2019/12/23LROニュース(6)

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  • 2019.12.24 UP
    2019/12/23LROニュース(6)
    • 【1】 中国が南シナ海での偶発的衝突に備えて演習を強化
      • 【1】南シナ海での航行の自由作戦(Freedom Of Navigation Operations)に対する豪や加などの同盟国の参加を呼びかけるなど、米国が南シナ海における中国の主権主張に対して攻勢を強めるなか、中国人民解放軍(China’s People’s Liberation Army:PLA)は、南シナ海の上空において、これまでで最長期間となる早期警戒訓練を実施した。訓練では、異なる十種類以上の敵の信号の識別や、機体間での連携の調整などが行われ、PLAはSouth China Morning Postの取材に対し、昨年は早期警戒偵察訓練を実施したが、今回の訓練は開始時から戦闘モードで、より長期間にわたって実施され、特に夜間訓練に重点を置いて行われたと説明した。また、米軍は、空からの核抑止力の中核を担うB-52戦略爆撃機を含む強力な航空機を南シナ海の上空で飛行させるなどしているが、中国のGlobal Timesは先月、J-20型ステルス戦闘機のほか、Y-20型大型輸送機、Z-20型などの多目的ヘリコプター、H-20型ステルス爆撃機など、所謂20型シリーズを含め、中国人民解放軍空軍の急速な成長について報じており、また、中国人民解放軍空軍は大型レーダーアンテナを備えたKJ-500型やKJ-2000型の早期警戒管制機を新たに導入し、早期警戒機団を編成する動きを見せている。
      • 原文 December 17, 2019, Sputnik News(若林健一)
    • 【2】 UNEP: Anatomy of Actionキャンペーン
      • 【2】日本語の「もったいない」という言葉は、仏教のぜいたくな暮らしをせずに自然の恵みに感謝するという考えに基づいており、世界中で最も洗練された日本のリサイクル制度はしばしば称賛されるが、国連環境計画(UNEP)のAnatomy of Action(AoA)キャンペーンは、単にリサイクルを推進するだけでなく、消費者が毎日環境に配慮した消費行動をとることによって持続可能な暮らしをするためのキャンペーンである。日本は国民一人当たり年間32kgのプラスチックゴミを出しており、この量は米国に次いで世界で第2位であり、上記の日本のイメージを毀損するものである。UNEPのAoAキャンペーンでは、買い物の際に留意すべき3つのポイントを推奨している。第1に、本当に必要で出来るだけ長持ちするものを購入する。第2に、環境に負荷を与え、劣悪な労働条件の下で大量生産されたfast fashionを購入しない。第3に、再利用できない日用品は購入しないことである。
      • 原文 December 16, 2019, UNEP(長谷部正道)
    • 【3】 2019年:主たる海上保安事件の概要
      • 【3】国際海事局(International Maritime Bureau:IMB)の報告によれば、ギニア湾における2019年1月から9月までの海賊・武装強盗事件の発生件数は119件で、その内訳は乗込み事件が95件、銃撃事件が10件、襲撃未遂が10件、乗っ取り事件が4件となっており、前年同期の156件に比べて減少している。一方で、船員の誘拐事件に関しては過去最高の発生件数を記録しており、世界で発生した船員の人質事件の86%、船員の誘拐事件の約82%がギニア湾で発生しており、海運業界は安全対策の見直しを迫られている。アジアにおいては、海賊・武装強盗事件が頻発している海域として、シンガポール海峡があげられる。2019年1月から11月までの期間にシンガポール海峡で発生が報告された海賊・武装強盗事件は23件で、前年同期の8件に比べ増加しており、アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)は、シンガポール海峡において継続して発生する襲撃事件に関して警報を発している。特に上半期においては、シンガポール海峡で艀を曳航するタグボートが被害にあう傾向が顕著であり、8月15日までに14件の発生が報告されている。アジア全体での発生件数は2019年1月から11月までに70件で前年同期と比較して4%減少しているが、既遂事件は3%増加している。ペルシャ湾においは、5月にUAE沖で複数発生した航行船舶への攻撃事件に端を発し、2019年は外交的緊張が高まった年であり、ホルムズ海峡を巡り不安定や混乱が発生し、船員の安全性や世界経済に大きな影響を与えた。
