2020/03/26LROニュース(7)

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  • 2020.03.27 UP
    2020/03/26LROニュース(7)
    • 【1】 ナイジェリア沖でばら積み船が海賊に襲撃される
      • 【1】3月25日午前10時5分ころ、ナイジェリアのブラッスから南西約79海里の海上を航行していたギリシャ籍ばら積船が海賊に襲撃された。英仏海軍が運用するMDAT-GoG (Marine Domain Awareness for Trade – Gulf of Guinea)の報告によると、7人の賊を乗せた高速小型艇が付近で目撃されている。付近海域では同種事案が多発しており、ナイジェリア沖のアグバミ石油施設から60海里以内の海域においては、2018年の同種事案の発生件数は0件であったのに対し、2019年には5件に増加している。
      • 原文 March 25, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【2】 コロナウィルス:ICSとIAPHがG20首脳に国際海上輸送の維持を要請
      • 【2】3月20日、国際海運会議所(ICS)と国際港湾協会(IAPH)は共同でG20首脳に公開書簡を送り、コロナウィルス対策の検討にあたり、国際海上輸送の維持を念頭に置くことを求めたところその概要は以下のとおり。①必要不可欠な医薬品・スーパーマーケットで販売されている多くの製品・製造業において雇用を維持するために必要な部品をはじめとする国際的に取引されている食料・燃料・原料等の輸送の約9割が国際海上輸送に依存している。②コロナウィルスによる国際的な危機にあたり、国際的な供給網や海上輸送を維持することはより一層重要で、G20首脳がIMO/WHO等の関係国際機関と連携して、海上輸送の維持のために、世界各国が整合的な措置をとることを主導することが極めて重要である。③したがって、G20首脳がコロナウィルス対策を協議するにあたって、できれば共同宣言等の中に、国際海上輸送の重要性と維持の必要性について触れてほしい。
      • 原文 March 20, 2020, ICS(長谷部正道)
    • 【3】 コロナウィルス:アジア=欧州航路等でコンテナ船欠航の第2波到来
      • 【3】コロナウィルスによる都市閉鎖が中国から欧米に拡大し、消費需要が大幅に減退したため、アジア=欧州間航路と太平洋航路においてコンテナ船社は新たな欠航の波に直面している。具体的には、3月24日、2Mを構成するマースクとMSCはそれぞれ来週中国を出発して北部欧州に向かう1便と地中海に向かう1便の欠航を決定した。他のアライアンスも同様の欠航を検討している模様。コンテナ海運各社は中国でコロナウィルスが大爆発した時と同様に、供給過多とそれに伴う運賃の暴落を避けるため、欧米市場の需要減に対しても、欠航などの手法を通じて、慎重に対処していく見込み。欧米における消費需要の閉塞により、新たな発注が途絶えることにより、5月以降の海上輸送の予約に大きな影響が出る見込み。中国におけるコンテナウィルスの蔓延で滞貨していた貨物の輸送が続いているが、欧米の小売事業者は、店舗の休業により新たな商品の入荷の必要性がなくなったため、キャンセルできる注文は可能な限りキャンセルしており、これに伴いコンテナ輸送のキャンセルも急増している。
      • 原文 March 25, 2020, The Loadstar(長谷部正道)
    • 【4】 コロナウィルス:インド全土の3週間の閉鎖で海運・港湾活動が大混乱
      • 【4】2018年のインドの全港湾の貨物取扱額は世界で13位の8290億ドルであるとともに、インドは世界第3位の原油輸入国、第4位のLNG輸入国、石炭とパーム油についても主要輸入国、砂糖については輸出国であるが、モディ首相によって発表されたインド全土の3週間の封鎖によって、港湾・海運・貿易活動がどれだけ維持されるか貿易事業者や船舶代理店は必死に影響を探っている。インド海運省は、3月24日にすべての港湾・ターミナル管理者に対して、パンデミックが、契約履行義務を免責する「不可抗力(force majeure)」に該当するとの見解を示しており、いくつかの港湾・ターミナル管理者は、可能な限り港湾の運用を維持するとしつつも、不可抗力の援用を表明している。インド国内で10の港湾・ターミナルを運営するアダニグループは3月22日付で不可抗力の援用を表明し、閉鎖期間中も港湾・ターミナルの運営は継続するものの、船舶の運航の遅延に伴う一切の民事賠償責任を負わないと表明している。
      • 原文 March 25, 2020, gCaptain(長谷部正道)
    • 【5】 北極海の2020年冬季最大面積が2013年以来最大の面積に
      • 【5】NASAの衛生観測によると、北極海の海氷面積は3月5日、2020年冬季の最大面積に達し、2013年以来最大の面積となる1505万㎢を記録した。北極海の環境は、天候や海流の影響によって毎年大きく変動しているが、2019年から2020年の冬は、強い成層圏の極渦(polar vortex)が北極上空に留まり続け、北極圏に冷たい空気を封じ込めた結果、海氷の拡張を促進した。しかし1981から2010年の最大海氷面積の平均値と比較すると、依然として59㎢下回っていた。一方南極大陸周辺の海氷は、2月20日から21日にかけて2020年夏季の最小海氷面積に達し、269万㎢を記録した。南極の海氷は近年回復傾向にあるものの、こちらも依然として1981から2010年までの平均最小海氷面積には達していない。
      • 原文 March 25, 2020, NASA(植木エミリ)
    • 【6】 ベナン沖合で不審船が接近
      • 【6】3月26日午前8時20分、ベナンのコトヌー南方約22海里のコトヌー錨地付近を航行していた貨物船から、4人から5人の賊が乗った小型艇が約0.2海里の距離まで接近しているとの報告があった。同船は厳重な警戒態勢をとり24時間の監視体制を敷いていた。2020年に入りコトヌー南方海域では2件の賊による乗り込み事案及び1件の船員誘拐事案が発生しており、直近の事案は5人から6人の賊による乗り込み事案が、3月5日に今回の事案発生海域から南方23海里で発生している。2019年のコトヌー錨地付近での事案発生件数は2件のみで、多くは沿岸から50から80海里離れた沖合で発生している。
      • 原文 March 26, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【7】 ロンドンの病院が津波のごとく増加する感染者への対応に苦慮
      • 【7】ロンドンにある病院では、英国国内での感染者のおよそ3分の1がロンドンで発生していること、また、医療スタッフの3割から4割、場所によっては5割が感染や自主隔離などの理由で欠員となっていることも相まって、津波のごとく急増する感染者への対応に苦慮している。専門家によれば感染のピークは2週間から3週間後に到来するとされる中、重傷者の数の増加により集中治療用の病床が不足し始めており、これに対応するため、臨時収容施設の増設、既に引退した医療従事者の現場復帰などにより準備を進めているが、医療従事者用のマスク、手袋等の不足も懸念されている。
      • 原文 March 25, 2020, BBC(若林健一)
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