2019/06/26LROニュース(6)

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  • 2019.06.27 UP
    2019/06/26LROニュース(6)
    • 【1】英国:2050年炭素中立化法実施の課題
      • 【1】(論説)6月12日英国政府は2008年気候変動法の改正案(The Climate Change Act 2008 (2050 target, International Aviation and International Shipping) Order 2019)を議会に提出し、2050年までに英国を炭素中立にすることに法的拘束力を持たせる提案を”Affirmative Procedure: AP”の形で行った。APの手続が取られた法案は両院の承認が必要となり、21日を経て正式に法律となる。APの手続きが取られて、議会に承認が得られなかった法案は過去40年間無い。しかし、政府から独立している「気候変動委員会(Committee on Climate Change)」は法律が成立したとしても、しっかりした政策の裏付けがない限り、炭素中立化の実現は難しいとコメントしている。実際、過去4年間にわたり、政府は様々な炭素低減化政策を後退させたり実施していない。また、2050年という目標達成年次ははるかかなたで、実際には、2008年の気候変動法で定められている5年ごとの炭素予算の中で、2050年までの炭素中立化を段階的に実現していかなくてはいけない。
      • 原文 June 12, 2019, Brodies LLP(長谷部正道)
    • 【2】開放型スクラバーからの排水の環境安全性に対する日本政府文書への問題提起
      • 【2】(論説)日本政府がIMOに提出した報告書「開放型SOxスクラバーシステムからの排水について(Washwater discharge from open looped SOx scrubber system)」についての疑問点を日本政府に問い合わせ、その質問に対する日本政府の回答も公開したうえで、日本政府の報告書は複数の大学等が別々に行った調査研究の寄せ集めであり、その中には極めて限られた前提のもとに導き出された論理的な数値があることなどを指摘しつつ、「スクラバー排水が日本周辺の海水や海洋生態系にunacceptableな影響を与えない。」と明確に結論付けるのは無理があり、さらなる調査研究が必要であるという意見表明が日本の舶用技術開発会社の研究者から投稿されているところ、意見原文及び日本政府とのやり取りは以下のリンクを参照。
      • 原文 June 14, 2019, Splash 247(長谷部正道)
    • 【3】GEFの支援で27のSIDSが島嶼国の環境・ごみ汚染問題に取り組みを開始
      • 【3】カリブ海・太平洋・インド洋の27の小島嶼開発途上国(Small Island Developing States: SIDS)が地球環境ファシリティ(Global Environment Facility: GEF)・国連環境計画(UN Environment)・国連開発計画(United Nations Development Program)・国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization of the United Nations)・米州開発銀行(Inter-American Development Bank)等から合計4億5千万ドルの支援を受けて、38トンの水銀・619トンの残留性有機汚染物質を含む23236トンの有害化学物質と、18万5千トンの海ごみを取り除く、「小島嶼開発途上国における化学物質無しの持続可能な成長の実施(Implementing Sustainable Low and Non-Chemical Development: ISLANDS)」事業を開始することを、6月13日、第56回GEF年次総会で発表した。これらの小島嶼国は世界的にも人気観光地となっているところが多く、SIDSの総輸出額の3割以上を観光収入が占めているが、これらの観光客の受け入れによりSIDSは多くの環境問題にも直面している。例えば、カリブ海のSIDSでは年間75000万泊分の観光客が訪問するため、これらの観光客が出すゴミの量も年間1億6600万トンに達している。
      • 原文 June 13, 2019, UN Environment(長谷部正道)
    • 【4】USCG: 西太平洋における海軍と共同の警戒行動の任務に交替巡視船を派遣
      • 【4】6か月にわたる西太平洋派遣に従事したUSCG巡視船Bertholfの交代として、同型の巡視船Strattonが6月12日にカリフォルニア州の母港を出港した。Bertholfは派遣中、海軍第7艦隊駆逐艦とともにUSCG巡視船として初めて台湾海峡を航行するとともに、東シナ海の航行や、南シナ海で中国が主権を主張するスカボロー礁近海での比沿岸警備隊との訓練を実施している。2隻の巡視船の派遣は、国際問題に対する法執行の側面からのアプローチである。過去にUSCG巡視船の西太平洋での活動はあるが、このような注目を集める形での活動は初めてである。Bertholfは航行の自由の権限行使に加え、北朝鮮に対する制裁違反となる瀬取りの取締りを実施している。白い船体の巡視船は、相手に与える軍事的脅威を比較的低くすることができる。比沿岸警備隊の中尉は会議で、インド太平洋諸国が中国の海洋進出に対抗するために海軍ではなく沿岸警備隊を使う「ホワイトハル」外交に傾注していくと述べている。
      • 原文 June 14, 2019, Stars & Stripes(武智敬司)
    • 【5】オマーン湾タンカー攻撃後に戦争保険割増保険料が急騰
      • 【5】フジャイラ港沖の船舶に対するテロ事件後、ペルシャ湾を航行する船舶の戦争保険割増保険料(War Risk Premiums)は大型タンカーで5万ドルに達していたが、6月13日のオマーン湾におけるタンカー攻撃の後は、最低18万5千ドル以上に急騰している。6月13日の攻撃の直後はタンカーを貸し出す船主も、用船する船社も中東から原油を輸送するリスクを再評価するため用船契約を保留している。32日間の間に6隻のタンカーが攻撃されるというのは、商業海運に対して、この中東地域において過去数十年にはなかったレベルの脅威に達している。世界で取引される原油の3割がホルムズ海峡を通過しており、この海峡の安全性が保障されなければ、西側諸国全体への脅威となるとIntertankoの会長はコメントしている。
      • 原文 June 14, 2019, gCaptain(長谷部正道)
    • 【6】欧州委員会委員長がEUは気候変動対策の現在の目標を維持すべきと発言
      • 【6】欧州委員会のユンケル現委員長は、EUの気候変動対策について、2030年までに1990年実績比でCO₂の排出量を4割削減するというEUの現在の目標をまずは実現すべきで、次から次へと目標を引き上げるべきではないと語った。他のパリ協定の当事国と同様に、EUも2020年末までに現在の気候変動対策を見直すこととなっているが、国連事務総長は見直しの時期を1年前倒して、9月23日から国連で開催される環境サミットで新たな野心的な目標を発表するよう各国首脳に働きかけている。現在の委員長の下で開催される6月のEU理事会は、EUの首脳が2050年までの炭素中立や、2030年までの経過目標について話し合う国連環境サミットの前の最後の機会となるが、2050年までの炭素中立については欧州委員会が提案しているものの、加盟国の支持はまだ得ていない。
      • 原文 June 12, 2019, Climate Change News(長谷部正道)
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