2019/08/26LROニュース(6)

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  • 2019.08.27 UP
    2019/08/26LROニュース(6)
    • 【1】グリーンランド問題:米の関心の表明は露・中へのけん制
      • 【1】米国のトランプ大統領は、グリーンランドを購入するという自身のアイデアをデンマーク首相が「馬鹿げている」として否定したことを受け、予定されていたグリーンランド訪問を取りやめた。パリの国際関係教育機関ILERIで地政学を専門とするMered教授は、米国はグリーンランドの首都ヌークにおける領事館の再建や、空港建設、教育及び社会プログラムへの資金援助を通してその存在感を強めており、トランプ大統領のグリーンランド購入の提案は、北極海航路の覇権を握るために重要となる地域への関心を強める中国や2021年に北極評議会の議長国を務めるロシアに対するけん制であると指摘する。また同氏は、米国は2017年にデンマーク政府の決定により中国が購入できなかったグリーンランド南部に位置するGronnedal海軍基地の購入に動くだろうと分析している。
      • 原文 August 22, 2019, Asia Times(若林健一)
    • 【2】シンガポールMPA:「海事持続可能性報告ガイドブック」を作成
      • 【2】シンガポール海事港湾庁(Maritime and Port Authority: MPA)は、シンガポール取引所(Singapore Exchange Limited)、Institute of Singapore Chartered Accountants (ISCA)等と共同で海事企業向けの「海事持続可能性報告ガイドブック」を作成し公表した。ガイドブックは、上場企業・非上場企業にかかわらず、各企業が自社の持続可能性に関する取り組みを適正に証券取引所等に報告し公表するため、模範事例を含む現実的な枠組みを提供するもの。最近、環境問題に関心が高い欧州諸国の金融機関を中心に、融資の条件として、融資先企業の環境問題への取り組み姿勢を条件とする動きが強まってきたことを踏まえ、企業側からも適正に自社の環境問題への取り組みを報告・公表するためのガイダンスが必要との要望が強まっていた。本ガイドブックの中には、MPA自体のこれまでの持続可能性の取り組みに関する情報公開の歩みなどが含まれている。ガイドブック事態は以下のリンクを参照。
      • 原文 August 19, 2019, MPA(長谷部正道)
    • 【3】WHO: 飲料水中のマイクロプラスチックは現状では健康上の問題なし
      • 【3】世界保健機関(World Health Organization: WHO)は、8月22日、飲料水中に含まれるマイクロプラスチック(MP)による人体への健康被害の有無を検討した報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①過去数年、飲料水(水道水とミネラルウォーター)の中に、MPが含まれているという研究がいくつか報告され、飲料水中のMPが人体の健康に与える影響について懸念が高まっている。②MPに関連する人体への危険性は、MPそのものの物理的な危険性、MPに含まれる化学物質(環境から吸収されたものを含む)による危険性、MPの表面の菌膜(biofilm)の危険性の3種類に分かれる。③MPの人体への物理的な危険性について、疫学的研究や人体実験は存在しないが、0.15mm以上の大きさのMPは体外に排出されることが分かっており、それより小さいナノプラスチックの影響は不明だが、現存する研究を前提とすれば、飲料水中のMPが物理的に人体に有害だという情報はない。④MPに関する化学物質についてWHOが暴露マージン(MOE)法でリスク評価したところ十分低かった。⑤MPの表面の菌膜に含まれる病原体は、天然水に含まれる人物・動物起源の病原体に比べればはるかに少なく、水道水についてもMPに付着する菌膜より、浄水システム自体につく菌膜の方がはるかに規模が大きいので、MP表面に付着する菌膜も大きな問題でない。⑤以上、飲料水に含まれるMPが健康に有害であるという研究・情報は現段階で存在しないが、全く有害でないという結論を導くためには引き続きさらなる研究が必要である。
      • 原文 August 22, 2019, WHO(長谷部正道)
    • 【4】HELCOM: 「バルト海の海中騒音に対する動物の敏感度に関する報告書」
      • 【4】バルト海環境保護委員会(HELCOM)が、8月19日、「バルト海の海中騒音に対する動物の敏感度に関する報告書」を発表したところその概要は以下のとおり。①2013年にHELCOM加盟国は海中騒音が海洋動物に悪影響を与えるべきことでないことに合意し、バルト海の海中騒音がどのような影響を動物に与えているか研究してきた。②まず音に対する敏感性・絶滅危惧種であるか否か・動物の商業的価値・当該動物に関するデータを集めることが可能かといった基準を踏まえ、海中騒音によって影響を受けている可能性のある動物を選択した。②音にとても敏感なことから、アザラシとネズミイルカが最も影響を受けていることが分かった。③アザラシなどは、場所の把握・仲間との連絡・求愛等の生活行動の全てを音に大きく依存しており、過剰な海中騒音により、異常行動をとったり、心理的ストレスを受ける。④アザラシなどの音に敏感な動物がバルト海のどの海域にどの季節に生息するかをわかる地図を作製した。⑤今後追加情報が得られれば、海中騒音に影響を受ける動物の種類を追加し、そうした動物の生息海域も適宜見直していく予定。
      • 原文 August 19, 2019, HELCOM(長谷部正道)
    • 【5】中国が7月にベトナムのEEZ内で海洋調査を行った意味
      • 【5】中国の国営企業が所有する調査船が7月3日にベトナムの排他的経済水域(Exclusive Economic Zone:EEZ)内のバンガード礁付近で巡視船の護衛を受けつつ海底調査を開始し、同時に中国はベトナムが石油開発を進める海域に巡視船を展開させた。ベトナムのEEZ内では、2014年にも中国が石油掘削リグを展開し両国間の外交危機を招くなど、中国のこうした動きは決して新たなものではないが、今回のバンガード礁周辺における調査は、①2016年の仲裁裁判所の判決により九段線の主張が違法とされたにもかかわらず、これまで数十年にわたりベトナムが天然資源開発を行ってきた海域で行うもので、国連海洋法条約により保障される大陸棚の正当な権利に対して公然と異を唱えるものである②ベトナムに限らず米国や国際社会が2016年の判決後と同様に沈黙を保つのか試している③他国が進める天然資源の開発事業を標的にして共同開発というスキームに持ち込もうとしている、といった点からより深刻な事態であるといえる。また、2014年当時とは異なり、中国はベトナムと同時に南シナ海で権益を主張する他の国々に対しても圧力をかけており、国際法秩序に基づく主権と利益を守るというASEANや国際社会の意志が試されている。
      • 原文 August 20, The Maritime Executive(若林健一)
    • 【6】ロッテルダム港が同港の船舶入港管理デジタルアプリを他の港湾に売り込み
      • 【6】ロッテルダム港においては、標準化されたデータを参加者が共有することによって、船舶が着岸するまでの滞船時間をゼロにしてジャストインタイム航行を可能とし、燃料使用とGHG排出を最小化し、船舶の実際の運航状況を参加者がリアルタイムで把握できるように、海運会社・代理店・ターミナル管理会社・港湾管理者・その他の船舶関連サービス事業者が参加するProntoというデジタル海運アプリが使用されているが、シェルとマースクと連携して、このアプリを世界の他の港湾に展開していくために、8月8日、PortXchangeという新会社を設立し、世界の港湾のスマート化をリードしていくと発表した。アプリが他の港湾で信頼されて利用されるために、アプリの中立性を保つために別会社である新会社を立ち上げた。Prontoに参加する港湾が世界で増えれば、デジタル技術を活用した港湾運営の最適化がより容易になる。
      • 原文 August 8, 2019, ロッテルダム港(長谷部正道)
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