2019/05/15LROニュース(6)

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  • 2019.05.16 UP
    2019/05/15LROニュース(6)
    • 【1】中国がドバイの物流施設に34億ドルを投資
      • 【1】中国は湾岸諸国の中で2番目に経済規模が大きいUAEに対する影響力を強化するために、ドバイの2つの物流施設に併せて34億ドル投資することを計画している。具体的には、ドバイのDP Worldと連携して、世界に輸出する中国製品を保管するための560万平方メートルの規模の物流施設を24億ドルで建設するとともに、農産品・水産物・畜産物を輸入・加工・輸出するための施設を10億ドルで建設する。UAEは中国からの投資を従来から歓迎しており、中国のCoscoは2016年に7億3800万ドルを投資してアブダビに新港を建設することに合意しているほか、他の中国企業も2017年にアブダビの工業区域(industrial zone)に3億ドルを投資している。
      • 原文 Apr. 28, 2019, Logistic Middle East(長谷部正道)
    • 【2】米国防総省が中国の軍事力強化に関する議会向け年次報告書を発表
      • 【2】5月2日、米国防総省は中国の軍事力強化に関する議会向け年次報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①中国はインド・太平洋地域における抜きんでた大国としての地位を確立するために、「世界規模」の軍事力の整備を今後とも進めていく。②2018年において、中国は以上の目的を達成するために、様々な経済・外交政策と安全保障手段を引き続き駆使した。③中国は長期的な国家計画である「2025年までに国産化を進める政策(Made in China 2025)」や他の工業開発計画を通じて、輸入技術に依存しない中国国内で開発された技術への転換を引き続き図っており、また民間技術の軍事技術への統合(Civil-Military Integration: CMI)を通じて、軍の近代化を進めている。④国家CMI戦略は、ハードウェアの近代化・教育・人材育成・投資・インフラ・物流の分野に重点を置いている。
      • 原文 May 2, 2019, 米国防総省(長谷部正道)
    • 【3】欧州委員会が船舶から排出されるGHG削減手段に関する報告書を発表
      • 【3】欧州委員会がCE DelftとUMASに依頼して作成した、船舶からの排出される地球温暖化ガス(Green House Gas: GHG)削減のための短期的手段を検討した報告書を5月1日発表し、その概要は以下のとおりである。①2018年4月、IMO加盟国は船舶から排出されるGHGの総量を可及的速やかに減少するとともに、2008年の排出量と比較して2030年までに少なくとも40%削減、2050年までに少なくとも50%削減することを合意した。②この削減目標達成のための具体的な対策については、海洋環境保護委員会(MEPC 74)で議論される予定。③MEPC 74には各国から船舶運航速度の減速・船舶の運航効率の向上・機関出力の制限等の具体案が提出されているが、これらの提案が仮に厳格に実施されるのであれば、いずれの手段であってもIMOの削減目標を達成することは可能。④既存の船舶エネルギー効率管理計画(Ship Energy Efficiency Management Plan)に基づく強制力のない制限や既に国際的に合意されている「エネルギー効率設計指標(Energy Efficiency Design Index)」のさらなる強化は、IMOの削減目標を達成手段として十分とは言えない。
      • 原文 May 1, 2019, UMAS(田中亜季)
    • 【4】海洋の富栄養化を早期発見するための衛星を利用したシステムが完成
      • 【4】海洋の富栄養化は、農薬や都市ごみが過剰に海洋に流れ込むことによって発生し、海洋生態系に大きな影響を与え、赤潮と通常呼ばれる有害な藻類を大量発生させる。2008年に黄海と東シナ海で2400㎢の広範囲にわたって赤潮が発生し、100万トンの藻類を除去するのに1億ドル以上の経費を要した。国連環境計画の北西太平洋地域における海洋及び沿岸の環境保全・管理・開発のための行動計画(NOWPAP)は2008年から海洋の富栄養化について研究を進めてきたが、Googleと日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携して、クラウド技術を利用して海洋の富栄養化を評価する手法(Northwest Pacific Action Plan Eutrophication Assessment Tool: NEAT)を開発し、ウラジオストクにあるNOWPAPの特別海洋監視センター(Special Monitoring Centre)が海洋科学者たちを集めてNEATの手法を検証した。海洋汚染を2025年までに大幅に削減することは持続可能な開発目標の一部であり、各国はNEATを活用することによって、海洋汚染削減の進捗状況を把握し、報告することが促進される。
      • 原文 May 5, 2019, UN Environment(長谷部正道)
    • 【5】海洋に流入したマイクロプラスチックの多くが海底の特定部分に堆積
      • 【5】米国の国立海洋学センター(The National Oceanography Centre : NOC)のMike Clare博士の研究によれば、海に浮かぶプラスチックは全体の約1%にすぎず、残りのほとんどは海底に沈殿しており、多様な海洋生物が密集して生存する特定の深海底にマイクロプラスチックが蓄積していたことが明らかになった。海底の海洋生物に必要な栄養素等を届ける海底堆積物流が、海底峡谷等を通じてマイクロプラスチックを都市の河川から深海底まで運んでいる。Mike Clare博士は、マイクロプラスチックがどのように食物連鎖に入り込むのか把握するためには、海底の海洋生物を通じて、マイクロプラスチック分布の移動プロセスの基本的理解が不可欠であると主張した。また、調査の共同研究を行ったマンチェスター大学のIan Kane博士は、海洋汚染箇所とマイクロプラスチックを運んできた過程を結ぶデータをさらに収集し、マイクロプラスチックの最終的な堆積場所を見極める必要があると主張した。
      • 原文 May 2, 2019, 国立海洋学センター(田中亜季)
    • 【6】英国学生気候問題ネットワークがIMOで船舶運航速度の減速を訴える
      • 【6】中高生による気候変動対策を求める運動は、2018年の夏にスウェーデンの16歳の学生のGreta Thunbergさんによって開始されたが、この学生運動は瞬く間に全世界に拡大し、約150万人の中高生が各国の政府に地球温暖化防止対策の実施を働きかけている。英国では、17歳のNoga Levy-Rapportさんが英国学生気候ネットワーク(UK Student Climate Network)を率いているが、5月7日、IMOで船舶からのGHG削減策として仏・希政府が提案している減速運航を他の各国も支持するよう各国代表の前でスピーチを行った。同ネットワークは7日発表したプレスリリースの中で、「海運業界は持続可能な電池を動力としたゼロエミッション船舶技術の開発のために多額の投資をすべきだが、現時点でこうした技術開発を待っている余裕はなく、IMOがMEPCで世界的な船舶の減速運航に同意すれば、直ちに船舶からの排気ガスを大幅に削減できる。」と記述している。
      • 原文 May 7, 2019, Splash 247(長谷部正道)
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