2020/08/19LROニュース(7)

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  • 2020.08.19 UP
    2020/08/19LROニュース(7)
    • 【1】中国:輸入冷凍食肉・水産品の物流が大混乱
      • 【1】8月第2週に、中国で輸入された冷凍食品のパッケージにコロナウィルスが発見された事例が10件以上あったため、中国当局による食肉・水産品に関する港湾等における輸入検査が強化された。この結果、中国の港湾では、食肉・水産品を運ぶ冷凍・冷蔵コンテナの検査が、物流のボトルネックとなっており、冷凍・冷蔵コンテナ用の電源の確保も厳しい状況になっている。コンテナの最終仕向け地の港湾において、検査待ちのコンテナの滞留が発生している場合は、状況が改善されるまで、途中の港湾など他港に移送され、それに伴う追加的な保管料金や転送料金は荷主の負担となっている。WHOは食品や食品のパッケージからコロナウィルスに感染することはほぼないと強調しているにもかかわらず、中国当局の検査ばかりでなく、中国の消費者やレストランは水産物の消費を控える動きとなっている。中国はコロナウィルスが発見された米・英・独・伯の23社が製造している冷凍食品の輸入を暫定的に禁じているが、8月14日に比が伯からの鶏肉の輸入を停止するなど、影響は近隣国にも広がっている。
      • 原文 August 17, 2020, The Loadstar(長谷部正道)
    • 【2】米気象協会:「2019年の気象の状況(State of the Climate in 2019)」
      • 【2】米国気象学会が標記年次報告書を発表したところ、2019年の世界の海洋についての記述は以下のとおり。①世界の平均海水位は、対前年比で6.1mm上昇し、8年連続で最高記録を更新した。②海水表面から水深700mまでの海水温は、史上最高温度を観測し、この海水温の上昇(海氷の体積の膨張)だけで、4.5mm分の海面の上昇がもたらされた。③2004年以降、海水表面の温度は10年間で0.2℃の割合で上昇しており、水深300m以下の深海でも、10年間で0.03℃の割合で上昇が続いている。世界の海水表面の温度は、史上最大のエル・ニーニョ現象が発生した2016年に次いで史上2番目に高かった。④海洋のCO₂吸収量は、対前年比2億トン増の24億トンと過去最高を記録し、CO₂吸収量の増加傾向は、21世紀に入ってから継続している。⑤海洋のCO₂吸収量の増加に伴い、海洋表面のpHは世界のほとんどの海で上昇し、特に海水温が低い海洋を中心として、産業革命以来海洋の酸性化が進んでいる。
      • 原文 August, 2020, 米国気象協会(植木エミリ)
    • 【3】モーリシャス政府:わかしおの船首部を沖合に曳航することを承認
      • 【3】モーリシャス沖で7月25日座礁したばら積み船「わかしお」について、モーリシャス首相が主宰する国家危機管理委員会は8月17日、同国に派遣された仏の専門家3人の承認を得て、8月15日に折損した「わかしお」の船首部分を、同国のサンゴ礁の外縁から8海里(約15km)離れた水深2000mの沖合に曳航することを承認した。委員会は、沿岸・河口・ラグーンなどに油侵入防止のためのブームを設置し、当該海域の汚染防止のため沿岸警備隊による監視を継続することを発表した。危機管理委員会の承認のもと、国際タンカー船主汚染防止連盟(ITOPF)などの専門家チームと地元の関係者が共同で、海岸における清掃活動について損害補償のための暫定査定活動を実施した。国立環境研究所は、関係省庁とともに周辺の大気と海水の水質の観測を続けており、現時点では揮発性有機化合物の検出は確認されておらず、地域の動植物に対する環境上の影響の体系的な監視も近日中に開始される予定である。8月17日正午時点で、油交じりの海水884トン・スラッジなどの固形廃棄物524トン・地元住民が作成し、油を吸った416㎥のブームなどが回収された。
      • 原文 August 17, 2020, Marine Log(植木エミリ)
    • 【4】ロナルド・レーガンが再び南シナ海へ
      • 【4】8月14日、米海軍の空母ロナルド・レーガン率いる空母打撃群が7月中旬に続き再び南シナ海に入域して訓練を開始した。同空母打撃群は南シナ海において、7月上旬に戦略爆撃機B-52とともに海上共同演習を実施し、さらに7月中旬には空母ニミッツ率いる空母打撃群とともに共同作戦を実施している。8月14日から開始した訓練には、ミサイル巡洋艦アンティータム、ミサイル駆逐艦マスティン及びラファエル・ペラルタ、さらには第5空母航空団が参加し、米海軍によると空対空作戦、捜索救助訓練及び防空演習が行われた。米政府は中国による南シナ海の権益主張を完全に否定する声明を先月発表するなど、南シナ海では米中両国の間で緊張が高まっている。
