2019/12/27LROニュース(6)

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  • 2020.01.06 UP
    2019/12/27LROニュース(6)
    • 【1】 ミヤンマー海軍が軍事力を増強
      • 【1】長い海岸線と広大な排他的経済水域を有するミャンマーにとって、石油、ガス等の地下資源や漁業資源を保護し、薬物や人身売買などの犯罪に対処するための洋上における対応能力の向上は急務である。ミャンマー政府は、国内初の潜水艦としてロシア製のキロ型潜水艦をインドから購入し、インドの海軍基地を拠点に乗組員の訓練を実施しており、12月24日に正式に引き渡しが行われる。ミャンマー政府はさらに2隻のキロ型潜水艦をロシアから購入すると見られ、これらの潜水艦はダウェイ港から近いアンダマン海に面した基地に配備されるとみられる。ミャンマーと敵対関係にあるバングラディッシュも中国から購入した035型潜水艦2隻を2017年3月に就役させ、中国の支援を受けて潜水艦基地を新たに設けるなど、隣国の動きを踏まえればミャンマーの動きは時期尚早ではない。さらに、ミャンマーは現有する3,000トンの旗艦であるミサイル巡洋艦に比べはるかに大きい11,300トンの強襲揚陸艦を調達し、同艦は韓国の釜山で建造され今年7月に進水して現在は海上試運転が行われている。同艦は武装車両15両及び兵員250名を輸送可能であり、災害対応や人道的支援活動だけでなく沖合での救助活動にも従事することが期待されている。
      • 原文 December 23, 2019, Asia Times(若林健一)
    • 【2】 露の浮体式原子炉が極東で発電を開始
      • 【2】12月19日、ロシア国営原子力企業のロスアトムは浮体式原子炉がロシア極東のチュクチ自治管区のペヴェク港で発電を開始したと発表した。同浮体式原子力発電炉は8月にムルマンスク港を出港し、35MKWの発電力を持つ2基の原子炉を持ち、チュクチ自治管区の重要な発電源となる見込み。ロシアはこの浮体式原子炉を世界初としているが、米国でも1960年代に船舶を改装して、浮体式原子力発電炉を開発したことがある。ロスアトムはこうした浮体式原子力発電設備は、遠隔地や島嶼国のように安定的でグリーンなエネルギ源が必要な地域に適しており、既に北アフリカ・中東・南アジア諸国から引き合いが来ているとしている。ロスアトムは既に次世代の浮体式原子力発電施設を開発中で、開発後は輸出を前提に継続的に複数建造する予定であると発表している。
      • 原文 December 20, 2019, CNBC(長谷部正道)
    • 【3】 豪海上保安庁:2019年の回顧
      • 【3】豪海上保安庁は2019年の活動概要を公表したがその概要は以下の通り。①2019年は10,292件の事故情報に対応し、234名の救助に成功した。②航空機による捜索救助活動は192回で飛行時間にして850時間に及びレスキューブイなど41個の物件を投下した。③PSC(Port State Control)のための立入検査を1937件実施し、94隻の船舶の航行を差し止め、2隻船舶の入港を禁止とした。④豪籍の内航船が関与した事故件数は1,202件、外国籍船等が関与した事故件数は3,312件であった。⑤灯台の整備のために2,500リットルの塗料を使用し、50個の灯火を交換した。また、灯台や航路標識などを300カ所回り、2300件に及ぶ補修作業を実施した。⑥2019年は50,000件を超える遭難信号発信器の登録があり、豪における登録数の合計は627,480件に及んだ。
      • 原文 December 20, 2019, AMSA(若林健一)
    • 【4】 米政権:洋上石油ガス開発と風力発電事業のためにJohns Actを緩和
      • 【4】米国税関国境警備局(CBP)は洋上石油ガス開発事業者と洋上風力発電事業者のために、Jones Actの解釈を大幅に変更する提案を10月23日に発表し、さらに、Johns Actの実施に関するこれまでの通達の多くを廃止すると決定したと報じられているが、この結果、洋上産業のための同法の抜け穴ができることになる。こうした政府の動きに対し、洋上海事サービス協会は、米国籍船と米国人船員の仕事を奪うものであると反発しているし、議会の50人を以上の議員が超党派で、国土安全保障省と大統領府に対して、CBPの提案は、Johns Actを擁護する議会の意思に反すると抗議文書を送っている。今回の提案は、トランプ政権になってから4回目のJohns Actの規制緩和の試みである。
      • 原文 December 23, 2019, AJOT(長谷部正道)
    • 【5】 ReCAAP: 週間海賊報告(12月17日から23日報告分)
      • 【5】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)に、12月17日から23日まで通報された事件は、重要度2(賊は武装し、乗組員も負傷)の武装強盗事件が2件、重要度3(賊は武装するも、乗組員の負傷なし)の武装強盗事件が2件、重要度4(賊は武装せず、乗組員の負傷なし)の武装強盗事件が1件であったが、その概要は以下のとおり。①12月20日午後11時25分ころ、シンガポール海峡の東航レーンを航行中のタンカーに刃物で武装した6人の賊が乗り込み、四等機関士の顔を殴って機関長の首にけがを負わせたうえネックレスを奪って逃走した。②12月20日午後11時38分ころ、シンガポール海峡の東航レーンを航行中の貨物船の機関室内で武装した5人の賊が目撃され、警報が作動した直後に3名の乗組員が賊と対峙した。賊は主機及び発電機の予備品を盗み、白い小型艇で逃走した。③12月21日午前5時32分ころ、シンガポール海峡の東航レーンを航行中の貨物船に複数の賊が乗り込んだが、何も盗らずに逃走し乗組員にも被害はなかった。④12月23日午前0時12分ころ、シンガポール海峡の東航レーンを航行中のタンカーの機関室内で、機関長と当直機関士が3人の賊を発見した。賊のうち1人は刃物で武装していたが、警報が作動したことから何も盗らずに逃走した。船内を確認したところ、2名の機関員が縛られているのが発見されたが、けがはなかった。⑤12月23日午前1時54分ころ、シンガポール海峡の東航レーンを航行中の貨物船の機関室で6人の賊が目撃された。2名の乗組員が機関室内で縛られたが、警報が作動したことから賊は何も盗らずに逃走し、乗組員にもけがはなかった。
      • 原文 December 24, 2019, ReCAAP(若林健一)
    • 【6】 Standard Club: 各国におけるIMO 2020準備状況を調査
      • 【6】Standard Clubはブラジル・中国・デンマーク・ノルウェー・スペイン・スウェーデンの現地代理店に対して、IMO 2020の準備状況について以下の質問を行った。①規制適合油の供給体制ができているか?②規制違反を取り締まる権限がある政府機関はどこか?③規制違反が発見された場合の、罰金額はどのくらいか?④規制違反に対して刑事訴追の可能性はあるか?⑤規制違反が発覚した場合、船舶は出港禁止命令を受ける可能性はあるか?その場合、P&Iクラブが発効する保証状(Letter of Understanding: LOU)は役に立つか?⑥違反金に対して異議申し立ては出来るか?⑦規制不適合油を積載している船舶はどのような緊急措置をとれるか?以上の質問に対する各国の代理店からの回答は以下のリンクを参照。
      • 原文 December 18, Standard Club(長谷部正道)
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