスの感染を防止する効果が認められたことを発表した。これを受けてジョンソン首相は11月9日に記者会見を行い、今回発表された成果は重要な一歩であると歓迎しつつ、越えるべきハードルはまだ多く残っており現時点でこれを感染拡大の解決策として頼ってはならず、気を緩めることなく現在実施している対策を継続する必要があると訴えた。また、記者会見に同席した次席医務官も、今回の成果によってこの冬の感染第2波の状況が変わることはないとの見解を示した。英国政府は既にPfizerと2000万人分に相当するワクチンの供給について合意しており、開発が順調に進めば今年のクリスマスまでに予防接種が開始できる可能性もあり、政府は介護施設の入所者や職員、医療従事者などを優先に接種を行うことを計画している。

        ※11/9の英国の感染者数:21,350人(日本957人の22倍、緊急事態解除基準47人の454倍)
        ※11/9の英国の死者数:194人(日本6人の32倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。"
      • 原文 November 10, 2020, BBC (若林健一)
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