2020/05/15LROニュース(7)

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  • 2020.05.15 UP
    2020/05/15LROニュース(7)
    • 【1】IMEC: 旅行代理店と協力して船員交代のための航空便を手配
      • 【1】国際海事使用者委員会(IMEC)は、船員旅行手配に実績のあるマニラに運用拠点を持つ大手旅行代理店のGMTと連携して、海運各社が船員の交替のために必要な船員の旅行需要を取りまとめることにより、チャーター便の手配をはじめとする航空便の確保に取り組んでいる。GMTは既に航空定期便が再開されている路線や今後規制が緩和されて運航が再開されそうな路線の情報を収集し、一方で、複数の海運会社から寄せられた船員交代のための旅行需要を取りまとめて、航空会社と交渉して、ブロックで席を確保し、機材の大型化を求め、多人数の需要があればチャーター便もアレンジすることが可能となっている。今月の半ばまでに約15万人の船員の交替が必要とされているが、そのうち約4万人がフィリピン人船員と見込まれる。
      • 原文 May 13, 2020, Splash247(長谷部正道)
    • 【2】米大統領令による水産養殖免許の緩和は環境上問題
      • 【2】米国は、水産物に関しては国内生産より輸入の方が多く、2017年の実績で168億ドル(約1兆8千億円)の貿易赤字をもたらしているため、トランプ政権は連邦政府が管理する海域内での漁獲量と水産養殖生産量の増加を目指している。5月12日に公布された大統領令では、新たな水産養殖場の設置に関する許可手続きと環境影響評価を迅速化し、天然魚の漁獲可能量を増加させるため地域漁業協議会の手続きの簡素化も図っている。しかし、オバマ政権時代に連邦海洋政策について助言を与えていた国際戦略研究所(CSIS)の研究員は、本大統領令は環境保護の面で妥当とは言えず、議会承認を経るべき手続きを短絡化しているとして批判している。水産養殖業は世界中でブームになっているが、陸上に近い養殖場では、餌の過剰な供与による海の富栄養化や、天然魚に害を及ぼす寄生虫の蔓延が懸念されており、また沖合の養殖場では、気象海象条件が厳しく、囲いの損傷によって天然魚と養殖魚の交配が発生し、天然魚の存続を危うくさせる危険性が高いと指摘されている
      • 原文 May 11, 2020, Science(植木エミリ)
    • 【3】ECSA: 船員交代に関するIMOの枠組をEU全体として実施することを要請
      • 【3】欧州船主協会(ECSA)は欧州運輸労連(ETF)と共同で、EUの交通担当コミッショナーに対して、IMOが5月6日に公表した「コロナパンデミック中の船員の交替とそのための船員の移動の安全を担保するための手順の枠組」をEU全体として一斉に実施するよう欧州委員会が積極的にEU加盟国に働きかけることを求める書簡を5月13日送付した。欧州委員会の中でも、海上輸送・航空輸送・陸上輸送・健康・宿泊施設・警察・国境管理・査証・渉外問題といった船員の交替に関連する部門は分かれているため、加盟国における安全な船員交代を担保するためにはこうした関係機関の連携と調整された計画が必要となる。EUとして安全な船員交代に関する模範例を作り、対外行動局がEU加盟国の外交機関と連携して、EU域外の重要な拠点で、EU域内と同様な安全な船員交代が担保する必要があるとしている。
      • 原文 May 13, 2020, ECSA(長谷部正道)
    • 【4】ベナンのコトヌー沖でRo/Ro船が接近してきた海賊母船と小型艇を視認
      • 【4】5月14日、ベナンのコトヌー南方約106海里の海上を航行していたRo/Ro船が、2隻の小型艇を曳航している海賊母船と思われる小型の貨物船から接近されたことから、増速し難を逃れたとの報告があった。本件は小型艇を曳航し沖合を航行している点で、海賊母船の行動と共通する。地元の漁船も同様の行動をとることがあり区別が難しい場合もあるが、付近を航行するすべての船舶は厳重な警戒態勢を維持する必要がある。
      • 原文 May 14, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【5】CMA CGM:仏政府の保証を得て10.5億ユーロの資金調達
      • 【5】CMA CGMは、手持ち流動性の確保のため、仏政府から7割の債務保証を得て、BNP Paribas/HSBC/Societe Generaleからなる銀行団から10.5億ユーロ(約1210億円)を資金調達すると、5月13日発表した。同社は2020年上半期はコンテナ市場の需要が前年比約1割減少するとみている。マースクも同日、2020年第2四半期のコンテナ貨物量は対前年比最高1/4減少するという見通しを明らかにした。CMA CGMは、中国市場の急回復が見込まれることから、パンデミックの影響は限定的なものになるであろうと3月初めには、楽観視していた。
      • 原文 May 13, 2020, Reuters(長谷部正道)
    • 【6】露: 北極海北航路を東西に延長する「北方海上交通回廊」構想を提唱
      • 【6】露のTrutnev副首相が主催した北極海開発国家委員会で、北極海開発戦略(Arctic Development Strategy)の一環として、既存の北極海北航路(NSR)を西はバレンツ海まで、東はカムチャッカまで延伸する「北方海上交通回廊(Northern Sea Transport Corridor)」構想について協議された。同構想は既に運輸省・ロスアトム・外務省・ロシア極東/北極開発省の承認を得ている。現在のNSRは西はカラ海峡から東はベーリング海峡までとされているが、ソ連邦時代には、Glavsevmorputがムルマンスクからカムチャッカまでの間の航路を一括管理していた。
      • 原文 May 13, 2020, Port News(長谷部正道)
    • 【7】5月10日までの2週間でイングランドの400人に1人が感染との調査結果
      • 【7】英国政府の発表によると、5月14日時点の英国内の感染者数の累計は前日から3,446人(57人)増えて233,151人(16,079人)、前日からの死者数は428人(19人)で死者数の累計は33,614人(687人)となった。英国統計局がイングランドにおいて5月10日までの2週間、約5千世帯の1万1千人を対象に行った調査によると、このうち30世帯の33人にコロナウィルス感染が確認され、人口の約0.27%に当たる14万8千人(400人に1人)が当期間中に感染したことを示す結果となった。しかし、本調査は感染率が非常に高い病院やケアホームは対象としていない。また、感染が確認された30世帯では、他の世帯と比較し医療や福祉関係を職とする人を含む割合が数倍高いという結果も示している。今後、本調査は対象を英国全土に広げ、対象者数も2万5千人まで増やす予定。
        ※括弧の数値は厚生労働省発表による日本国内の5月14日時点の状況
      • 原文 May 14, 2020, BBC(若林健一)
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