2019/05/13LROニュース(6)

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  • 2019.05.14 UP
    2019/05/13LROニュース(6)
    • 【1】NGO・海事企業有志が強制的な船舶運航速度の減速を求める公開書簡を発表
      • 【1】NGOの「交通と環境(Transport & Environment)」が取りまとめ、9のNGOと113社の有志海事関係企業が参加して、IMO加盟国に対し、船舶からのGHGを削減するための手段として強制的な船舶の運航速度の削減を求める公開書簡が発表されたところその概要は以下のとおり。①IMOは2018年の4月に、船舶から排出される炭素を2008年実績比で、2030年までに40%以上、2050年までに50%以上削減することを合意したが、この目標を達成し、2023年までに迅速な削減を行うためには、既存舶と新造船の両方について、新たな運航制限措置をとる必要がある。②2018年4月以降、いくつかの運航制限措置が提案されたが、2008年の世界経済危機を契機に、船舶の運航速度の削減がGHG排出量の大幅な削減に寄与することが実証されたが、景気が回復するとともに、船舶の運航速度も元に戻り、GHG削減効果も無になろうとしている。③この公開書簡に参加した機関等は、船舶の種類に応じ、例えばコンテナ船については年間平均運航速度の上限を定め、その他の種類の船舶については最低運航速度を参考に最高運航速度を定め、こうした規制を速やかに実施し、船主ばかりでなく、船舶の運航会社や用船者が規制の遵守に責任を負うべきである。
      • 原文 Apr. 30, 2019, Transport & Environment(長谷部正道)
    • 【2】米海軍:中型無人海上艇の実験を順調に進行
      • 【2】米海軍研究所(Office of Naval Research: ONR)は2018年1月から、中型無人海上艇(Medium Unmanned Surface Vehicle: MUSV)の開発を進めてきたが、1号試験艇は船長132フィートで長距離の遠洋航海にも耐え、多くの実験機器も搭載することができ、無人で離着岸・給排水などの活動を行うことが可能で、居住区のスペースを節約できるので、重量や建造コストを削減できるため、運用段階に入れば通常の有人の艦艇では危険で侵入できない海域にも展開することが可能で、かつ建造コストも安いので、沈没するリスクをとった運用が可能となる。海上戦システムコマンド(Naval Sea Systems Command)はONRの実証実験の結果を踏まえて、2020年予算でMUSV計画の予算化を図る予定。2018年秋に実験艇のSea Hunterはサンディエゴと真珠湾の間で無人運航実験を行ったが、サンディエゴからの往路では、機械的な問題が3回発生して、伴走していた艦艇から、修理要員が乗り移って修理を行ったものの、真珠湾からの復路では、10日間かけて完全な無人運航に成功している。
      • 原文 Apr. 29, 2019, USNI News(長谷部正道)
    • 【3】永久凍土の崩壊が地球温暖化ガスの放出を加速
      • 【3】北極圏は地球全体平均の2倍の速度で温暖化が進んでいる。地表の温度が零度以上になると、微生物は土壌中の有機物を分解し、 二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素などの地球温暖化ガスを発生させる。永久凍土地域の土壌は、大気の2倍の炭素を含有し、その総量は1兆6千億トンにのぼると推測されている。永久凍土層は地表から徐々に溶け出し、数十年から数百年にかけてゆっくりと融解すると推測されているが、永久凍土の中の氷のポケットが溶けることによって、わずか数日間から数週間のあいだに数メートル規模の陥没が発生することがある。アラスカでは、数年前には森林であったところが現在は湖となり、川の清流も、永久凍土から溶け出した泥によって濁流となっている。こうした永久凍土の融解は、北極圏に住む先住民たちの何世代にも渡った生活様式にも大きな打撃を与えている。
      • 原文 Apr. 30, 2019, Nature(田中亜季)
    • 【4】米内務省が米国沖合の石油ガス開発の解禁が遅れることを認める
      • 【4】オバマ政権下で北極海の1億2千万エーカーの海域と大西洋の380万エーカーの海域について、石油ガス開発が禁じられたが、以上の海域における石油ガス開発を解禁しようとする2017年4月の大統領令について、3月28日アラスカ連邦地裁は、石油ガス開発の禁止措置を撤廃するためには議会の同意が必要で、議会の同意なしに石油ガス開発を再開するのは違法と判示した。この判決について控訴審で決着がつくまで、米国沖合における石油ガス開発の解禁が遅れる見込みであることを、5月2日米国内務省は認めた。オバマ政権下で作られた現行の環境保護政策を覆そうとする現政権の方針に対する裁判闘争については、上記判決ばかりでなく、これまで全米の連邦裁判所で約40件の訴訟で現政権は敗訴している。全米のほぼ全ての海域で石油ガス開発を再開するという大統領の命令を受けて、内務省は昨年解禁場所の具体的な素案を公開し、この春には最終案が決定される予定であった。共和党・民主党を問わず、メイン州からフロリダ州まで、ワシントン州からカリフォルニア州まで関係する全ての州知事は石油ガス開発の解禁に反対している。
      • 原文 Apr. 25, 2019, NY Times(長谷部正道)
    • 【5】MEPC 74: 英国船主協会が速度制限に反対を表明
      • 【5】船舶から排出されるCO₂削減対策としての船舶の減速提案に対し、英国船主協会のCEOが反対意見を5月10日に表明したところその概要は以下のとおり。①IMOにおいて開催中の海洋環境保護委員会(MEPC 74)に、船舶から排出されるCO₂削減対策として仏・希等が船舶の運航速度を減速することを提案し、環境団体も同提案を支持しているが、速度制限によって船舶からのCO₂の排出が大幅に削減できるという証拠はどこにもない。②海運業界においてはとうの昔から減速運航に取り組んできたが、その結果、CO₂の排出総量が減少したとは聞かない。③これまで海運業界は、船舶から排出されるCO₂を削減するための新技術の開発にすでに多くの投資を行ってきたが、船舶の減速運航がCO₂削減対策として承認されることになれば、こうした根本的な新技術開発の努力に水を差すことになる。④英国の海運業界はこれまで安易な方法を選ばずに、戦略的な投資を行い、船舶の脱炭素化技術において世界をリードしてきたが、世界も英国方式に学ぶべきで、IMO加盟国はこうしたまじめな取り組み姿勢をくじくような決定を行うべきではない。
      • 原文 May 10, 2019, 英国船主協会(長谷部正道)
    • 【6】アイスランド沿岸警備隊が欧州海上保安機関の遠隔操縦ドローンを活用
      • 【6】欧州海上保安機関(European Maritime Safety Agency)は2017年から、EU加盟国の海上保安機関の業務を支援するために遠隔操縦飛行システム(Remotely Piloted Aircraft Systems: RPAS)を導入し、海上における船舶からの排水・排気ガスを監視し、不法漁業・麻薬取引・不法移民を摘発し、国境を警備し、捜索救難活動を支援している。アイスランド沿岸警備隊も、このRPAS支援サービスを7月中旬まで利用して、既存の監視体制と合わせて、同国EEZ内における海上安全・保安の確保、環境保護、法執行、漁業管理を行う。使用するRPASは北大西洋特有の強風や氷にも耐えられる設計となっており、12時間以上連続飛行が可能で、2000カイリ沖合まで飛行することが可能。アイスランド東岸の空港を拠点として、同国のEEZの半分をカバーすることができる。RPASは同国沿岸警備隊のみならず、同国水産庁・環境庁・税関・警察当局も利用できる。
      • 原文 Apr. 30, 2019, EMSA(長谷部正道)
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