2020/11/10LROニュース(7)

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  • 2020.11.10 UP
    2020/11/10LROニュース(7)
    • 【1】中国海警法の改正により海警局の巡視船が領海内での武力の行使が可能に
      • 【1】今年10月中国の全国人民代表大会は中国海警局の根拠法となる法律の改正案を起草したが、本改正案は、国家組織又は個人による違法行為がある場合には海警局の巡視船に武器の使用を認め、また、違法行為を阻止し現場における危険を解消するために必要なすべての手段を取り得ることを規定しており、海警局の巡視船が中国の領海内において外国船舶に対して武器を使用することを可能とする。本改正案により海警局の巡視船がどの程度の武器を使用できることになるのかについては明らかでないが、代表的な218型巡視船は14.5㎜機関銃を装備している。米海軍は、中国が領有権を主張する南シナ海の南沙諸島や西沙諸島から12海里以内の海上において航行の自由作戦を実施するために自国の艦船を定期的に航行させており、これに対して中国政府は、米国の行動は中国の国内法や関連する国際法に違反し、中国の主権を侵害しているとして米国を非難している。また、今週、中国が日本の尖閣諸島周辺に巡視船を派遣した年間日数が過去最多の284日を記録し、加藤官房長官は、引き続き状況を注視するとともに関係省庁と連携して情報収集に当たると述べている。
      • 原文 November 5, 2020, Stars and Stripes(若林健一)
    • 【2】OECD: 「先進国による気候変動ファイナンス(2013-2018)」報告書を発表
      • 【2】先進国は、国連気候変動枠組み条約の目的を達成するため、途上国の気候変動対策への取り組みを支援するため実際に実行される年間支援額を2020年までに年間1000億ドル(約10兆円)まで増額することを約束しているが、経済協力開発機構(OECD)はこの約束の実施状況を評価するための報告書を定期的に発表しており、11月6日に三度目となる2013年から2018年までの実績を取りまとめた報告書を発表したがその概要は以下のとおり。①2018年の気候変動ファイナンス(CF)の総額は対前年比11%増の789億ドル(約8.18兆円)となった。②そのうち公的機関からのCFは622億ドル(約6.41兆円)で、このうち二国間公的CFは前年比21%増の327億ドル、多国間公的CFは前年比8%増の296億ドルだった。③民間部門により実施されたCFは146億ドル(約1.5兆円)で前年とほぼ同額だった。④気候関連の輸出信用額は21億ドル(約2200億円)で、全体に占める割合は3%未満だった。⑤2018年のCF全体のうち70%が気候変動緩和策、21%が気候変動適応策に充てられ、残りは横断的な活動に使われた。⑥融資の半分以上は主にエネルギー・輸送といった経済インフラを対象とし、残りのほとんどは農業と特に水・衛生設備などの社会インフラ整備に使用された。
      • 原文 November 6, 2020, OECD(植木エミリ)
    • 【3】アンモニアを燃料とする大型舶用機関を2024年にも実用化
      • 【3】独の舶用機関設計事業者のMan Energy Solutionsの研究開発責任者によれば、船舶の代替燃料として最も可能性の高いのはアンモニアで、次にメタノール、バイオ燃料の順番となる。アンモニアは炭素を含まず、燃焼時にCO₂を排出しないという利点があり、同社は2024年の早い段階で、舶用ガスオイルとアンモニアの両方を燃料として使用可能な最初の機関の実用化を目指して現在開発を行っている。アンモニア燃料のエネルギー密度は既存の化石燃料よりは低いが、水素や他のゼロ炭素燃料に比べると高い。水素は既に自動車等の燃料として実用化されており、製造コストはアンモニアより安価だが、マイナス253℃以下で貯蔵する必要があり、その点アンモニアはマイナス34℃以下、或いは圧力をかければそれより高温で保存できるため水素に比べると扱いやすく、保存・生産の面で非常に高いコストがかからないという利点がある。一方で燃焼時に強力なGHGである窒素酸化物が発生するため排気を洗浄する必要があり、またアンモニア自体が有毒物質であるという問題点があるが、アンモニアを主原料とする肥料を安全に扱うノウハウは既に確立されており、アンモニアを燃料ではなく貨物として海上輸送する方法も確立されている。
      • 原文 November 6, 2020, BBC(植木エミリ)
    • 【4】BIMCO: 標準船舶管理契約を自律運航船用に改訂作業中
