2020/09/14LROニュース(7)

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  • 2020.09.14 UP
    2020/09/14LROニュース(7)
    • 【1】1990年以降世界で氷河湖が増加
      • 【1】カルガリ大学等の研究者達が8月31日、Nature Climate Change誌に発表した論文によると、温暖化による氷河の融解によって世界中で氷河湖が急速に増加しており、研究者達が約25.5万枚の衛星画像を分析したところ、2018年に地球全体の氷河湖に蓄積されている水の量は、1990年比で48%増加し、156.5㎦となっていたことが分かった。また1990年から2018年にかけて、氷河湖の数は53湖、総面積は51%それぞれ増加していた。氷河が融解した水の地表の貯蔵庫としての氷河湖が自然界にどのような影響を与えるかは現在解明されておらず、海水位を測定する上で氷河湖の水量は考慮されていない。氷河湖の平均面積も3%増加しており、現在氷河湖に蓄積されている水量は、すべて海洋に流れ込むと海面を0.43mm上昇させるのに等しい量となっている。氷河の融解と氷河湖の拡大が今後も継続すると、氷河湖の貯水量が限界に達して発生する洪水や、水源としての氷河の減少・消滅が、社会学的にも生態学的にも憂慮すべきものになる。
      • 原文 August 31, 2020, Nature(植木エミリ)
    • 【2】UNEP: 海洋プラスチックごみに関するFORESIGHT Briefを発表
      • 【2】国連環境計画(UNEP)が海洋プラスチックごみ問題に関する説明資料(FORESIGHT Brief)を作成・発表したところその概要は以下のとおり。①海洋ごみ問題について正確な政策決定を行うために、海洋ごみを観測・評価する包括的かつ世界規模の取り組みを促進する必要がある。②海洋ごみの観測・評価は複雑でコストもかかるので、各国政府と関係者は、観測指標の簡素化、観測コスト、情報の包括性の間のもっとも適正なバランスを図る必要がある。③世界的な観測を進めるためには、人材育成事業や各地域の海洋ごみ削減活動との連携が必要。④UNEPは海洋ごみ問題に関するすべての関係者が集まって、情報と経験を共有し、適切な解決策を見つけるためのGlobal Partnership on Marine Litter (GPML)を組織しており、海洋ごみ問題に関心のある組織・人間がGPMLに参加することを呼びかける。⑤GPMLはOpen Universiteitと連携して、海洋ごみに関するMassive Open Online Courseを開設し、ガイドラインや訓練教材を活用して、人材育成の促進に努めている。
      • 原文 UNEP(長谷部正道)
    • 【3】海洋温暖化により海底に住む無脊椎動物が間違った方向に移動
      • 【3】海洋温暖化により、魚類や泳ぐ能力のある海洋生物は、より海水温の低い高緯度海域や水深の深い海域に移動して、海洋温暖化の影響を凌ぐことが出来るが、大西洋の北西部の大陸棚の海底に生息する無脊椎動物は、誤って、海水温の高い低緯度海域又は水深の浅い海域に移動していることが、米ラトガース大学の研究者達がNature Climate Change誌に発表した論文で判明した。これは海水の温暖化によって早く孵化した幼生が海岸や南部の方向に流されているのが原因で、漁獲の対象となっている貝類などが、より死亡率の高い海水温の高い海域に誤って移動する物理的なメカニズムが解明された。
      • 原文 Nature Climate Change(長谷部正道)
    • 【4】英国:洋上風力発電とGreen Hydrogenで3200億ポンドの経済効果
      • 【4】洋上風力事業協議会(OWIC)と洋上再生可能エネルギー(ORE)は「洋上風力発電と水素」と題する報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①英国は、持続可能で低コストな再生可能な水素(Green Hydrogen: GH)生産事業を発展させるために必要な適正な洋上風力発電能力と、強固な関連産業及び世界的な学術的研究能力を有している。②英国の洋上風力発電から生産されるGHは、2050年までに天然ガスから生産されるBlue Hydrogen(BH)の生産コストを下回ることが可能で、輸出の可能性も含め、3200億ポンド(約44兆円)の経済効果をもたらす。③こうした可能性を実現するためには、英国政府がGH産業を支援するための新たな戦略を作成し、法規制・政策面・技術開発・大規模実証事業を実施するに必要なインフラの整備などを支援する必要がある。
