2020/01/22LROニュース(6)

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  • 2020.01.23 UP
    2020/01/22LROニュース(6)
    • 【1】 韓国が船舶の自主的な速度制限と硫黄排出規制海域を導入
      • 【1】 韓国政府は、船舶からの大気汚染を削減するために、「港湾周辺における大気汚染改善特別法」を制定し、船舶の自主的な速度制限と排出規制海域(ECA)を導入する。自主的な船舶の速度制限制度は、2019年12月から導入され、釜山・蔚山・麗水・光陽・仁川の5港の灯台から半径20海里の海域を船舶速度削減計画海域に指定し、同海域内で船舶の速度を10ノット以下(コンテナ船は12ノット以下)に自主的に減速した船舶に対し、港湾出入港料金を減額する。また、2020年9月1日以降は、仁川・平沢・唐津・麗水・光陽・釜山・蔚山の各港湾に入港する船舶は着岸・錨泊中は硫黄分濃度0.1%以下の燃料油を使用しなくてはならない。規制適合油への変更は到着後1時間以内に、規制不適合油への変更は出発前1時間以内に実施しなくてはならない。2022年1月1日以降は上記港湾周辺海域をECAに指定し、着岸・錨泊時のみならず、硫黄分0.1%以下の燃料油の使用を義務付ける。
      • 原文 January 7, 2020, North England P&I(長谷部正道)
    • 【2】 洋上風力発電事業者によって「海洋再生可能エネルギー行動連合」が結成
      • 【2】 持続可能な海洋経済に関するハイレベルパネルは2019年9月に海洋における気候変動対策の推進を求める声明を発表したが、エルステッドとエクイノールの2社を中心として、洋上風力発電に関連企業が集まって、洋上風力発電・浮体式太陽光発電・潮力発電・波力発電などの海洋再生可能エネルギーの開発を推進するため、海洋再生可能エネルギー連合が結成された。持続可能な海洋経済に関するハイレベルパネルが発表した報告書によれば、世界の気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃以内に抑制するというパリ協定の目標を達成するのに必要なGHGの削減量の1割を海洋再生可能エネルギーによって削減できるとしている。行動連合は、金融機関や政府と連携して洋上風力発電の拡大を図るための2050年までの見通しを作成し、2020年6月にリスボンで開催される国連海洋会議で発表する予定。
      • 原文 January 13, 2020, Equinor(長谷部正道)
    • 【3】 パナマ運河庁が水源の干ばつのため通航予約船舶数を2月から削減
      • 【3】 干ばつによりパナマ運河の主たる水供給源であるガトゥン湖の水位が歴史的なレベルまで低下したため、パナマ運河庁は2月15日から以下の新措置をとると1月13日発表した。①船長125フィート以上の全ての船舶に対し、ガトゥン湖の水位に応じて増減するfreshwater surchargeの導入。②一日あたりの運河通航予約数を27隻に削減。③Vessel Visit Creation Fee (ETA取扱手数料)の導入。
      • 原文 January 13, 2020, Panama Canal Authority(長谷部正道)
    • 【4】 ICC-IMB: 2019年海賊・武装強盗年次報告書を発表
      • 【4】 国際商工会議所国際海事局(ICC-IMB)が2019年海賊・武装強盗年次報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①2019年中にIMBの海賊報告センターは海賊事件と武装強盗事件併せて162件(対前年比39件減少)の報告を受けた。②4隻の船舶がハイジャックされ、11隻の船上で銃撃があり、130隻の船舶に賊が乗船し、17件の未遂事件があった。③全体の事件数は減少したものの、ギニア湾をはじめいくつかの海域では危険が継続している。④ギニア湾で誘拐された船員数は121人(対前年比43人増加)で、同年中に世界で誘拐された船員数の9割を占め、特に第4四半期は誘拐事件が激増して、6隻の事件で合計64人の船員が誘拐された。⑤2019年中に世界で船舶がハイジャックされた事件の全てと、船上で銃撃があった総事件数11件のうち10件がギニア湾で発生している。
      • 原文 January 13, 2020, ICC IMB(長谷部正道)
    • 【5】 ナトゥナ諸島をめぐるインドネシアと中国の緊張関係
      • 【5】 インドネシア政府は1月1日から中国向けのニッケル鉱石の輸出を禁止し、輸出禁止を担保するために、スラウェシ島北部の海域に海軍の艦艇を増派したが、中国はスラウェシ島東部海岸に既に大規模なニッケル鉱石加工施設を建設しており、輸出禁止が発効する直前の昨年の年末には多くのニッケル鉱石が中国向けに輸出された。ウィドド大統領は1月8日にナトゥナ諸島最大の島を訪問したが、その直後にインドネシアのEEZ内に深く侵入していた3隻の中国海警局の巡視船3隻と多数の中国漁船はいったんEEZ内から退去した。しかし、中国側は同海域を中国漁船にとっての「伝統的な漁場」であると主張し、1月11日には中国のコルベット艦が再度同海域に侵入しているのが確認され、インドネシア海軍は1900トン級の巡視船と数隻の艦艇と4機のF16戦闘機を同海域に出動させた。
      • 原文 January 15, 2020, Asia Times(長谷部正道)
    • 【6】 北極海の海底から放出されるメタンガスの量が冬季は減少
      • 【6】 北極圏の海中堆積物におけるガス水和物の中に閉じ込められている大量のメタンガスは、底層水の温暖化によりその放出を促進されると考えられている。通常、北極海での観測は海氷の少ない夏季に行われており、季節的な水温の変動によるメタンガス放出活動への影響については未だ解明されていなかった。ところが、スヴァールバル諸島沖にて水温の寒い時期(5月)と温かい時期(8月)のメタンガス放出量を比較した調査によると、海底が冷たい時期の放出量は温かい時期と比較すると43%少なく、放出活動の滞る冬季に溜め込まれたメタンガスは夏季に放出されている可能性が明らかとなった。季節的な海底温度の変動は北極海では一般的であり、寒い時期におけるメタンガス放出活動のいわば冬眠状態が判明したことにより、夏季の観測のみに基づいた従来の放出予測量は過大なものであったことが明らかとなった。
      • 原文 January 13, 2020, Nature(植木エミリ)
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