2019/08/27LROニュース(6)

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  • 2019.08.28 UP
    2019/08/27LROニュース(6)
    • 【1】イラン: 原油輸出が完全停止すればホルムズ海峡の安全運航を保証せず
      • 【1】イランのロウハニ大統領は8月21日、同国最高指導者ハメネイ氏との会談の中で、仮にイランの原油輸出が完全停止に追い込まれれば、ホルムズ海峡における船舶交通の安全は以前のようには保障されないことを各国は認識しているはずだと述べ警鐘を鳴らした。また、イラン外相は、ストックホルム国際平和研究所(the Stockholm International Peace Research Institute)で行った演説で、米国トランプ政権の予測不可能な政策に対しては、予測不可能な措置で対応すると述べている。8月20日には、イランに拿捕された英国籍タンカーStena Imperoの所有者が、同船とその乗組員の解放に向けイラン外相とストックホルムで会談している。
      • 原文 August 21, 2019, Reuters(若林健一)
    • 【2】IMO2020: 業界共同の「規制適合油供給・使用ガイドライン」が発表
      • 【2】海運業界・石油精製業界・バンカー業界・基準認証機関などが協力して、「硫黄分0.5%バンカー供給と使用に関する関係業界共同ガイダンス」が作成され、8月20日発表された。このガイダンスは、適合燃料油製造事業者・供給事業者・海運事業者といった全ての関係者を対象に作成され、規制適合油の供給と使用にあたり配慮すべき個別の安全・運用に係る事項、燃料の安全性の概要、安全に関する問題を発見・防止・対処できる体制が常時とれるように管理すべき事項などが解説されている。さらに燃料油の互換性・安全性や燃料の取扱い・保管に関することについても記述されており、安全を脅かす可能性のある現在の運用面での要因について包括的な再検討が行われている。一方で、旗国検査、PSC、IMO規則との整合性、スクラバーなどの代替適合措置、LNG・水素・メタノールなどの代替燃料については本ガイダンスでは取り上げられていない。ガイダンス本文は以下のリンクを参照。
      • 原文 August 20, 2019, IBIA(長谷部正道)
    • 【3】USCG: 旅客船等から海に飛び込んだ旅客に罰金刑
      • 【3】米国沿岸警備隊(US Coast Guard:USCG)は、今年6月23日にマサチューセッツ州のファルマスで18歳の乗客が、また、今年7月28日にロードアイランド州のブロック島で19歳の乗客が、フェリーの手すりを乗り越え故意に海中転落したとして、それぞれに2千5百ドルの罰金を科したことを発表した。USCGは、旅客船の乗組員はすべての乗客の安全に関して責任を負っており落水者があれば救命措置に当たることになるが、その間乗組員の意識は船舶の安全運航から逸らされ落水者だけでなく他の乗客の命にも危険を及ぼすことから、このような行為は船舶の安全な運航を阻害するとして連邦法違反となり、最大で3万5千ドルもの罰金が科されることになると述べている。
      • 原文 August 21, 2019, USCG(若林健一)
    • 【4】コンテナ船火災:確信犯的な荷主の名前の公表も検討が必要
      • 【4】(論説)コンテナ船の火災事故は、もっとも最近の事故である8月9日に発生したAPLのLe Havre号の火災事故をはじめとして、2019年に入ってから既にもう8件も発生している。これらの火災事故の大きな要因の一つとなっているコンテナ内の貨物の不正申告に対し、Hapag-Lloyd/APL/現代商船/Evergreen/OOCLなど大手コンテナ船各社は相次いで、不正申告をした荷主に対する罰金制度を導入したが、罰金制度は過失で誤った申告をする荷主の数は減らせても、確信犯として不正申告をする荷主にはあまり効果がないものと考えられる。船社間でこうした悪質な荷主のブラックリストを共有できれば良いが、現在の独占禁止法上許されていない。本来政府が責任をもってコンテナの内容物を検査する仕組みを作るべきであるが、政府が何もできないのであれば、ブラックリストの共有や悪質な荷主の名前の公表など、船社が独自で出来る対策を現状より広く柔軟に認めるべきである。
      • 原文 August 22, 2019, World Maritime News(長谷部正道)
    • 【5】イランに拿捕されている英国籍タンカーが近日中に解放か?
      • 【5】イラン外相は、先週スウェーデンのストックホルムにおいて、スウェーデン外相及びイランが拿捕している英国籍タンカーStena Imperoの所有会社Stena Bulkの最高経営責任者と相次いで会談しており、スウェーデンの公共放送によると、スウェーデン外務省は同船が近日中に解放される確証を持っていると伝えている。同省の報道官は、報道について肯定も否定もせず会談の詳細についても明らかにしていない。イラン政府は現在までのところ同船の解放時期などについて言及はせず、同国バンダレ・アッバースにある裁判所が決定権を持つと述べているが、英国政府筋は、法的手続きの裏でイラン政府が糸を引いているとみている。
      • 原文 August 23, Telegraph(若林健一)
    • 【6】比大統領:中国と共同資源開発協定の締結を目指すことを表明
      • 【6】比大統領は8月28日に中国に5回目の公式訪問する予定であるが、同国と国際仲裁裁判所の裁定が出て以来棚上げになっている、南シナ海の領有権問題を取り上げ、両国にとって受け入れ可能な海洋資源の共同開発協定の合意を目指すと、8月21日表明した。協定案の内容は明らかになっていないが、比のEEZ内のReed Bankにおける資源開発を比と中の取り分60:40の割合で共同実施する案が検討されている模様。8月22日、比外相は中国の軍艦が最近、比南方の領海にたびたび侵入していることに対し、中国政府に対して新たに外交上の抗議を行ったと発表した。米国務省も、ベトナムEEZ内のベトナムの資源開発を中国が妨害するなど、過去数週間の中国の南シナ海における介入は、非常に攻撃的であると8月22日懸念を表明した。
      • 原文 August 22, 2019, Radio Free Asia(長谷部正道)
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