      • 原文 September 9, 2020, Offshore Energy Biz(長谷部正道)
    • 【5】パナマ海事庁:不適切な海図と船員の行動がわかしおの事故原因と発表
      • 【5】わかしお号の旗国であるパナマ海事庁(AMP)が、モーリシャスで発生した油濁事故の原因等について最初の暫定的な声明を発表したところその概要は以下のとおり。①わかしお号では乗員の誕生パーティが開催されており、当該乗員が家族と話すために、承認された航路を外れ、モーリシャスから5マイル以内に接近して電話とインターネットの信号を探すことを船長が許可した。②この不適切な航路離脱が実施された際、船長・機関長・一等航海士は船橋にいたが、モーリシャス当局から繰り返し発せられた警告を無視した。③わかしお号が当時使用していた電子航路図では、間違った航路図が間違った縮尺で使用されており、海岸や浅瀬からの距離を正確に把握することが困難だった。④当直担当者は慢心して、航海計器を確認するのを怠り、その結果、航路を見失って錯乱した。⑤当直担当者が、船員としての善良な注意を払い、状況を適切に分析できれば、進路を正して座礁を回避できた。⑥AMPの事故調査官は、船長と一等航海士からの事情聴取結果や、現在モーリシャス当局が押収している航海情報記録装置(VDR)の記録や他の基本的な航海に関する文書を閲覧できるようモーリシャス当局に要請し、許可が下りるのを待っているところ。
      • 原文 September 8, 2020, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【6】米・英・ノルウェー海軍がバレンツ海の露北方艦隊の基地のそばで共同演習
      • 【6】米・英・ノルウェーの海軍は、バレンツ海の露の排他的経済水域(EEZ)内において共同演習を開始した。今回の演習は英海軍が主導して行われ、英海軍のフリゲート艦や補給艦、米海軍の駆逐艦、ノルウェー海軍のフリゲート艦のほか、デンマークやノルウェーの哨戒機も参加して、露北方艦隊の基地や潜水艦の主要基地もある露コラ半島の沖合わずか115海里の海域で行われている。コラ半島周辺のバレンツ海は露が北方艦隊を北大西洋に進出させるに当たり特に重要な意味を持ち、先週バレンツ海上空では露の戦闘機がノルウェーの哨戒機の進路を3日連続で妨害するなど両国間の緊張関係が高まっているが、今のところ演習海域に露が艦船や潜水艦を派遣したとの情報はない。露は北極海における広大な海岸線に沿って海上交通を規制する権利があると主張しており、英海軍は声明で今回の演習を通して北極海における航行の自由の確保に対する責務を果たしていくと述べた。米海軍も潜水艦によるノルウェーのトロムソ港への寄港を増やすなど北極海での活動を強化するとみられ、持続的な活動を可能とするためには同盟国との協力や支援が重要であると強調した。
      • 原文 September 8, 2020, Breaking Defense(若林健一)
    • 【7】英国内の実行再生産数(R)の値が1.0を超え上昇
      • 【7】英国政府が9月11日に公表したデータによると、感染者1人当たりから何人に感染が広がるかを示す実行再生産数(R)の英国全体の値が上昇し、1.0~1.2の間にあることが明らかとなった。Rの値が1.0を超えたのは3月以降初めてであり、これは感染が拡大することを意味しており、改めて国内全体で感染が再び拡大しつつあることを裏付ける結果となった。Imperial College Londonの教授は、公表されたデータは、感染がイングランド北部など特定の地域に限らず国内全域で急速に広がっていることや、感染者は医療従事者など特定の業種に限られず明らかに市中感染となっていることを示していると警告している。

        ※9/10の英国の感染者数:2,919人(日本510人の5.7倍、緊急事態解除基準47人の62倍)
        ※9/10の英国の死者数:14人(日本13人の1.1倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 September 11, 2020, BBC (若林健一)
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