      • 原文 December 17, 2019, Safety4Sea(若林健一)
    • 【4】 ロシア:着実に北極圏の軍備を充実
      • 【4】ロシアは過去10年で北極圏における軍事基地や軍事施設の再整備や拡張を進めており、Resonance-Nと呼ばれる大型レーダー施設を2カ所に建設し、最新の対空防衛システムS-400を3つの軍事基地に配備している。Resonance-Nは、レーダー波を上空の大気層に反射させることにより、音速の20倍に及ぶ極超音速で飛行する目標を千キロ以上遠くから同時に500個検知して追尾できる能力を備える新世代の超水平線レーダーの一つであり、S-400と連動して機能する。2カ所あるResonance-Nのうち1カ所は、ムマンスクの約500キロ南東に位置するネネツ自治管区のザポリャルニ地区に2014年に設置され、遅くとも2018年から稼働している。もう1カ所は、先週にロシア北方艦隊に引き渡されノバヤゼムリャに設置された。現在S-400は、ノバヤセムリャにあるロガチョボ空軍基地、ムマンスク及びラプテフ海に面するチクシにある北方艦隊の大隊基地にそれぞれ配備されているが、ロシア軍によると今後数年をかけて北極圏に位置するすべての基地に同システムが配備される予定である。ロシアはさらに北極圏における監視能力の拡大と強化を目指しており、今月初旬にはResonance-Nが有する能力を超えて3000キロに及ぶ範囲を180度にわたり監視できる新たな超水平線レーダーContainerを、モスクワから南東に約500キロ離れたコビルキノに配備したが、今後同レーダーシステムは北極圏にも設置される予定とされている。
      • 原文 December 17, 2019, High North News(若林健一)
    • 【5】 移動を続ける磁気的な北極点
      • 【5】磁気的な北極点は過去20年間、カナダ沖北極海からシベリアに向けて年間約55kmの速度で移動してきた。12月10日に、英国環境情報センターが発表したGPS等を利用したモデルによれば、この移動の傾向は今後継続するものの移動の速度は年間約40kmに減速すると予測される。地球の磁気は地球の鉄によってできている外側の核が攪拌されることによって、様々な磁場、主として南北の磁場を作る。理由は不明なものの、現在磁場は弱くなる時期に入っているため、磁気的な北極点が移動しやすい状況となっている。世界の磁場モデルは通常5年毎に更新され、次回は2020年に発表される予定であったが、移動の速度が速かったので、急遽1年前倒しで発表された。
      • 原文 December 16, 2019, Live Science(長谷部正道)
    • 【6】 欧州委員会:5加盟国のトン数標準税制と船員助成措置を承認
      • 【6】欧州委員会は海事分野に関する加盟国の国家助成制度については、2004年に策定された「海運への国家助成に関するガイドライン」に照らして審査・承認を行っているが、①エストニアにおけるトン数標準税制(Tonnage Tax: TT)と船員助成措置の導入②サイプラスにおけるTTと船員助成措置の延長③ポーランドにおける新たな船員助成措置の導入④デンマークにおける船員助成措置の拡充と延長⑤スウェーデンにおける船員助成措置の延長をそれぞれ承認したと12月6日発表した。各国は船員助成措置について全てのEU及びEEA籍船に適用することに同意している。欧州委員会は、対象となった助成措置は、EUの国家助成に関する規則に合致し、EUの海運産業の国際協力の強化とEUにおける船舶登録を促進し、EUにおける社会面・環境面・安全面での高い水準を維持し、競争条件の均衡化要件も満たしていると判断した。
      • 原文 December 16, 2019, 欧州委員会(長谷部正道)
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