2020/05/14LROニュース(7)

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  • 2020.05.14 UP
    2020/05/14LROニュース(7)
    • 【1】 英国船主協会:船員と海事労働者を入国制限の適用除外とするよう要請
      • 英国政府は、コロナウィルスの対策の緩和にあたり、現在は実施していない、英国に航空便で外国から到着する者(英国人も含む)に対する2週間の検疫隔離措置の導入を計画していることを発表した。英国船主協会は、上記対策を政府が作成するのにあたり、業界として参加し、政府から船員はこうした検疫措置の対象としないとの説明を受けているが、同協会としては、英国の海運業界は約20万人の労働者を雇用しており、食品・燃料・原材料・重要な医薬品等が引き続き英国に円滑に輸入されるためには、船員と海事労働者が上記検疫措置から適用除外されることが不可欠であり、適用除外措置に関し、一刻も早く政府が確認することを要求している。
      • 原文 May 10, 2020, 英国船主協会(長谷部正道)
    • 【2】 Paris MoU: 3か月以上の証書の有効期限の延長を容認
      • 5月8日、Paris MoUは、パンデミックの収束時期が見通せないことから、3月に作成されたガイダンスを見直して公表したところその概要は以下のとおり。①3月のガイドラインでは船舶の証明書の有効期限について3か月の延長を認めることとした。②このパンデミックがいつ収束し、いつ元の状態に戻るか予見するのは困難で、先に認めた証書の有効期限を3か月延長するだけでは足りない状況となった。③従って、ILOの船員労働条約(MLC)関係の証書も含めて、3か月以上の、appropriate and proportional grace periodを認容することとした。④コロナ対策としてどのような柔軟性を認めるかについては、USCGを始め世界のPSC機関が整合的な対応をとることが重要で、整合性の確保の観点から、プレスリリースで概要を発表するだけではなく、改訂ガイダンス自体を公表することとした。
      • 原文 May 8, 2020, Paris MoU(長谷部正道)
    • 【3】 UNEP:コロナウィルス経済不況にかかわらずCO₂濃度が過去最高に
      • コロナウィルスによるロックダウンの影響で、過去数週間局所的な大気汚染の改善が多数報告されているが、米国海洋大気庁(NOAA)の観測結果によると、2020年4月の大気中のCO₂の平均濃度は、1958年の観測開始以来最高となる416.21ppmを記録し、南極の氷の柱に含まれる過去のCO₂濃度と比較しても、過去80万年で最高の水準であることが判明した。国連環境計画(UNEP)によれば、大気中のCO₂濃度は観測を開始した1958年以降100ppm以上上昇しているだけでなく、今世紀に入ってから上昇の速度は明らかに加速している。ロックダウンによる制限で、車や飛行機の交通量や産業活動は確かに減ったものの、発電量の64%を化石燃料に依存する電気の消費量や、暖房に使用される化石燃料の量などは基本的には変わっていない。更に、ブラジル、ホンジュラス、ミヤンマー等における森林火災の増加によって、大量のCO₂が追加的に排出されている。したがって、コロナ経済復興対策の実施にあたっては、脱炭素化や再生可能エネルギー開発への投資を優先することにより、短期的な経済回復だけでなく、地球温暖化に対する長期的な抵抗力を増すことにつながる。
      • 原文 May 11, 2020, UNEP(植木エミリ)
    • 【4】 世界経済フォーラム:「効果的なエネルギー転換の促進2020」報告書
      • 世界経済フォーラムが5月13日、「効果的なエネルギー転換の促進2020」報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①本報告書では、世界115の国家等を対象に各国の経済成長・環境面での持続可能性・エネルギー安全保障などを基準に、安定かつ持続可能、妥当であり包括的なエネルギーシステムへの転換に向けた準備状況を表すものとしてエネルギー転換指標(ETI)を活用している。②2020年は、炭素課税制度、石炭火力発電所の寿命前の廃止、再生可能エネルギー源の統合といった様々な施策の段階的な導入により、対象となった国家等の3/4で環境面における持続可能性が向上した。