      • 【4】海運業界の既存の事業の枠組の中で、自律運航船を運航するためには、自律運航船のための標準契約様式が必要となる。自律運航船の初期の段階においては、自律運航船は特定の航路の特定の目的のために建造され、海運会社ではなく利用者(荷主)が直接建造発注者となり、第3者たる船舶管理会社が、船舶の技術的な管理だけではなく、船舶を運航するための遠隔運航管理センターの運用と、陸上または船上で船舶を運航する要員の提供を行うことが想定される。そこで、BIMCOとしては現在広く利用されている標準船舶管理契約(SHIPMAN 2009)に、上記自律運航船の運航に伴って発生するサービスや遠隔運航管理センターの運営や同センターの運航要員の手配に関する規定を追加する作業を行っている。現状では2021年後半にいくつかの国の領海内で自律運航貨物船の運航が開始される見込みだが、これらの自律運航船は当初、船員が乗船して運航を開始するものの、速やかに陸上の運航管理センターから遠隔運航される見込みだが、船上のセンサーなどを活用した完全自律運航が実現するまでにはまだ数年かかるかもしれない。
      • 原文 November 6, 2020, BIMCO(長谷部正道) 
    • 【5】IRENA: 再生可能エネルギー発電のコストは今後10年間に激減
      • 【5】国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の調査によると、再生可能エネルギーによる発電コストは過去10年間においても大幅に下落したが、2030年までの今後10年間でも継続して劇的な低下が見込まれている。G20諸国における再生可能エネルギーによる発電コストの加重平均は、2030年までに対2019年比で洋上風力発電が約50%、陸上風力発電が45%、発電事業用太陽光パネル発電が55%、集光型太陽熱発電は62%までそれぞれ減少する可能性があるが、コスト低減がいかに速やかに進むかは、中国の巨大市場において再生可能エネルギー発電がどの程度順調に拡大するかに大きく左右される。再生可能エネルギー発電の発展に必要な、技術革新/規模の経済/価格原理/経験の蓄積といった成長要因は既に整っており、世界全体でより迅速でクリーンな電化を進めるという野心的な目標が追求される必要がある。
      • 原文 November 6, 2020, Energy Post. EU(植木エミリ)
    • 【6】EMSA: 認定代行機関に対する最初の遠隔監査を実施
      • 【6】欧州海事安全庁(EMSA)は、世界全体で活動し欧州に本部を置くある船級協会に対し、認定代行機関(RO)としての遠隔監査を9月に初めて実施した。遠隔監査のための新たな監査手順を定め、欧州内の異なる場所で働くスタッフ間の意思疎通の形成などの課題を克服し、数日間にわたって実施された遠隔監査には、欧州委員会や加盟国の担当者も参加した。監査対象となったROの業務は高度にデジタル化されていて、監査の実施を技術的に支援した。今回の遠隔監査から得られた教訓としては、特に技術的に複雑な案件についてROとEMSAの間で議論する際の時間管理が重要であることが分かった。パンデミック下においては、監査対象のROを実際に訪問する代わりに、遠隔で監査できることは、感染リスクを減らすために重要であり、EMSAは遠隔監査を今後とも実施していく。
      • 原文 November 6, 2020, EMSA(長谷部正道)
    • 【7】英国政府:デンマークでのミンクからの感染事例を踏まえ新たな規制を導入
      • 【7】デンマークで家畜のミンクからコロナウィルスが見つかり人への感染が確認されたことを踏まえ、英国政府は11月7日午前4時をもってデンマークからの外国人の入国を禁止するとともに、同国から帰国した英国人に対しても同居人を含めて14日間の隔離を義務付ける新たな対策を導入した。対象には旅客機の搭乗員も含まれることから、ある航空会社は今回の対策が有効な間は同国を行き来するすべてのフライトを中止せざるを得ないと述べている。また、過去2週間以内に同国に入国したトラックの運転手に対しても同様の措置がとられることから、該当する英国人以外のドライバーが運転するトラックは入国を拒否されることになる。さらに、旅客だけでなく同国からの貨物を搭載している航空機や船舶の入国も禁止される。英国運輸省は今回の措置の見直しは一週間後に行われるとしている。
        ※11/8の英国の感染者数:20,572人(日本1,329人の15倍、緊急事態解除基準47人の438倍)
        ※11/8の英国の死者数:156人(日本3人の52倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 November 8, 2020, BBC (若林健一)
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