2019/05/08LROニュース(6)

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  • 2019.05.09 UP
    2019/05/08LROニュース(6)
    • 【1】コンテナ船:スクラバー改修工事が増加
      • 【1】Alphaliner社によれば、2020年のIMOによるSox規制実施が近づき、定期検査でドック入りした際にスクラバーの改修工事を行うコンテナ船が増えており、現在16隻の2900TEUから18000TEUまでのコンテナ船が極東の造船所でスクラバー改修工事を実施している。改修工事を行うコンテナ船は今後も増え続け、2019年下半期には、最大で毎月30隻程度のコンテナ船が定期検査でドック入りした際に改修を行う見込み。これまでに発注されたスクラバーの数は700基を超え、このうち200基は新造船向けだが、500基以上は既存船の改修需要である。このうちスクラバーの改修工事が終了したのは50隻程度で、残りはこれからの改修工事となるが、スクラバーの改修工事を行える造船所の枠は限られており、2020年初めまでに改修工事が終了する船舶は半数にも満たない見込み。
      • 原文 Apr. 25, 2019, World Maritime News(長谷部正道)
    • 【2】チリ自由競争保護裁判所が自動車輸送カルテルに最終判決を下す
      • 【2】チリの経済検察庁は欧州・米国・アジア諸国から自動車をチリに輸送する海運会社6社がカルテルを締結していたとして、2015年1月に同国自由競争保護裁判所(Tribunal for Defense of Free Competition: TDLC)に提訴していたが、このほど判決が出されたところその概要は以下のとおり。①チリのCSAV社はカルテル協定の存在を当局に通報したため罰金を免除された。②日本郵船と商船三井にはそれぞれ660万ドルと250万ドルの罰金が言い渡された。③チリのCMC・Eukor・川崎汽船は各社が関与していたアジアからの輸送について時効の申し立てをして、無罪となった。
      • 原文 Apr. 26, Seatrade Maritime News(長谷部正道)
    • 【3】米におけるレジ袋禁止の動向
      • 【3】2016年11月、カリフォルニア州は米国内の州としては初めて、ほとんどの薬局・スーパー・コンビニ等店舗において、プラスチック製または再生紙ではない使い捨てレジ袋の禁止を制定した。またこの州法では、禁止対象外である再生利用可能なレジ袋や再生紙バッグを店舗が消費者に提供する際、店舗は1枚につき10セントの支払いが義務付けられる。カリフォルニア州に続いて3月31日、NY州は、2020年3月1日までに使い捨てレジ袋の配布を禁止する州法を制定した。消費者に再生利用可能なレジ袋を提供する際、店舗は1枚ごとに5セント各自治体から請求され、低所得者やNY州の環境保護基金の助成金の一部となる。州だけではなく、米国内の地方自治体でも同様の政策が行われている。例えばハワイのすべての郡(county)では、州法以下の行政単位でも使い捨てレジ袋が禁止され、マサチューセッツ州ではボストン市を含む95の自治体が2019年3月までにレジ袋禁止に関する規制を行っている。行政単位ではなく企業の取り組みとしては、2018年8月アメリカ最大の食料品チェーンKroger’s は2025年までが店頭でプラスチックのレジ袋を段階的に廃止することを公約し、IKEAは2020年までに店頭からすべての使い捨てプラスチック製品販売の中止を発表した。
      • 原文 Apr. 17, 2019, Goulston & Storrs(田中亜季)
    • 【4】中国一帯一路:EUが一括して加入する可能性
      • 【4】独の経済相は習近平国家主席が主催する一帯一路(BRI)サミットで、EU各国が中国と個別にBRIに参加するのではなく、欧州経済地域(European Economic Area)がブロックとして参加すべきであると非公式に言及した。EUは5年以上前に中国からBRIについてブロックとしての参加を打診された際に、個々の加盟国が自主的な判断でBRIに参加するのは自由だが、EUがブロックとして参加することはないと決定しており、その後、ハンガリー・ポーランド・ブルガリア・ギリシャ・ポルトガル・イタリアがBRIに参加している。同サミットに参加した欧州委員会の高官は、独経済相の発言を否定し、EUがブロックとしてBRIに参加しないという決定は変わらないし、参加した加盟国もEUの規則に拘束されるとコメントした。習近平国家主席は37人の国家元首を含むサミット参加者に対して、BRIに伴う調達過程の透明化と、中国から財政支援を受ける国について健全な返済可能性を踏まえた投資を行っていくと表明した。
      • 原文 Apr. 26, 2019, EURACTIV(長谷部正道)
    • 【5】港湾の保安状況を強化するEU指令の実施状況に関する第3次報告書
      • 【5】4月25日、欧州委員会は欧州議会に対し、港湾保安の強化に関するEU指令(Directive 2005/65/EC)の実施状況に関する第3次報告書を公表したところ、概要は以下のとおり。欧州の港湾において、地方自治体、港湾管理者、法執行機関間の港湾保安に関する調整は進展している。本指令がテロ活動の抑止に与えた影響を評価することは困難であるも、密輸や窃盗、その他不法行為が減少していることから、これらの抑止に対しては大きな影響があった。また保安措置の導入により、貨物の保管や移動、異なる港湾区域間の人の移動の制限や立入禁止区域の設定などの見直しに繋がることが港湾の保安を図るうえで重要である。船舶及び港湾施設の保安に関するEU規則((EC)No 725/2004)と本指令による港湾保安の枠組みは現時点では必要を満たしていると欧州委員会はみなしており、今のところ本指令を修正する必要はないと考える。
      • 原文 Apr. 25, 2019, 欧州委員会(武智敬司)
    • 【6】米国魚類野生生物局がANWRにおける資源開発に対する環境影響評価を批判
      • 【6】米国魚類野生生物局(Fish and Wildlife Services: FWS)がアラスカ州北極野生生物国家保護区(Arctic National Wildlife Refuge: ANWR)において、石油ガス資源開発を承認するために、土地管理局(Bureau of Land Management)が作成した環境影響評価書(Environment Impact Statement: EIS)において、気候変動の影響のいくつかの側面が過小評価・無視されているとして批判するコメントを発表した。二つの局は同じ米国内務省に所属するので、こうした批判は異例だが、前例のないことではない。内務省は本件開発事業による排出ガスの影響を意図的に低く見積もったとして提訴され敗訴しており、FWSは気候変動が開発事業自体に与える影響についても内務省がきちんと評価していない可能性すら示唆している。FWSはいくつかの特定の研究を具体的に挙げて、アラスカのノーススロープにおける永久凍土の融解やそれに伴う地上建設物の安定性の問題等を含む気候変動による影響の可能性の全体像をさらに慎重に検討してEISに反映させるべきであるとしている。
      • 原文 Apr. 25, 2019, Science(長谷部正道)
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