③しかし、ETI上位10%の国家等におけるスコアは2015年以来向上しておらず、既存の政策・技術の段階的な実施だけでは環境に優しいエネルギーの転換に限界があり、早急に画期的な政策的手法が求められる。④国別のETIは、3年連続でスウェーデンが首位を記録し、スイス、フィンランドが続いた。G20で上位10位に入ったのは英国(7位)とフランス(8位)のみで、これら上位国は共通の政策として、エネルギーに対する国家助成金の削減、輸入依存度の削減(エネルギー安全保障の強化)、野心的なエネルギー転換・GHG削減目標の追求等を採用し奏功している。
      • 原文 May 13, 2020, 世界経済フォーラム(植木エミリ)
    • 【5】 コロナウィルスの影響でYara Birkelandの開発が中断
      • 世界最初の自律電動コンテナ船となることを目指して穀物生産企業のYaraとKongsbergが2017年から共同で開発してきたYara Birkeland号は、2020年2月にルーマニアの造船所で船体が完成し、5月にはノルウェーの造船所に回航されて、自律運航に必要な様々な操縦・運航システムを搭載する予定であったが、コロナウィルスの影響と国際的な経済情勢が変化したため、Yaraは当面Yara Birkeland号の開発を中断することを決定し、今後の計画についてはKongsberg等の提携企業と協議のうえ検討すると発表した。
      • 原文 May 12, 2020, Yara(長谷部正道)
    • 【6】 パリ協定の目標が達成されなければ今世紀末までに海面が1m以上上昇
      • シンガポールの南洋理工大学(NTU)は5月8日、同大学が主導し、香港・アイルランド・英・米・独の大学等と共同で研究した世界100以上の専門家の予測に基づく中長期的な世界の海面上昇の予測範囲を発表した。同研究では、GHGの排出量が多い場合、少ない場合のシナリオを想定しており、地球温暖化がパリ協定で定められた、世界の平均気温上昇を産業革命以前から2℃以内に抑えるという目標を達成した場合は、海面上昇は2100年までに0.5m、2300年までに0.5m~2mと推定された。一方、各国が十分な気候変動対策をとることに失敗し、地球温暖化が4.5℃進行した場合、海水位は2100年までに0.6m~1.3m、2300年までに1.7m~5.6m上昇すると推定され、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が既に発表している上昇予測範囲を超えていた。また海面上昇の最大の不確定要素であり、主たる原因となるグリーンランドと南極の表面の氷の融解速度は、衛星観測によると近年加速していることが確認されている。
      • 原文 May 8, 2020, NTU(植木エミリ)
    • 【7】 英国政府の緩和策、早くも社会的距離の確保が課題に
      • 英国政府の発表によると、5月12日時点の英国内の感染者数の累計は前日から3,242人(80人)増えて229,705人(16,024人)、前日からの死者数は494人(25人)で死者数の累計は33,186人(668人)となった。英国政府が発表した制限措置の緩和策の第一段階として、可能な限り公共交通機関の利用を避けることを条件に在宅勤務が困難な場合の通勤が認められたが、早くも地下鉄やバスにおいて社会的距離の確保が困難な状況となっている。また、政府は公共交通機関など閉鎖的な場所で口や鼻を覆う措置を求めているが、多くの通勤客がこの措置を実施していないとの声も聞かれ、新たな感染爆発に繋がりかねないと懸念されている。ロンドン交通局は朝の通勤時間帯の地下鉄及びバスを通常の7~8割運航としているが、13日朝の地下鉄利用者は前日から7%(5,674人)増加したとしており、通常の運航レベルに戻すべく努力しているが、多くの職員が病休や自主隔離の状態にある。また、政府は第二段階として、6月1日以降に小学校などを段階的に再開させる考えを示したが、対策が不十分であるとして時期の見直しを求める声も上がっている。
        ※括弧の数値は厚生労働省発表による日本国内の5月13日時点の状況
      • 原文 May 13, 2020, BBC(若林健一)
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