2019/05/21LROニュース(6)

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  • 2019.05.22 UP
    2019/05/21LROニュース(6)
    • 【1】チッタゴンの船舶解撤場で爆発事故:1人死亡・5人負傷
      • 【1】5月15日、バングラデシュのチッタゴンのMahinur船舶解撤場で解撤中の船舶のポンプ室にあるガスシリンダーが爆発して火災が発生し、作業員1人が死亡し5人が負傷した。バングラデシュの船舶解体場における死亡事故は継続して発生しており、今年の2月にはチッタゴンの他の海岸船舶解撤場で解撤中のタンカーの機関室が爆発・火災が発生し、作業員2人が死亡している。
      • 原文 May 15, 2019, Splash 247(長谷部正道)
    • 【2】Huawei会長が「スパイ行為を行わない協定」を各国政府と締結する用意を表明
      • 【2】米国をはじめとするいくつかの西側諸国はHuaweiが生産した製品を通じて中国政府がスパイ行為を働くのではないかと懸念しているが、同社は同社の製品はいかなる秘密漏洩や破壊行為ももたらさないし、中国政府の影響からも独立していると反論している。米等いくつかの国々が国家安全保障の観点から同社が各国の5Gネットワークの構築に参加することを禁止しているが、英国政府は一定の条件のもとに同社が英国の5Gネットワークに一部の構築に参加することを許容するという報道もある。5月14日、ロンドンで開催されたビジネス会議の場で、Huawei会長は必要ならば英国政府をはじめ各国政府と「スパイを行わない協定」を締結し、スパイ機能や情報の抜け道(backdoors)を同社の製品に設けないと約束することも可能であると表明した。豪とNZ政府は両国の5Gネットワークに同社の製品を使用することを禁止し、米国は連邦政府が同社の製品を調達することを禁じ、他の同盟国にも同様の措置をとるように強く要請を行っている。
      • 原文 May 15, 2019, BBC(長谷部正道)
    • 【3】IMFが世界各国の化石燃料に対する補助について最新の報告書を発表
      • 【3】5月2日、国際通貨基金(International Monetary Fund)が、世界各国による化石燃料に対する補助について最新の報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①2015年における世界191か国の化石燃料に対する補助額の総計は4,7兆ドル(全世界のGDPの合計額の6.3%)と依然として高く、2017年の推計値は5.2兆ドル(同6.5%)とむしろ増加している。②2015年における補助額の多い国は順番に中国(1.4兆ドル)、米国(649億ドル)、ロシア(5510億ドル)、EU(2890億ドル)、インド(2090億ドル)となっている。③補助額の3/4は国内的要因であり、石炭と石油に対する補助が全体の85%に達している。④2015年において、世界各国が補助をやめて化石燃料の価格を有効価格(efficient fossil fuel pricing)とした場合、世界中の炭素排出量を28%、化石燃料の燃焼によって死亡した死者の数を46%それぞれ削減することが可能で、さらに政府収入をGDPの3.8%増加させることが可能であった。
      • 原文 May 2, 2019, IMF(長谷部正道)
    • 【4】ホルムズ海峡における4隻の船舶に対する攻撃の黒幕はイランか?
      • 【4】5月12日にホルムズ海峡付近で4隻のタンカーが攻撃を受けたが、セキュリティ関係の米国政府関係者によれば、この攻撃の黒幕はイランで、イスラム系武装組織フーシか、イラクを拠点としたシーア派武装組織をイラクが扇動したとみられるという。イラン政府はこの攻撃への関与を否定している。この米政府関係者によれば、武装組織によるこのような攻撃をイランが積極的に支援していると米政府は見ているが、イラン人が直接的に攻撃に関わった証拠までは有していないという。世界の石油消費量の5分の1に相当する原油がペルシャ湾からホルムズ海峡を通過して世界中に供給されている。今回の攻撃はイランの核開発や、イエメン・イラク・シリア・レバノンにおける反米組織への支援を巡るイランと米国の緊張を背景としており、米政府はイランに滞在する外交官のうち緊急性のない職員にイランから撤退を命じるなど、イランからの脅威の高まりを示している。
      • 原文 May 15, 2019, Reuters(武智敬司)
    • 【5】米国務長官が北極海北西航路の加の主権を否定したことにカナダが強く反発
      • 【5】5月6日、米国務長官は北極評議会でスピーチを行い、中国とロシアによる北極圏における勢力拡大が北米の安全を脅かしているとした上で北極海の航路についてはロシアばかりでなく、カナダも違法な主権の主張を行っているとして公然とカナダ政府を批判した。この問題については、1988年にレーガン米大統領とマルルーニー加首相との間で、両国は「北極海協力合意(Arctic Cooperation Agreement)」を締結し、カナダの北極海北西航路の主権を認める一方で、同航路を国際航路と認定し、米政府がカナダ政府の許可のもと米の砕氷船を航行させることができることを確認している。もし米国が北極海における中国とロシアの進出を脅威と感じるのであれば、米国は北米航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense Command)のパートナーであるカナダと連携を図り、カナダの主権に対して挑戦するのは控えるべきであるとカナダ側は反発している。
      • 原文 May 6, 2019, National Post(長谷部正道)
    • 【6】米国防衛のための最前線たる北極海で沿岸警備隊が果たす役割
      • 【6】米国が新たに建造する新型砕氷船は、独のPolarsternⅡ型砕氷船をベースにすることが明らかになった。推進機関は42,500馬力のフィンランド製ディーゼル・エレクトリック推進、総トン数37,000トン、長さ約140m、幅約27mで、極地氷海船階級(Polar Class)Ⅱに位置付けられる。具体的には、厚さ1.5mの氷を3-5ノットで連続的に砕氷できるほか、ラミングにより厚さ3mを超える海氷を割ることが可能である。砕氷能力としては現在唯一稼働しているPolar Starに劣るが、急速な気候変動により北極の海氷は薄くなっていることから、新型砕氷船は航続時間や海氷域・開放海域双方での活動能力に重点を置いて設計されたためである。新型砕氷船は固定ピッチプロペラと可変ピッチプロペラが組み合わされており、このため良好な堪航性を有しつつも海氷域での操縦性を最大限にしている。3基のディーゼル・エレクトリック機関により、最大90日間の無補給航海が可能である。建造契約を勝ち取ったHalter社は、USCGの要求にあわせて船体形状の改良を行っており、従来の氷に乗り上げて砕く砕氷方式から、船体で氷を切り開き、切った氷を船体から遠ざけるような船体形状とすることで、プロペラや観測機器を損傷から守るようにしている。
      • 原文 May 14, 2019, High North News(武智敬司)
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