2020/07/20LROニュース(8)

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  • 2020.07.20 UP
    2020/07/20LROニュース(8)
    • 【1】 ReCAAP ISC: 2020年上半期報告書
      • 【1】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)は、海賊・武装強盗事件に関する2020年上半期報告書を発表したがその概要は以下のとおり。①2020年1月から6月までにアジアで発生した海賊・武装強盗事件は計51件(既遂50件、未遂1件)で、バングラディッシュ、インド、インドネシア、フィリピン、ベトナム、南シナ海やシンガポール海峡での発生が増加したことで、前年同期の28件(既遂25件、未遂3件)のほぼ2倍に達した。②51件のうち海賊事件は2件、武装強盗事件は49件で、その割合は過去14年間の平均で12%が海賊事件、88%が武装強盗事件となっている。③51件のうち被害船舶が錨泊中又は係留中に発生した事件は31件(61%)で、インドネシアやフィリピンで多く発生している。④51件のうち被害船舶が航行中に発生した事件は20件(39%)で、マラッカ・シンガポール海峡を航行中に発生した件数が16件と80%を占め、前年同期の8件から倍増している。⑤マレーシアのサバ州沖では今年1月に漁船乗組員の誘拐事件が発生し、また、アブサヤフのメンバーが外国人や船員を狙った誘拐事件を計画しているとの情報もあり、スールー海・セレベス海及びサバ州東部沖合では誘拐事件の発生が依然として懸念される。
      • 原文 July 16, 2020, ReCAAP(若林健一)
    • 【2】 G20諸国はコロナ復興対策として持続可能エネルギーより化石燃料に多く投資
      • 【2】国際持続可能開発研究所(IISD)・コロンビア大学・ストックホルム環境研究所等の世界の14の研究機関が、7月15日、エネルギー政策Trackerに発表したところによれば、パンデミック発生以来、G20政府は併せて1510億ドル(約16兆円)を化石燃料関連に支出する一方で、990億ドル(約10.6兆円)しか再生可能エネルギー関連に支出していないことが分かった。欧州委員会は、パンデミック期間中は、国家助成に関する厳しい規則の適用を猶予しており、総額1.9兆ユーロ(約232兆円)の国家助成を、環境問題に資することなどというような条件を付けずに、加盟国政府に対し承認を与えた。一方で、EU首脳会合で議論される2021年から2027年までの総額1兆ユーロ(約122兆円)のEU中期予算と7500億ユーロ(約92兆円)のコロナ復興予算について、欧州委員会は予算額の25%を環境関係に充てることと、全ての予算執行が、環境に大きな悪影響を与えないことを求める「do no significant harm原則」を提案していることは高く評価でき、EU首脳会合等において正式に承認されれば、EUが気候変動対策の分野で世界的なリーダーシップを担うことができるとコロンビア大学の国際公共政策専門の教授はコメントしている。
      • 原文 July 15, 2020, Euractiv(長谷部正道)
    • 【3】 気候変動による北極海の海氷の減少で海中騒音が増加
      • 【3】「野生動物保護協会(WCS)」が2014年から2017年にかけて、ホッキョククジラ・シロイルカ・セイウチ等の海洋哺乳類が季節的に移動・生息するベーリング海峡やセント・ローレンス島周辺海域の9つの場所に海中音声記録装置を設置したところ、海の表面が海氷に覆われる冬季も含めて、3千時間を超える音声情報が収集された。記録された音声から騒音の発生する季節や時間帯等を分析したところ、生物以外から発生する騒音の発生頻度や発生源の多くは海氷の有無に左右されており、気候変動の影響によって海氷が減少すると、海面の波の音や、船舶が運航時に発生する音などによって、同海域の海中騒音が増えていることが分かった。船舶からの海中騒音が記録されると、AISの位置情報を基に、騒音を発している船舶を特定することができる。海洋哺乳類が同海域に現れる時期は種類によって異なるが、いつどのような海洋哺乳類がやってきて、その時にどのような船舶が運航しているかを突き止め、海運活動を取り締まる権限がある官庁と連携して、北極海に生息する海洋哺乳類を保護することが可能となる。
      • 原文 July, 2020, Oceanographic(植木エミリ)
    • 【4】 SDGs: ハイレベル政治フォーラム2020が終了
      • 【4】国連経済社会委員会(ECOSOC)の主催により7月7日から16日まで(閣僚級会合は14日から16日)開催されたハイレベル政治フォーラム(HLPF)の閉会にあたり、担当国連事務次長は、パンデミック以前から、世界は持続可能な開発目標(SDGs)を2030年までに実現する道筋から外れてしまっているが、政府が社会保障・保健制度・教育・水道・衛生等の公共部門への投資を増やし、人々が労働・学習・消費などの生活様式を変えることで目標の達成は可能であるとして、コロナウィルスからの復興における連帯の必要性を呼びかけた。HLPFでは、SDGs達成に向けた各国の進捗状況を毎年確認しているが、「行動と遂行の10年」をテーマにした2020年は、開催に先立つ2か月間で、「SDG加速化アクション」の提出数が35%増加して184件となり、公表された行動(published actions)も21%増加した。HLPFには1名の首相と31名の閣僚級の代表が参加し、47か国がSDGsの進捗状況について自主的報告(Voluntary National Review)を行った。気候変動に関する目標の達成状況に関しては、パンデミックに伴う活動制限によりGHG排出量は6%減少が見込まれているものの、パリ協定で約束された地球の気温上昇を1.5℃以下に保つ目標の達成には、更に7.6%の削減が必要であった。
