2020/01/20LROニュース(6)

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  • 2020.01.21 UP
    2020/01/20LROニュース(6)
    • 【1】 韓国が米国主導の湾岸有志連合への参加を再検討か?
      • 【1】 韓国はホルムズ海峡周辺を警備する米国政府主導の有志国連合であるOperation Sentinelの正式メンバーではないが、ソマリア周辺の海賊対策に派遣されている駆逐艦1隻を実質的に有志連合軍の作戦に参加させることを昨年7月に約束していたが、実際には実現していなかった。しかし、米国とイランと間の緊張関係が高まる中で、韓国政府関係者は今後の事態の推移に着目し、状況によっては有志連合軍への参加について再検討する可能性があると語った。
      • 原文 January 6, 2020, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【2】 USCG: 中国海警局が違法漁業の取締りにより積極的に取り組むことを期待
      • 【2】 1月7日、USCGの海将が米国戦略問題研究所(CSIS)で中国海警備局による違法漁業の取締りについて語ったところその概要は以下のとおり。①東南アジア諸国にとって、違法漁業の脅威は自国で管理することが最も難しい課題の一つである。②中国は世界で最も多くの遠洋漁船を保有する国家であり、台湾は2番目だが、昨今は漁業が国力を示す手段として利用されている。③世界の漁獲量の2割は違法漁業によるものであり、オセアニア諸国は違法漁業取締に関する国内法・国際協定を適用するための国際的な支援を必要としている。④中国は米国を含む6か国とともに北太平洋海上保安機関フォーラムの加盟国であり、違法漁業・麻薬取引の取締、北太平洋における海上保安と海上安全の担保を分担している。⑤USCGは関係国や個々の漁船が国際規則に従って漁獲することを積極的に担保しているが、中国海警局がUSCGと同規模の勢力を持つことを踏まえると、中国海警局が違法漁業の取締に、より積極的に取り組むことを期待する。
      • 原文 January 7, 2020, USNI News(長谷部正道)
    • 【3】 DNV GL: 舶用電池の安全性に関する報告書を発表
      • 【3】 船舶のエネルギー源として電池を使用することは、環境面やコストの面で優れているが、DNV GLはノルウェー・デンマーク・米国の海事当局、電池・消火装置製造事業者、造船業界、船主と協力して、舶用電池の安全性に関する報告書を作成し、1月7日発表した。報告書では舶用電池の爆発と火災に関するリスクと、火災事故発生時の消火装置の有効性について検討し、安全基準の改善のために必要な検討を行った。電池から発生するガスによりって、非常に高温の火災や爆発事故を起こす恐れがあり、ガスの蓄積を予防するための換気システムが事故防止に有効であることが分かった。
      • 原文 January 7, 2020, DNV GL(長谷部正道)
    • 【4】 プラスチック製包装材の使用禁止は環境に悪影響?
      • 【4】 英国のシンクタンクのGreen Allianceがプラスチック包装材の使用禁止が環境に与える影響について報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①小売店において、プラスチック製の包装材の使用を禁止すべきだとする消費者からの圧力の結果、他の素材の包装材の使用に切り替えた場合、環境面でかえって悪影響が出る可能性がある。②例えば、プラスチック製のボトルをガラス製のボトルに切り替えれば、重量が大幅に増加するので、製品輸送時に発生する二酸化炭素も大幅に増える。③プラスチック製のレジ袋を紙袋に切り替えた場合、袋が製造されて廃棄されるまでに発生する二酸化炭素の量は紙袋の方が多いうえに、プラスチック製のレジ袋に比べて再利用しにくい。③英国内のいくつかのスーパーのチェーンは、飲料の販売のため、リサイクルが可能な表面がコーティングされた紙製の容器を使用するようになってきているが、英国内における表面がコーティングされた紙をリサイクルする能力は、製造量全体の1/3に過ぎない。④そもそもプラスチック製のレジ袋が発明されたのは、紙の原料となる森林の伐採を防ぐためであった。⑤生分解性や肥料化できるとされている包装材の多くは、肥料化のための特別な装置を使って初めて肥料化できることが多く、完全には分解されないものも多い。
      • 原文 January 9, 2020, Green Alliance(長谷部正道)
    • 【5】 欧州における石炭火力発電中止の検討状況
      • 【5】 石炭を燃やすことにより、多くのGHGが排出されるだけでなく、有害な水銀を大気中にまき散らす主要原因となっている。国際的に石炭火力発電の有害性に関する認識が高まり、石炭火力発電の経済的優位性も減少する中で、石炭火力発電の時代は終わりつつあり、欧州ではすでに15か国が石炭火力発電の段階的廃止を決定している。2019年の春には、欧州議会は2030年までに石炭火力発電を廃止することに合意し、OECDにおいても同様な合意がなされている。しかし、石炭使用量が多く欧州諸国の中で最大のGHG排出国である独は上記合意より8年も遅れた2038年までに石炭火力発電を廃止することとしている。もし、独が石炭火力発電停止の緊急性に対応できなければ、ブルガリア・クロアチア・ポーランド・スロベニアなどの諸国が石炭火力発電停止の検討すら未だ開始していないように、欧州内の多くの諸国に悪影響を与えることになる。
      • 原文 December 20, 2019, META EEB(長谷部正道)
    • 【6】 北極海北航路の不使用を宣言する企業数が増加
      • 【6】 2019年には、夏季における北極海の最小海氷面積が史上2番目に小さい415万㎢まで縮小し、溶けずに残った海氷も40年前と比べると厚さが半分以下となり簡単に溶けやすくなっている。このような状況を踏まえて、2019年10月には、環境NGOのOcean ConservancyとNike等の世界的な小売企業とCMA CGMなどの主要コンテナ海運企業がArctic Corporate Shipping Pledge(ACSP)に署名し、海運会社は北極海北航路(NSR)の航行を自粛し、大手小売企業はNSR経由の商品輸送の自粛に合意した。2020年に入り、ラルフローレン・PUMAなど新たに8企業がACSPに署名した。Ocean Conservancyはさらに北極海における重油燃料の使用と輸送の禁止、船舶による海中騒音の削減、船舶からの雑排水の規制など北極海におけるより良い規制・慣行づくりに取り組んでいる。
      • 原文 January 7, 2020, Ocean Conservancy(長谷部正道)
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