2020/05/26LROニュース(7)

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  • 2020.05.26 UP
    2020/05/26LROニュース(7)
    • 【1】 製品タンカーがハイチのポルトー・プランス沖で武装強盗に襲撃される
      • 【1】コロナウィルスの影響により数カ月間船内に留め置かれているアルゼンチン船員がソーシャルネットワーキングサービス上に掲載した情報によると、5月17日、ハイチのポルトー・プランス沖の錨地に錨泊していた同人が乗船する製品タンカーに、刃物で武装した複数の賊が暗夜に紛れ同船の後部から侵入し、当直乗組員を刃物で脅して携帯電話などの所持品を渡すよう要求し、他の乗組員2名に対しても同様の犯行に及ぼうとした。機関誌1名が賊を発見し警報を作動させたことから、賊は奪った品々とともに小型ボートで逃走し、同船は予防策に従って抜錨し当海域を離れた。
      • 原文 May 23, 2020, Turkish Maritime(若林健一)
    • 【2】 インド政府が南シナ海の中国の攻勢に対し異例の強い批判を行う
      • 【2】5月21日、インド外務省は約2,200kmにわたり中国との間で争いが続く実行支配線(the Line of Actual Control)沿いの国境紛争地帯において、5月5日及び9日に両軍が衝突し負傷者が発生した件について中国を非難するとともに、中国が南シナ海において2つの行政区を新たに設定し地勢など80ヵ所を命名したことに対し、南シナ海は一国に属する海域ではなくインドは南シナ海における平和と安定による不変的利益を有するとし、国際法に従った航行及び飛行の自由並びに適法な商船の通航の保障を断固として支持すると述べた。インドが南シナ海の問題に関してこのように発言することは異例であり、中国との領土問題を結び付けて中国に対して警告を発していると見られる。インドはインドネシアやベトナムなど東南アジア諸国と経済的な結びつきも深く、南シナ海における中国の東南アジア諸国に対する行動はインドの国益にも影響を及ぼし始めており、また、インドは中国がインド洋においても同様の手口で海洋進出を図る狙いがあるとみて警戒している。
      • 原文 May 22, 2020, Radio Free Asia(若林健一)
    • 【3】 32℃以上の高温になると熱帯の森林のCO₂吸収能力が減少
      • 【3】気候変動モデルを作成するうえで、気温の上昇によって熱帯の森林によるCO₂吸収能力がどのような影響を受けるかは重要なポイントのひとつであるが、リーズ大学等の研究者達は、熱帯全域の590か所の森林で蓄積・放出されているCO₂の量を計測した研究成果を5月22日Science誌に発表した。計測結果によると、森林がCO₂を吸収する能力は日中の最高温度に大きく左右され、気温が異常に高いと森林の成長速度が減退し、気温の上昇と乾燥によって木が枯れることで、森林生態系にCO₂がとどまる時間は短縮されてしまう。こうした悪影響は、日中の気温が32℃以上になると始まり、気温が上昇すればするほど熱帯の森林のCO₂蓄積能力が減少することが分かった。長期的な気候変動適応策として、森林のCO₂蓄積能力を維持するためには、木材の伐採や森林火災などの直接的な損失を避けると同時に、温暖化の進行を緩やかなものとする必要がある。
      • 原文 May 22, 2020, Science(植木エミリ)
    • 【4】 インド洋MoUが2019年年次報告書を発表
      • 【4】インド洋MoUが2019年年次報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①1999年から2019年の期間中、PSC検査件数は年間4949件から5943件に増加した。②2019年に実施した検査総数5943件のうち、2852件で不具合が発見され、発見された不具合の総数は10960に上った。③232隻の船舶で重要な不具合が発見され拘束命令が出された。拘束率で見れば、2018年の4.42%から減少し3.9%となった。④1回の検査で発見された不具合の平均数は1.84と前年の2.07から減少した。⑤船種ごとの拘束率をみると、オフショアサービス船・重量物運搬船・一般貨物船の順に高かった。⑤旗国別の拘束率をみると、ギリシャ・アンティグアバーブーダ・パナマの順に高かった。⑥不具合数を種類別にみると、防火消防設備・航行安全設備・救命避難設備の順に多かった。
      • 原文 May, 2020, インド洋MoU(長谷部正道)
    • 【5】 コンゴ沖の錨泊地でコンテナ船に賊が乗船
      • 【5】5月25日、コンゴ民主共和国の沿岸から約3海里沖合のバナナ錨地に錨泊中の香港籍コンテナ船に1人の賊が侵入し甲板上でコンテナの固縛を解いているのを当直乗組員が発見し、警報を作動させたところ、賊は船外機付きの小型艇で逃走した。乗組員に被害はなく、船内の確認を行ったところ1つのコンテナのラッシングバーが外されていた他に異状は認められなかった。付近海域にて過去12カ月間で発生した事件は本件を含め2例のみとなっている。
      • 原文 May 25, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【6】 ベネズエラに向かっていたイランの最初のタンカーが無事到着
      • 【6】イランからガソリンを搭載しベネズエラに向かっている5隻のイラン籍タンカーのうち1隻が5月23日に米国からの干渉を受けることなくベネズエラの領海に入ったことが確認された。ベネズエラ外務省はこれを歓迎し、イランとベネズエラのこの難局において常に互いに支援を行っていると述べた。残り4隻のうち最後尾のタンカーは今回ベネズエラ領海に到達したタンカーから3.5日遅れの航程となっている。ベネズエラは世界有数の産油国であるが、過去20年にわたる製油能力の崩壊によりガソリンを輸入せざるを得ず、今回イランが輸送しているガソリンの量はベネズエラでの2乃至3週間の需要を満たすとみられている。イラン大統領は5月23日、米国が今回のイラン籍タンカーによる輸送に干渉しないよう警告し、仮にカリブ海などで米国がイラン籍タンカーに問題を生じさせた場合、米国も同様の報いを受けるだろうと述べている。米国はイラン籍タンカーに干渉するつもりはないことを発表しているが、トランプ政権はベネズエラのマデュロ政権に対する圧力を強めており、また、薬物の密輸阻止を理由に艦船をカリブ海に展開するなどしており、マデュロ政権はこれを直接の脅威と捉えている。
      • 原文 May 24, 2020, Time(若林健一)
    • 【7】 英国政府上級顧問が外出制限に違反したとして辞任要求の声が高まる
      • 【7】英国政府の上級顧問を務めるドミニク・カミングス氏が、外出制限措置が発令されたのちの3月下旬に約400キロ以上離れたイングランド北部の親族の家を家族とともに訪問していたとして、批判が高まっている。ジョンソン政権は、同紙の妻がコロナウィルスに感染したと疑われる症状を呈したため、子供を親族に預けるために仕方なく行動に出たもので、合法的で誠実な行動であったとして同氏を擁護しているが、各界からは、同氏が他の英国民に課せられる外出禁止措置を無視したことはコロナウィルス感染拡大を防ぐという努力を台無しにする行為であったとして辞任を求める声が高まっている。同氏は5月25日に記者会見を行い今回の件について釈明を行ったが、辞任を求める声は収まりそうになく、仮に同氏が辞任した場合ジョンソン政権にとっては大きな痛手になる。
        ※5/24の英国の感染者数:2,409人
        (日本29人の83倍、緊急事態解除基準47人の51倍)
        ※5/24の英国の死者数:118人(日本12人の10倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 May 25, 2020, Reuters(若林健一)
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