      • 原文 July 17, 2020, 国連(植木エミリ)
    • 【5】 10月1日よりMARPOL条約関連電子記録簿の使用が可能に
      • 【5】MARPOL条約のAnnex I, II, V, VIとNOx技術コードの改正により、油記録簿(パートIとII)・貨物記録簿・廃棄物記録簿(パートIとII)・オゾン層破壊物質記録簿・舶用ディーゼルエンジンの層及びオン/オフ切り替え記録・燃料油切り替え記録・エンジンパラメーター記録簿について電子記録簿の使用が10月1日より認められるが、旗国当局による事前審査を受けて宣誓書(Declaration of MARPOL Electronic Record Book)の交付を受けて、船内に備えおく必要がある。電子記録簿への的確な情報記入は引き続き重要で、誤った情報の記録や記録漏れがPSCで発見されれば、出港禁止命令や罰金刑を受ける可能性があるので、IMOやINTERTANKOが作成したガイダンスに従って正確な記録に努める必要がある。
      • 原文 July 15, 2020, Shipowners Club(長谷部正道)
    • 【6】 WEF: 世界の自然を保護することにより毎年10兆ドルの経済価値を創出
      • 【6】世界経済フォーラム(WEF)は、The Future of Nature and Businessと題する報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①パンデミックから回復した後の経済は、今までとは異なり、自然破壊によって世界のGDPの半分が失われる可能性がある。②世界の絶滅危機に瀕する動物の8割の責任は、食糧生産と土地利用・インフラと建物の建設・エネルギーと鉱物資源の採掘の3分野が原因となっている。③国連環境計画(UNEP)もコロナ復興対策として健康面や経済面の現象に対処するだけでは足りず、原因となった環境破壊の問題に取り組むべきだとしている。④報告書の中では様々な自然を保護しながら雇用と経済価値を生み出す具体策を提案しているが、例えば、㋐天然水産資源の適正な管理により、1400万人の新規雇用と1700憶ドルの経済価値を生み㋑都市の建物の屋上の環境面での活用など建築物の改築によるエネルギー効率の向上で2030年までに8250億ドルの節約効果があるとしている。⑤3月に米国が発表した復興予算とほぼ同規模の年間2.7兆円の投資が報告書で提案されている施策の実施には必要だが、この自然環境を保護する投資によって、2030年までに年間全世界で4億人の雇用と10兆ドルの経済効果を生むことができるとしている。
      • 原文 July 15, 2020, The Guardian(長谷部正道)
    • 【7】 第26回化学物質の安全/環境汚染危険性の査定に係る作業部会(ESPH 26)
      • 【7】7月16日、IMOは第26回化学物質の安全/環境汚染危険性の査定に係るPPRの作業部会(ESPH 26)をcorrespondence方式で、10月5日から11月13日の間に開催すると発表した。文書提出締め切り期限等はESPH 26の暫定議事項目のNoteに定めるところによる。(Circular Letter No. 4310)
      • 原文
    • 【8】 英国政府;クリスマスまでに日常を取戻すためのロードマップを発表
      • 【8】7月17日ジョンソン首相は記者会見を行い、感染の第2波に備え国民保健サービス(NHS)に30億ポンド(約4千憶円)の追加支援を行うとともに、10月末までに一日に可能な検査数を50万件まで拡充させることを発表した。また、今年のクリスマスまでに日常を取戻すための計画としてイングランドにおけるロックダウン緩和のロードマップを発表したがその概要は以下のとおり。①本日から公共交通機関の利用目的の制限を廃止する。②地域的な感染拡大に備え、地方の行政機関が独自の判断で施設の閉鎖やイベントを中止できる権限などを7月18日から付与する。③在宅勤務を求めている現在のガイダンスを廃止し、8月1日から職場の再開について雇用者にさらなる裁量を与える。④8月1日から、ボーリング場、スケート場、カジノなどのレジャー施設を再開させ、屋内での観劇や音楽イベントの開催も社会的距離の確保を条件に再開させる。⑤9月から学校、幼稚園、大学についてすべての児童や学生を対象に再開させる。⑥10月からスタジアムでのスポーツ観戦や会議、その他の企業イベントを再開させる。⑦社会的距離の確保に関する制約を早ければ11月に廃止する。

        ※7/16の英国の感染者数:398人(日本453人の1.4倍、緊急事態解除基準47人の14倍)
        ※7/16の英国の死者数:66人(日本1人の66倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 July 17, 2020, BBC(若林健一)
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