2019/07/10LROニュース(6)

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  • 2019.07.11 UP
    2019/07/10LROニュース(6)
    • 【1】英健康社会福祉省: 合意なき離脱に備えた新たな医薬品緊急輸送計画を発表
      • 【1】英国健康社会福祉省(Department of Health and Social Care)は、合意なきEU離脱となり、欧州の医薬品メーカーが通常の輸送手段に依拠できなくなった場合でも、欧州から24時間以内に英国に医薬品を輸送する手段の確保について新たな計画を発表した。英政府全体として、緊急輸送が必要となった場合の貨物輸送能力枠組み協定の締結についても追加的な計画が発表されたが、この枠組み協定の中でも医薬品の輸送は優先的に取り扱われる。こうした輸送手段の確保に加えて、医薬品の備蓄量を増やすために、医薬品の備蓄可能な保安上隔離された冷蔵能力のある倉庫の確保を図るが、地域ごとの備蓄の積み増しによって、適正な医薬品の供給が妨げられないよう必要な備蓄は政府が集中的に管理して行う。
      • 原文 June 26, 2019, 英国健康社会福祉省(長谷部正道)
    • 【2】国連気候変動ボン会議:IPCC報告書に基づく合意形成できず
      • 【2】2018年10月に気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change IPCC)は、気温の上昇を1.5℃以内に抑え込むことは可能だが、このためには地球全体で2050年までに炭素中立を達成するなど大胆な地球温暖化ガス(Green House Gas: GHG)の排出削減が必要とする科学者による報告書を発表したが、COP24においては、サウジアラビア・クウェート・米・露の石油利権に絡む4か国が同報告書に基づく新たなGHG削減目標の設定を拒んだ。6月の国連気候変動ボン会議においても、サウジアラビア等がIPCC報告書の科学的正当性に疑問を投げかけ、同報告書に基づきGHG削減のためのより高い目標について議論することを拒否したため、1.5℃目標の達成に死活的な利益を有する小島嶼国をはじめとする大多数の諸国と対立した。最終的に同報告書を「現段階において最善の科学(best available science)」に基づくものとして評価はするが、同報告書に基づく具体的なさらなるGHG削減目標を掲げないという形で妥協が成立し、多くの参加国を失望させる結果となった。
      • 原文 June 27, 2019, BBC(長谷部正道)
    • 【3】北極圏の解凍する泥炭地から多くのGHGが放出
      • 【3】永久凍土の解凍に伴い、北極圏の光景は前例のない速度で変化しており、スウェーデンやアラスカのいたるところで町や村や家屋が半分地中に沈み、より地盤が安定した地域への移住を余儀なくされるリスクが高まっている。カナダ北部では、安全な家屋が少なくなり、転居先のアパートの価格が急騰し、不動産危機を引き起こしている。北極圏全体で、家屋の損傷は大きく、多くの家屋が放棄されている。道路や他の重要なインフラも危険な状況に置かれている。地球温暖化による永久凍土や泥炭地の解凍に伴い、多くのCO₂が大気中に放出され、温暖化を加速していると科学者たちは警告している。我々がこのまま有効な対策を取らなければ、5%の確率で海面が2m上昇するという最近の研究もある。
      • 原文 June 27, 2019, UN Environment(長谷部正道)
    • 【4】UAE: イランの関与を証明する証拠なしと発表
      • 【4】オマーン湾におけるタンカー攻撃についてUAEは6月26日、イランが関与しているという決定的な結論に達するにはより具体的な証拠が必要との立場を明らかにした。UAE外相はモスクワでの記者会見で、タンカー攻撃については証拠がなく、どの国も責めることができないとし、証拠があるとするならば、その証拠は正確で説得力がある者でなければならないと述べた。サウジ及びノルウェーと合同で行った調査において、UAEはフジャイラ沖での攻撃について、相当の情報と技術的専門性をもって行われたとの見解を示すも、特定の主体に対する非難は行わなかった。同外相によれば調査は国連に報告されているという。
      • 原文 June 26, 2019, The Maritime Executive(武智敬司)
    • 【5】英国:2050年までの炭素中立化法案が成立
      • 【5】英国政府はこれまで、2050年までに1990年の実績比で地球温暖化ガス(Greenhouse Gas: GHG)の排出を8割削減することを国家目標として掲げてきたが、6月27日、2050年までに炭素中立化を図る法案が成立し、先進国としては初めて、2050年までに炭素中立化を目指す国家となった。英国では1990年比で経済規模が72%拡大したにもかかわらず、同年比で既に42%のGHGを削減しており、環境に配慮したclean growthを産業戦略の根幹に位置付け、2030年までに環境関連の職業に従事する労働者(green collar)数を200万に増加し、低炭素技術に基づく輸出額を1700億ポンドまで増加させることを目標としている。炭素中立化とは、植樹や炭素回収貯蔵(Carbon Capture and Storage)技術によって大気中から回収されるGHG回収量と同程度までGHG排出量を削減することを意味する。
      • 原文 June 27, 2019, 英国政府(長谷部正道)
    • 【6】米司法省:自動車輸送船のカルテルで2名の船社役員を起訴
      • 【6】2006年から2012年9月にかけて、米国を起・終点とする自動車輸送に関連して、顧客や航路を分担し、輸送運賃を固定化するなどのカルテル行為を行ったとして、米司法省独占禁止部門は、ノルウェーの自動車輸送船社であるHoegh Autoliners社の役員2名を起訴した。この自動車輸送カルテルに関しては、今回起訴された2名を含め、海運会社5社と13人の役員が既に起訴されている。海運会社5社はいずれも罪状を認め、Hoegh Autoliners社の2100万ドルを含め、合計で2億5500万ドルの罰金を支払っている。13人の役員のうち、4名は罪を認め既に刑務所で服役している。検察官は、海運業界においてこのようなカルテル行為は蔓延しており、意図的に法を無視し、自由な競争を損なっていると非難している。
      • 原文 June 26, 2019, 米司法省(長谷部正道)
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