      • 原文 August 17, 2020, Navy Times(若林健一)
    • 【5】韓国:ロシア等特定国からの船員の入国要件の厳格化
      • 【5】韓国では、6月22日以降、90件以上の感染事例について、釜山と仁川に入港した8隻のロシア籍船の船員が感染源であったことが判明したため、韓国内でもコロナ感染者数が再度上昇している中、韓国疾病管理予防センター(KCDC)は、8月から、ロシアから韓国に入港する船舶に乗船している船員については、韓国に向けて出港する48時間以内に、PCR検査を受けて、陰性の証明書を受けたうえで、韓国の港湾に入港時に韓国当局に提出することを義務付けた。また、KCDCはパキスタン・バングラデシュ・カザフスタン・キリギスタン・ウズベキスタン・比・露・印から韓国に入国しようとする者は、韓国に向けた航空機に搭乗する48時間以内に、KCDCが指定する医療機関で、PCR検査を受け、陰性であることを証明する証書を韓国入国時に提出することも義務付けた。船舶で韓国に入国する船員が韓国で下船するための要件は、同国内の各地域の国家検疫所(NQS)によって異なるため、事前の確認が必要だが、検疫の結果下船が認められた場合でも、韓国政府が指定する船員専用の隔離施設で10日から14日の検疫期間を経る必要があり、この隔離施設が一杯の時は、隔離施設が空くまで、船員は船内で待機することが要求される。
      • 原文 August 14, 2020, Standard Club(長谷部正道)
    • 【6】香港・シンガポールでも再拡大するコロナの影響
      • 【6】香港最大の葵青コンテナターミナルは9つのコンテナターミナルから構成され、年間2千万TEUのコンテナを取り扱っているが、約65件の感染事例が発生し、現地メディアによれば、ソーシャルディスタンスを取ることが難しい、港湾ターミナル労働者の休息所や寮がクラスターとなった可能性が高い。感染者の多くがWang Kee Port Operation Service社に所属し、ほとんどが無症状であったが、約100人の港湾労働者が検査・隔離されている。港湾労働者以外にも、船員の感染事例も引き続き発見されており、シンガポール港では、8月8日に、同港に修理と燃料補給のために寄港したバハマ籍の船舶に乗務していた15人の比人船員の感染が確認され、病院に搬送された。残りの船員は船内で隔離中で、今後同船は完全に消毒される見込み。Hapag-Lloydのコンテナ船でも最近いくつかの感染が発生したと同社が発表している。
      • 原文 August 18, 2020, Offshore Energy Biz(長谷部正道)
    • 【7】英国保健省:感染第2波に備え公衆衛生庁に変わる新たな組織を立ち上げへ
      • 【7】英国保健省は、公衆衛生庁(Public Health England:PHE)の感染症対策部門と国民健康保険サービス(NHS)が現在運用するコロナウィルスの検査・追跡システム(NHS Test and Trace)の機能とを統合した新たな組織「National Institute for Health Protection」を8月18日に立ち上げ、現在NHS Test and Traceを率いているBaroness Harding氏が暫定的にトップに就任する。PHEとNHS Test and Traceが有する科学的知見と機能を統合することにより、秋以降に予想される感染第2波に備える狙いがあるとみられるが、これまで政府内からはPHEによるコロナウィルス対策に不満を示す声も上がっており、また、世界的な感染流行の最中に国の公衆衛生庁を解体することを疑問視する声も上がっている。

        ※8/17の英国の感染者数:713人(日本1,020人の0.7倍、緊急事態解除基準47人の15倍)
        ※8/17の英国の死者数:3人(日本11人の0.3倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 August 18, 2020, BBC(若林健一)
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