2020/07/02LROニュース(7)

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  • 2020.07.02 UP
    2020/07/02LROニュース(7)
    • 【1】 露北方艦隊に新たな海洋調査船が配属
      • 【1】 露海軍の北方艦隊に20年以上ぶりに配属された海洋調査船「Nikolay Skosyrev」の就役式が6月27日に行われた。同船はルイビンスクの造船所で建造され、全長59メートル、載貨重量トン数1,000トンで、主に水路測量や水先業務に従事することになる。同船の同型船3隻が既にそれぞれバルト海艦隊や太平洋艦隊で任務に従事しているほか、現在7隻の同型船の建造が進められている。就役式に出席した北方艦隊司令官は、同船が露の北極海における開発に相当な貢献をすることを期待していると述べた。
      • 原文 June 29, 2020, The Barents Observer(若林健一)
    • 【2】 ロッテルダム港:将来の水素貿易のハブ港湾になるための戦略
      • 【2】 ロッテルダム港は将来の炭素中立社会において、現在同港が石油取引のハブ港であるのと同様に、水素取引のハブ港になるための明確な戦略が必要であり、ロッテルダム港湾庁は、Dutch Research Institute For Transitions (DRIFT)に戦略の立案を依頼していたが、このたび報告書が提出されたところその概要は以下のとおり。①2050年の時点で北西欧州諸国のエネルギー輸入依存率は最大で60%に達する見込みで、オランダに限ってみれば75%に達する見込みである。②ロッテルダム港が北西欧州諸国の水素貿易のハブになるためには、水素の輸入・貿易に必要なインフラへの投資を政府主導で早期に進める必要がある。③炭素中立社会においては、水素は持続可能エネルギーから生産されるGreen Hydrogen (GH)となるが、移行期にあっては、規模の経済に対応するためにも、天然ガスから生産されるBlue Hydrogen(BH)に対応するインフラの整備も重要である。④今後10年間は、GHは依然として相対的に割高でかつ十分な生産量も期待できない。⑤GHの生産を進めるためにも政府は風力発電施設と合わせたGH生産設備の整備を目指して官民連携基金などを通じて積極的な投資を支援すべき。
      • 原文 June 26, 2020, ロッテルダム港湾庁(長谷部正道)
    • 【3】 AMSA: 船員の最大労働可能期間に関する通達を発表
      • 【3】 豪海上安全庁(AMSA)は表記通達を発表したところその概要は以下のとおり。①船員が有効な船員雇用契約書(Seafarer Employment Agreement: SEA)を保持し、船上の継続勤務期間が11か月以内の場合は、検査官は何もしない。②船員が有効なSEAを保持し、継続船上労働期間が11-13か月の場合は、検査官は船長に旗国が承認した当該船員の帰国計画を提示するように求め、14か月以内に実際に当該船員を帰国させなくてはならない。③船員が有効なSEAを保持し、継続船上労働期間が13か月を超えるときは、旗国が承認した帰国計画をAMSAに提出し、14か月以内に当該船員の帰国が実現されない限り、船舶の出港が許可されない。④船員が有効なSEAを保持しない場合は、検査官は船長に対して当該船員の帰国をアレンジし帰国が実現するまでは、陸上で待機することを要請する。このことにより、最低配乗要件が満たされなくなれば、交代船員が補充されるまで船舶の出港が禁止される。⑤船員の帰国のためあらゆる手段を講じたが帰国が実現できなかったことを船長または船主がAMSAに対してきちんと説明し、当該船員が雇用期間の延長に合意する旨の文書を提出した場合以外は、14か月以上の継続船上労働は認めない。⑥以上の特例的取り扱いは9月末で終了し、10月以降はパンデミック以前の原則に従って対処する。
      • 原文 June 26, 2020, AMSA(長谷部正道)
    • 【4】 脱炭素社会への最近の動向
