2020/05/11LROニュース(7)

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  • 2020.05.11 UP
    2020/05/11LROニュース(7)
    • 【1】 英国気候変動委員会提言:気候変動対策をコロナ復興対策の柱に
      • 【1】5月6日、政府から独立した委員会である英国気候変動委員会(Committee on Climate Change: CCC)の委員長が英国首相に宛てた書簡において、コロナ復興対策の柱としての気候変動対策について6つの勧告を行ったところその概要は以下のとおり。①景気回復・雇用対策として、CCCが既に発表し、英国全土に多くの雇用をもたらし経済的乗数効果も高い気候変動対策を活用すること。②在宅勤務やオンライン医療診断の普及などによって国民の生活の質や生産性の向上を図り、これに伴う通勤などの交通量の削減によってGHG排出量を削減するなど、長期的な生活様式への変更を促進する。③気候変動による破壊的なリスクや、無秩序な炭素中立社会への移行を避けるために、GHG排出量を削減し、気候変動に備えるための包括的な政府全体としての強い政策が必要。④既存の社会的不公正を廃止し、気候変動対策の恩恵が公平に享受され、コストも公平に分担されること。⑤コロナ復興対策によって、経済性が重視され、GHG排出量や気候変動に悪影響を与える事業活動が固定化されないこと。⑥汚染者負担の原則から、英国においても炭素課税制度を検討すべきであり、世界的な原油価格の下落は、国民に負担感を与えずに炭素課税制度を導入する好機である。
      • 原文 May 6, 2020, CCC(植木エミリ)
    • 【2】 EMSA(DNV GL): 舶用電池の技術・持続可能性・安全性に関する報告書
      • 【2】2018年に欧州海事安全庁(EMSA)が、船舶における蓄電システムの使用に関し、技術開発の現状・導入可能性・舶用電池の安全性に関する規制の在り方について、DNV GLに調査を依頼し、このほど報告書が完成し公表されたところ報告書本文は以下のリンクを参照。
      • 原文 May 6, 2020, EMSA(長谷部正道)
    • 【3】 船舶燃料供給バージにも乗務員交代制限の問題
      • 【3】コロナウィルス対策による船員の移動・交代の制約の問題は、外航船舶のみならず、港湾における船舶燃料供給バージでも同じ問題が発生している。いくつかの港湾における燃料供給バージの乗組員の大半は外国人船員で、通常1-3か月の契約期間で就労しているが、契約期間終了後も外国人船員はバージから下船してはならないと港湾管理者から命じられ、帰国できずに、半年近くバージから下船できない船員も出てきており、こうした船員の士気が落ちている。こうした船員が病気にかかり、負傷した場合の医療体制の確保を含め船員の精神面・物理的な福祉の問題が大きな懸念材料になっている。
      • 原文 May 6, 2020, IBIA(長谷部正道)
    • 【4】 SEA Europe: 欧州委員会に対しEU海事基金の創設を提案
      • 【4】欧州水上技術プラットフォーム(European Waterborne Technology Platform)は戦略的研究課題(Strategic Research Agenda: SRA)として、2050年までに炭素を排出しない水上交通を実現するために、2030年までにすべての主要な船種に適用できる炭素を排出しない技術を提示することとしている。 2019年12月に欧州委員会が発表したEuropean Union Green Deal (EUGD)に掲げる野心的な目標も、基本的に上記SRAと矛盾しないとことから、欧州の造船業・舶用工業の業界団体であるSEA Europeは基本的にEUGDを支持することを表明している。EUGDは2050年までに気候(炭素)中立を目指し、水上交通についても炭素を排出しない交通への転換を促す市場経済措置として、EU排出権取引制度(ETS)の対象とすることを提案している。SEA Europeは水上交通をETSの対象とする代わりに、船舶の環境技術開発を動機づけ、持続可能な代替船舶燃料を開発することなどを目的としたEU海事基金(Maritime Fund)の創設を5月6日提案した。併せて、SEA Europeは、革新的な環境に良い技術(LNG関連技術のこと)を抑制せず、水上交通に速やかに代替燃料を導入することを促進するためにも、気候中立を目指すための技術・代替燃料の選択に当たっては、特定の技術・燃料にこだわらない中立的な立場をとるように欧州委員会に要請した。
      • 原文 May 6, 2020, SEA Europe(長谷部正道)
