2019/05/20LROニュース(6)

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  • 2019.05.21 UP
    2019/05/20LROニュース(6)
    • 【1】クウェートのSilk Cityが一帯一路の拠点として建設
      • 【1】 5月初めに、36億ドルをかけて、クウェートの首都とクウェート湾の対岸を結ぶ仏が設計し韓国が建設した連絡橋が完成し、ペルシャ湾北端で、クウェート・イラク・イランが近接する戦略的な拠点であるシャット・アル=アラブ水路周辺が首都と直結されることとなった。クウェート政府はこの戦略的な地域に1000億ドルを投資して大規模なSilk Cityを建設し、新たな交通・物流・金融の拠点とし、中国の一帯一路戦略に組み込もうとしている。中国は湾岸地域と湾岸地域2番目の大国であるクウェートに既に大規模投資をしてきており、クウェートも自国の経済発展のために一帯一路戦略のパートナーとしてすでに活発な活動を行っている。Silk Cityはブービヤン島に90億ドルをかけて現在建設中のムバーラク・アル=カビール港から連絡橋の終点のAl Subiyaまでの地域に、国際空港・自由貿易地域・オリンピックスタジアム・高さ1kmの高層ビルとともに、70万人分の居住区・オフィス街・娯楽街が建設される予定。
      • 原文 May 13, 2019, Asia Times(長谷部正道)
    • 【2】デジタルコンテナ海運協会にさらに5社が参加
      • 【2】コンテナ海運会社のデジタル化の標準化とシステムの間の相互運用を確保するために、4月にMaersk/Hapag-Lloyd/MSC/Oneのコンテナ大手4社によってデジタルコンテナ海運協会(Digital Container Shipping Association: DCSA)が結成されたが、このほどCMA CGM/Evergreen/HMM/Yang Ming/Zimの5社がDCSAに追加で参加することとなり、DCSA参加9社の市場占有率は7割となった。共通のデジタル化の標準が定められてもより多くの船社が参加しないと意味がないので、DCSAは全ての船社に参加を呼び掛けている。
      • 原文 May 14, 2019, The Load Star(長谷部正道)
    • 【3】北極海において米国の影響力を確保するための課題
      • 【3】(論説)ロシアによる北極圏における軍備増強と、北極海への中国の潜水艦の進出に米国が対抗するためには、北極圏に大規模な投資を行うとともに、北極海において列強の競争が高まっている原因である気候変動を直視しなくてはいけない。北極海の温暖化により、北極海は以前に比べて商船の航行可能性が高まっており、軍事的・戦略的な利益ばかりだけでなく、貿易活動の輸送路としての重要度が増している。従って、北極海から北大西洋に入るルートの防衛はNATO諸国に重要であると同様に、太平洋側における北極圏の入り口であるアラスカの防衛は米国にとって重要であり、砕氷船の建造など北極海における軍事作戦能力の向上が必要となる。米国が引き続き気候変動自体を否定し続けることは、米国にとって戦略的に極めて重要な北極圏の領土を自然災害から守る米国の能力を制限することとなる。ロシアも北極圏の軍事施設やエネルギー産業には大規模投資をしているものの、適切な環境保護政策を怠っているため、気候変動による自然災害に対しての準備ができていない。
      • 原文 May 13, 2019, The Hill(長谷部正道)
    • 【4】自律運航船が初めて無人運航による北海の横断に成功
      • 【4】英国のHushcraft社が設計・建造し、SEA-KIT International社が運航する船長12mの無人海上運航艇(Unmanned Surface Vehicle)が、5月6日の夜に、英国のウェスト・マーシー港からベルギーのオステンド港まで、ゆっくりと22時間かけて世界で最も船舶交通量の多い海域の一つである北海を無人遠隔操縦で横断することに非軍事船としてははじめて成功した。同無人運航艇の遠隔操船者はインターネットを活用した世界的な周辺状況認識(Global Situational Awareness via Internet)と呼ばれる通信・遠隔運航システムを通じて、無人艇に積載された装置によって、CCTVの画像・赤外線画像・レーダー情報を利用し、無人艇周辺の音声をライブで聞き、必要に応じて周辺に運航している他の船舶と交信することができる。同無人艇は、2.5トンまでの貨物を積載することが可能で、海洋調査・海洋環境保護・船舶の安全運航・海上保安など様々な目的に使用できる。今回の試験運航は、英国海事沿岸警備庁(Marine and Coastguard Agency)、英国運輸省(DoT)、欧州宇宙庁(European Space Agency)、ベルギーの関係省庁の支援を受けて実施された。
      • 原文 May 9, 2019, BBC(長谷部正道)
    • 【5】Coscoがペルーのチャンカイ港に30億ドルで大規模ターミナルを建設
      • 【5】5月13日、ペルーの首都リマの大統領官邸で、大統領と運輸大臣の立会いの下、中遠海運港口(Cosco Shipping Ports Limited: CSP)とペルーの鉱業大手のVolcan社は、リマの北方56kmに位置する天然の深水港であるチャンケイ港に、30億ドルをかけて多目的港湾ターミナルを建設することで合意した。具体的には、世界最大のTriple-Eタイプのコンテナ船が接岸できる11のバースを持つコンテナターミナルと、4バースのばら積み貨物・一般貨物向けのターミナルを建設する。本事業はCoscoが南米で実施する最初の事業で、第1期事業は、CSPが6割・Volcanが4割出資して、141エーカーのターミナルを28か月以内に建設する予定で、同港はペルー国内ばかりでなく南米全体の多目的拠点港となることを期待すると大統領は述べた。
      • 原文 May 15, 2019, Seatrade Maritime News(長谷部正道)
    • 【6】米空母打撃群がアラスカで10年来の大規模演習を実施
      • 【6】空母セオドア・ルーズベルトを中心とする米空母打撃群が、北極圏での運用ノウハウの再習得のためアラスカでの大規模演習に参加している。この演習は米インド太平洋軍が主催し、約1万名の将兵が参加して5月13日から24日まで実施するもので、航空戦術に焦点を置いたものである。この空母打撃群の司令官によれば、この演習では空母艦載機と、陸上基地を拠点に運用される対潜哨戒機や海兵隊戦闘攻撃機、輸送機、空中給油機、空軍戦闘機が共同で運用される。米軍は昨年にも空母ハリー・トルーマンを中心とする空母打撃群をNATOとの共同演習のため北極海に派遣している。北極海の海氷融解がこれまでにないほど進行し、航路として活用可能な期間が拡大する中、沿岸国として米軍が北極海で継続的に運用し続けることが安全保障上非常に重要であるとこの司令官は述べている。
      • 原文 May 14, 2019, USNI News(武智敬司)
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