      • 【4】 We Mean Business Coalitionが取りまとめた、最近の脱炭素社会への主な動向は以下のとおり。①CO₂削減目標がパリ協定の目標に合致していると科学的に認証された企業の連合であるScience Based Target(SBT)へ新たにアマゾンや東芝が加わり、7月1日現在で世界の参加企業数は915社となった。②IEA(世界エネルギー機関)は持続可能な事業への投資によりグリーンエネルギーへの転換促進と多くの雇用を創出し経済を活性化する(Green Recovery)「持続可能な復興計画」を発表した。(既報)③中国政府は2020年末までに石炭火力発電量を最大1,100GWに制限し、中国国内の石炭鉱山の数を5千以内に抑制することを発表した。④米Lyft社が2030年までに同社の配車サービスとレンタカー事業に使用する全ての車両の電気自動車への切り替えを表明した。⑤ShellやBP等を含む欧州の石油精製業界団体が、2050年までの輸送用燃料の完全な脱炭素化に向けた6500億ユーロ(約78兆2332億円)規模の計画を発表した。
      • 原文 June 19, 2020, We Mean Business Coalition(植木エミリ)
    • 【5】 比人クルーズ船乗組員の帰国状況
      • 【5】 比国入国管理局によればパンデミック発生以来、比人乗組員と外国人船員併せて約16000人の入国が許可されているが、このほとんどは運航が停止され、比人乗組員の帰国のためにマニラ湾に乗組員を乗せたまま集結したクルーズ船の乗組員だった。具体的には、4月16日から6月15日の間に42隻の船舶の11000人の比人乗組員と5000人の外国人船員の入国を許可し、2300人が現在検疫期間中である。検疫期間が終了すれば比人乗組員は帰宅し、外国人船員は出国するための航空券を持っている船員は上陸を許され、空港に直送されている。現在もマニラ湾内に25隻、湾外に5隻のクルーズ船が錨泊して待機中でさらに比に向けて航行中のクルーズ船もある。しかし、現在でもサウジアラビア国内の88000人を筆頭に、全世界で16700人の比人船員が帰国を待っている状況とされている。
      • 原文 July 1, 2020, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【6】 ノルウェーが7月1日から裸用船登録を認容
      • 【6】 ノルウェー政府は、同国国際船舶登録(NIS)及び同国一般船登録(NOR)の両方の登録制度について、7月1日から他国における裸用船登録と当該期間中ノルウェー籍からの一次的な離脱を認めることとなった。同政府の海運局長は裸用船登録制度を認めることによって、ノルウェー籍からの完全離籍を阻止し、ノルウェー船籍船の増加が期待できるとコメントしている。裸用船登録とノルウェー籍からの一時的な離脱の期間は10年とし、5年間の延長が可能となっている。
      • 原文 July 1, 2020, Seatrade Maritime News(長谷部正道)
    • 【7】 さらなる地域的な感染拡大とロックダウン発令のおそれ
      • 【7】 ジョンソン首相は7月4日を独立記念日と称してロックダウンを緩和してパブやレストランなどを再開させる予定である。しかし、政府がイングランド中部の都市レスターに対して地域的なロックダウンを発令したことに関して、6月25日までの1週間の感染率がレスターより高かった地域が複数あることを示すデータもあり、科学者や公衆衛生の専門家などからは、注意を怠れば同様にロックダウンが発令される地域が新たに出ることになると警告する声が上がっている。また、英国における現在の感染拡大のレベルは、他の欧州諸国がロックダウン緩和に踏み切った際のそれと比べてはるかに高いとの指摘や、地域的な感染拡大を防ぐために必要な情報を政府が各地域に提供していないとの指摘も出ている。

        ※6/30 の英国の感染者数:689 人(日本111 人の6 倍、緊急事態解除基準
        47 人の15 倍)
        ※6/30 の英国の死者数:155 人(日本0 人)
        日本の緊急事態解除基準(直近1 週間の新規感染者数の合計が人口10 万人当たり0.5
        人以下)を英国(人口約6644 万人)に適用した場合、1 週間当たりの新規感染者数は
        332 人、1 日当たり約47 人となる。
      • 原文 June 30, 2020, The Guardian(若林健一)
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