    • 【5】 欧州委員会:再生可能エネルギー開発のための新たな資金調達方法
      • 【5】EU加盟国が協力して、再生可能エネルギー比率を向上させるための新たな資金調達制度に関する規則案を、欧州委員会は5月6日発表し、4週間のパプコメ手続きに入ったところその概要は以下のとおり。①EU加盟国は、既に2020年までに達成すべき全エネルギーに占める各国の再生可能エネルギー比率について約束しているが、さらに2030年までに達成すべき自主的な再生可能エネルギー比率目標についても合意している。②加盟国はこうした目標達成のために、基本的には自国内で再生可能エネルギー発電施設を建設するが、改正された再生可能エネルギー指令に従い、統計的な移行と共同事業という二つの方法を通じ、他の加盟国で実施された再生可能エネルギー事業の実績を自国の目標達成のための実績として組み入れることができる。③欧州委員会が今回提案するEU全体としての新たな資金調達制度は、他の加盟国において再生可能エネルギー開発事業を実施する3番目の選択肢を提案するもの。④今回提案された制度は、「貢献国」が自主的に新制度に資金を拠出し、再生可能エネルギー事業を実施する「ホスト国」における事業資金として使用される。⑤自国内の事業だけでは、設定した再生可能エネルギー比率の達成が難しい貢献国にとっては、目標達成が促進され、さらに、自国内で実施するより安いコストで再生可能エネルギーを増やせるというメリットがある。⑥ホスト国にとっては、自国内の再生可能エネルギー事業の実施のための資金を得られるだけではなく、事業実施に伴う雇用の創出や、エネルギー関連のGHG排出量の削減、大気汚染の改善、発電システムの近代化などのメリットを受けることができる。
      • 原文 May 6, 2020, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【6】 California州が飲用水中のマイクロプラスチックに関する試験研究へ
      • 【6】飲用水の中に含まれるマイクロプラスチックは2017年に初めて発見され、現状では飲用水の中に含まれるマイクロプラスチックを検査するための標準的な方法も確立されておらず、飲用水中のマイクロプラスチックが人体に与える影響に関する直接的な研究も、飲用水中に含まれるマイクロプラスチックの最大許容量に関する基準も現存しないが、NY州立大学の研究者達が世界中の飲用水をサンプリング調査した結果では、全検体の83%からマイクロプラスチックが発見された。こうした状況を受けて、カリフォルニア州は2018年に「加州飲用水条例」の規制対象にマイクロプラスチックを追加し、加州水源管理委員会に「飲用水中に含まれるマイクロプラスチック」の定義を2020年7月1日までに作成し、さらに2021年7月1日までに、飲用水中に含まれるマイクロプラスチックの量を検査する方法を定め、4年間にわたり実施する飲用水中のマイクロプラスチックに関する試験研究方法や結果の公表方法について定め、州内の研究機関に試験研究を委託することを定めている。
      • 原文 May 6, 2020, Hunton Andrews Kurth(長谷部正道)
    • 【7】ジョンソン首相が制限措置の一部緩和を発表
      • 【7】5月10日、英国首相は現在の制限措置の一部緩和を発表し、5月11日から可能な限り公共交通機関の利用を避けることなどを要件に在宅勤務が困難な者の通勤を認め、13日から運動を目的とする外出に関する制限などを一部緩和するとした。また、早ければ6月1日以降に段階的に商店や小学校を再開させ、7月1日以降に一部の接客業や公共施設を再開させたい考えも示した。一方で、制限に違反した場合の罰金を引上げ、航空機で入国する者に対する隔離措置を導入する予定であることも明らかにした。また、イングランドでの感染の危険レベルを緑色から赤色までの5段階で評価する仕組みを導入するとして、現状はレベル4で、3に向かって改善している状況にあると述べた。ジョンソン首相は10日、これまでの「Stay at home(家にいよう)」から「Stay alert(引き続き警戒しよう)」にスローガンを変更したことを明らかにしているが、スコットランド、ウェールズ及び北アイルランドは曖昧な表現であるとして変更を避けている。5月10日時点で英国のコロナウィルスによる1日の死者数は269人(13人)で、死者数の累計は31,855人(613人)となっている。
        ※括弧の数値は厚生労働省発表による日本国内の5月10日時点の状況
      • 原文 May 10, 2020, BBC(若林健一)
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