2020/10/05LROニュース(7)

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  • 2020.10.05 UP
    2020/10/05LROニュース(7)
    • 【1】 英・蘭の送電事業者が北海の洋上風力発電施設からの両国への送電で連携
      • 【1】洋上風力の可能性を最大限に利用することは、2050年までに欧州の経済・社会を脱炭素化する上で必要不可欠であり、英・蘭両政府は共に、北海における洋上風力発電能力を拡大するべく、英は2030年までに40GW、蘭は2030年までに11.5GW、2050年までに更に20-40GWまで発電能力の拡充を目指すという野心的な目標を掲げている。こうした大規模な洋上風力の開発には、新規インフラへの大規模な投資と、北海周辺諸国間の密接な連携が求められる。蘭政府は、同国の北西沿岸から80km沖合の洋上に建設される集合型洋上風力発電所のために、同国初となる2GWの遠洋高圧直流送電網(HVDC)を建設することを最近決定したが、英の送電事業者・National Grid plcの商業開発子会社であるNational Grid Venturesと蘭の送電システム事業者TenneTは9月22日、海底送電ケーブルを介して両国の洋上風力発電施設を連結し、効率的に両国のエネルギーシステムに送電する事業の実現可能性調査を協力して実施することを発表した。
      • 原文 September 22, 2020, National Grid(植木エミリ)
    • 【2】 IRENA: 再生可能エネルギーで働く労働者が継続して拡大
      • 【2】国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が9月29日発表した、「再生可能エネルギーと雇用に関する年間報告書」の概要は以下のとおり。①再生可能エネルギー分野は、世界中で多くの雇用を創出し、社会経済的な利益をもたらし続けている。②2019年の再生可能エネルギー関連産業の就業者数を業種別に見ると、太陽光発電関係が380万人、バイオ燃料関係が250万人、水力発電関係が200万人、風力発電関係が120万人と、全業種合計は1,150万人となった。③地域別で見ると、アジアが世界を主導し、全体の63%の労働者がアジア地域で就業している。④女性の進出率で見ると、化石燃料関係の事業では女性就業者の割合は21%に留まっていたが、再生可能エネルギー関連事業では32%を占めていた。⑤太陽光発電技術の進展により、送電網に接続されていない再生可能エネルギー発電も増加しており、就業者の絶対数は少ないものの、過疎地域における農業・食品加工・ヘルスケア・通信等の地域産業の振興にも貢献している。
      • 原文 September 29, 2020, IRENA(植木エミリ)
    • 【3】 BIMCO: 海運へのEU ETS適用は世界的なCO₂削減の取り組みを阻害
      • 【3】10月1日、BIMCOが海運に対するEU排出権取引制度(ETS)の適用を改めて批判する意見を公表したところその概要は以下のとおり。①もしEUがETSを海運に適用した場合、他の諸国も独自のETSを海運に適用する可能性があり、複数のETSが同時に適用される結果、世界的に統一した市場原理に基づくCO₂削減措置の実現が困難となる。②国際的な競争条件の均衡化を担保するためにも、EUはETSを適用する代わりに、IMOの場で他の諸国と協力して世界で統一された市場原理に基づく対策の成立を目指すべきである。③2012年に、EUが国際航空にETSを一方的に適用しようと試みたときに、中・印・米などの大国から強い反対を受けたが、国際海運にETSを適用しようとすれば、2020年の国際的な政治情勢を鑑みれば、貿易相手国から制裁措置を受ける事になろう。④大国の反対により結局、EU域内の航空輸送にのみEU ETSが適用されることとなったが、EU域内の航空輸送から排出されるCO₂の量は対2012年実績比で26%増加しており、EU ETSの適用はCO₂排出量の削減にはつながらなかった。
      • 原文 October 1, 2020, BIMCO(長谷部正道)
    • 【4】 グリーンランドの氷床が過去1万2千年間で最も速いペースで融解
      • 【4】最後の氷河期終了以降、現代を含む1万2千年間は完新世として定義されているが、NY州立大学バッファロー校の研究者等がNature誌に発表した論文によると、グリーンランドの氷床は、完新世において過去最速のペースで融解していることが明らかになった。こうした融解の速度は今後更に加速化すると見込まれており、グリーンランドの氷床の融解だけで、今世紀末までに世界の海面が2~10cm上昇する可能性が高い。グリーンランドの氷床は1万年前から7千年前までの間に少しずつ縮小し、過去4千年にわたって少しずつ回復してきたが、このまま地球温暖化が継続すれば、今後千年以内に広大な氷床は全て融解すると見込まれており、仮にGHG排出量の大幅な増加が続いた場合、融解のペースは過去の速度の4倍程度まで更に加速することも考えられる。
      • 原文 September 30, 2020, The Guardian(植木エミリ)
    • 【5】 USCG: 船員証書等の有効期限の延長に関する通達を更新
      • 【5】9月30日、USCGは「Covid-19―船員証書」(Change 4 to MSIB 08-20)を発出し、船員証書・医療証明書・訓練研修証明書の有効期限の延長の取り扱いを更新した。前通達からの重要な変更点としては、①国内法に基づく船員証書とSTCW条約に基づく船員資格証明書で、有効期限が2020年の3月1日から12月31日の間に失効するものは、有効期限を2021年6月30日または本来の有効期限の1年後の日のどちらか早い日まで延長される。②地域試験センターが依然閉鎖されていることを踏まえ、試験の合格証と訓練/研修の修了証明書の有効期限が2020年3月1日から12月31日の間に失効するものについては、2021年10月1日まで有効期限を延長する。
      • 原文 September 30, 2020, USCG(長谷部正道)
    • 【6】 IMOがサイバー攻撃を受けてウェブサイト等が機能不全に
      • 【6】10月1日、IMOは9月30日にサイバー攻撃を受けて、ウェブサイトとイントラネットが機能不全に陥ったため、IMOのIT専門家が更なる被害を避けるため、重要なシステムを閉鎖したと発表した。IMOは国連のIT専門家等の支援を受けて、サービスの復旧と攻撃を行った犯人の特定に努めている。IMOの報道官は、IMO事務局自体は業務を継続し、開催中の会合は、外部のプラットフォームを利用して、同時通訳付きで、オンラインで開催されていると強調している。Emailのシステムは通常通り使用できるが、公文書データーベースへのアクセスの回復作業中とのこと。
      • 原文 October 1, 2020, Reuters(長谷部正道)
    • 【7】 英国王立学会:ワクチンが完成しても日常が戻るには長期間を要すると警告
      • 【7】現在、世界中で200を超えるコロナウィルスのワクチン開発がかつてないスピードで進められており、多くの人がワクチンの完成がパンデミックに終わりを告げると期待している。英国政府の科学顧問などからも来年前半には集団予防接種の実施が可能になるとの楽観的な声も聞かれる。しかし、英国王立学会(The Royal Society)が公表した研究結果よると、仮にコロナウィルスに対して有効なワクチンが完成しても、1ヶ月といった短期間ですべての人が接種を受けられる環境にはならず、半年あるいは1年といった長期間を要するため、その間は感染防止のための規制措置は徐々に緩和する必要があるとして、元の日常を取戻せるまでには長期間を要することを覚悟する必要があると訴えている。

        ※10/1の英国の感染者数:6,914人(日本531人の12倍、緊急事態解除基準47人の147倍)
        ※10/1の英国の死者数:59人(日本7人の8.4倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 October 01, 2020, BBC (若林健一)
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