2019/10/01LROニュース(6)

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  • 2019.10.02 UP
    2019/10/01LROニュース(6)
    • 【1】イラン・中国・ロシアがオマーン湾で海軍共同軍事演習実施を発表
      • 【1】9月21日、イラン軍は、近いうちにインド洋北部及びオマーン湾において、1979年のイスラム革命以降初めてとなる中国海軍及びロシア海軍との合同洋上訓練を実施する予定であることを発表した。7月にはイラン海軍幹部が、両国の軍事的協力関係の強化を目的としてロシア海軍との合同訓練を計画していることを明らかにしていた。また、イラン軍は、同軍幹部が最近になり北京を訪問したことを明かし、軍事装備品の製造や購入の分野を中心に中国との軍事協力関係の強化が進んでいるとした。サウジアラビアの石油精製施設への攻撃を踏まえ、サウジアラビアとアラブ首長国連邦はアメリカ主導の有志連合への参加を表明しており、今回のイラン軍の発表はこうした動きをけん制する狙いもあるものとみられる。
      • 原文 September 21, 2019, Press TV(若林健一)
    • 【2】米が複数の中国船社をイラン産原油の輸送にかかわったとして制裁対象に指定
      • 【2】9月25日、米国務省は米国の対イラン制裁に違反してイランから石油を輸送したとの理由で、China Concord Petroleum Co, Limited、 Kunlun Shipping Company Limited、Pegasus 88 Limited、 COSCO Shipping Tanker(Dalian) Seaman & Ship Management Co, Ltd、Kunlun Holding Company Ltd及びCOSCO Shipping Tanker(Dalian)Co, Ltdの中国企業6社とその幹部ら5名を新たに制裁対象リストに追加したことを発表した。今回問題視された石油の輸送は、中国に対するイラン産原油の輸入量規制の免除措置が期限を迎えた今年5月2日より後に行われたとされている。今回の措置は、2018年11月に対イラン制裁が再開されてから最大規模の措置の一つで、イラン政府の資金源を断つ狙いがあり、米国は今年前半にも中国国営のエネルギー企業Zhuhai Zhenrong Co. Ltdをイランから石油を買った疑いで制裁対象リストに追加している
      • 原文 September 25, 2019, The Maritime Executive(若林健一)
    • 【3】北極圏の温暖化が地球全体に与える影響
      • 【3】2019年の北極圏の温暖化事情は、懸念すべきことが多く、最小海氷面積が2012年に記録された最少面積に次ぐ、2番目に狭い記録となり、グリーンランド氷床の急速な融氷、多くの森林火災などが観察されている。そこで、Phys.orgがまとめた北極圏の温暖化が地球全体に与える主な影響は以下のとおり。①北極の温暖化により、緯度の気温差が縮まると、ジェット気流が激化し、それにより暖かい大気が北上、冷たい大気が南下し、異常に暑さや冷たさが続くことがある。②グリーンランド氷床は世界最大の淡水貯蔵であり、これが融氷すれば、最低でも2100年には海面が14㎝上昇し、2200年には1m以上の上昇が予測され、これにより現在低地沿岸地域に住んでいる8億8千万人の生活に影響を与えるとされている。③IPCCの最新報告書によると、今後世界的な炭素排出量が1,130億トンをちょうかすると、パリ協定で定められた「1.5度未満」の目標は達成できず、このままの排出量だとたった10年で到達することとなる。これにより、各政府のパリ協定で定められた環境政策への実現の余地がなくなり、更に北極圏での森林火災が増る中、今まで凍結していた泥炭地の炭素資源が放出され、炭素排出量がいままでの計算以上に増える事が考えられる。
      • 原文 September 26, 2019, Phys.org(蘭潔美)
    • 【4】GEF: 欧州諸国等が後発開発途上国基金を通じて途上国の気候変動対策を支援
      • 【4】9月26日、気候変動は途上国の開発への大きな壁だとし、デンマーク・独・オランダ・スウェーデンの4か国は合わせて1億6000万ドルの資金を、気候変動の影響に最も脆弱な国々の農業の保護、災害対策の改善、地域生活の保護のために、後発開発途上国資金(Least Developed Country Fund: LDCF)へ支給することを誓約した。その他、加政府は8月のG7サミットの際、750万ドルをLDCFに提供すると発表し、英政府も追加資金提供を検討している。LDCFを管理している地球環境ファシリティ(Global Environment Facility: GEF)のCEOはこのような助成金は気候変動による災害などにり、食料供給、住宅、交通、エネルギー、水、およびその他の重要な分野の支援に繋がり、気候変動に対する回復力を構築するとした。
      • 原文 September 26, 2019, GEF(蘭潔美)
    • 【5】英国洋上風力発電第2四半期実績:対前年比25%増加
      • 【5】英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の発表によれば、2019年第2四半期において、洋上風力発電量は対前年同期比25%の増の6TWh、再生可能エネルギー発電全体では同9.9%の増の7.9knotsとなった。具体的には、洋上風力発電能力は、Hornsea第1事業の1.2GWとBeatrice事業の588MWが加わって、対前年同期比18%となった。また洋上風力発電全体のロードファクターは31%となり、前年度期の28.1%を約3%上回った。
      • 原文 September 26, 2019, Offshore Wind Biz(長谷部正道)
    • 【6】アントワープ港:世界初の水素動力のタグボートを発注
      • 【6】9月24日、アントワープ港湾庁は、世界で最初の水素を燃料とするタグボートの建造を、水素を船舶の動力源とする技術開発のパイオニアであるCompanie Maritime Belge(CMB)に発注したと発表した。Hydrotugと呼ばれるタグボートは燃料としてディーゼルとともに水素を使用できるdual-fuelの内燃機関によって航行し、ほんのわずかなGHGしか排出しない。今回の発注は、アントワープ港が炭素中立港湾となるための重要な一歩であり、市場で調達可能な環境技術を活用して、同港に寄港する全ての船舶を環境に配慮した船舶とするという方針を同港は掲げている。水素を燃焼することによってCO₂は一切発生せず、さらにフィルターと触媒技術を活用することによって排気中の窒素酸化物と微粒子の排出量を最少化する。同船の建造は間もなく始まり、2年以内の運航開始を目指す。
      • 原文 September 24, 2019, アントワープ港(長谷部正道)
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