2019/04/23LROニュース(6)

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  • 2019.04.24 UP
    2019/04/23LROニュース(6)
    • 【1】貨物事故通報制度(CINS)がコンテナ船への危険物積載戦略ガイドラインを作成
      • 【1】既存のリスクアセスメントを集中的に行って、危険物を積載している可能性のあるコンテナの積み付け計画や危険物輸送に伴う危機管理の改善を図るため、貨物事故通報制度(Cargo Incident Notification System: CINS)と米国船級協会(ABS)は、6か月前からコンテナ積み付けのベストプラクティスを集めた戦略ガイドラインの作成を行い、3か月の試用期間を経て、このほどガイドラインが完成し、近日中にCINSのホームページで公表される予定。
      • 原文 Apr. 17, 2019, ABS(長谷部正道)
    • 【2】60年間にわたる海洋プラスチックごみの増加が証明
      • 【2】1950年代にプラスチック製品の製造・使用が急速に拡大して以来、海洋におけるプラスチックごみが増加し、海洋プラスチックによる海洋生態系および人体の健康への影響が注目を集めている。こうしたプラスチックごみの増加にもかかわらず、40年以上を超える長期間の海洋プラスチックの観測はほとんどなされてこなかった。Nature誌にこのほど発表された研究は、1957年から2016年までの60年間にわたって、海洋中の物質を収集するための調査船によって曳航された装置(marine sampler)に引っかかったプラスチックごみ片の数値記録に基づいて調査された。調査結果によれば、1957年以降海洋マイクロプラスチック片の増加傾向が確認されているが、特に2000年代は大幅に増加したことを明らかにしている。研究の詳細については以下のリンクを参照。
      • 原文 Apr. 16, 2019, Nature (田中亜季)
    • 【3】ECSA:欧州海事単一窓口指令案が欧州議会で可決されたことを歓迎
      • 【3】欧州船主協会(ECSA)と欧州運輸労連(ETF)は欧州海事単一窓口(European Marine Single Window: EMSW)に関する最終指令案が欧州議会本会議で採択されたことを歓迎する声明を発表した。同案は最終手続として欧州理事会の承認を経たうえで発効する。ECSAとETFの海運労使は①提供しなくてはいけない情報が網羅的に含まれている整合性が取れた様式が整備され、欧州内のどの港湾でも受付てもらえること。②どの港に寄港しても、利用者が利用しやすい視覚的なユーザーインターフェースを通じて簡単に報告義務をマニュアルで履行できるようなシステムが構築されることを特に歓迎する。加盟国がEMSWの運用を直接行う職員を適正かつ十分に訓練し、船社も船長・船舶職員・陸上支援要員に必要な訓練を行い、船舶と陸上の職員が円滑に連絡を取り合い、相互に理解し、必要な支援を行うようにすることが重要とECSAとETFは考えている。
      • 原文 Apr. 18, 2019, ECSA(長谷部正道)
    • 【4】対中関係でUSCGが果たすべき補助的な役割
      • 【4】中国の台頭につれ、USCGも新型の巡視船をベトナムやスリランカ等に派遣し現地の沿岸警備隊の訓練を行うなど、USCGの役割も中国を指向したものに変化している。USCGは国土安全保障省に属するが、今年1月からアジア・太平洋地域に派遣された大型巡視船Bertholfは、派遣中は第7艦隊の指揮を受け、駆逐艦とともに台湾海峡を航行する任務を実施した。また最近では、北朝鮮による違法な「瀬取り」の取締作戦中の4月15日に、USCG巡視船としては17年ぶりに香港に寄港した。アジア太平洋地域を担当するUSCG中将はBertholfの派遣について、単に戦闘艦として派遣したのではなく、海軍艦艇との統合運用能力を示すためであると述べている。また米空軍准将は、法執行機関としてのUSCGがインド太平洋地域のパートナー国に対し深い知見と独特の能力を付与することで、国防省の目指すところを補完してくれていると述べている。USCGは密輸阻止や海賊対策等のため、ベトナムやスリランカに解役した巡視船艇を供与している。また、コロンビア沖で実施しているような薬物密輸取締りを、アジア太平洋地域で展開する可能性もある。アジア太平洋地域の安全保障専門家によれば、法執行機関の船舶は海軍艦艇と比較して相対的に事態をエスカレートさせにくいことから、USCGは従来のマイナーな関与から、現在はアジアの小国からの領海管理の要請への対応に変化している。
      • 原文 Apr. 20, 2019, Washington Post(武智敬司)
    • 【5】ギニア湾の海賊の現状について(Stable Seas提供ビデオ)
      • 【5】2013年に署名されたヤウンデ行動指針(Yaounde Code of Conduct)に基づき、中・西部アフリカの署名国は国境を越えた海上組織犯罪や海上テロ、違法漁業その他の海上犯罪の阻止に向け協力し、一部の地域では一定の成果を収めているところ、その状況を紹介する動画が公開されている。動画はリンクから。
      • 原文 Apr. 19, 2019, Safety4Sea(武智敬司)
    • 【6】中国の台頭する北極戦略
      • 【6】(論説)北極評議会の正式加盟国ではないが最大のオブーザーバー国である中国は、北極圏における科学的・経済的・政治的開発のパートナーとしての立場を強調することによって、注意深く北極圏への関与を進めてきた。5年前には協力の重点を北極海における気候変動の解明など科学的な外交に重点を置いていたが、近年は海運や資源開発などの北極圏における経済開発を含む多面的なアプローチにシフトしてきている。中国は経済大国としてヤマルLNG開発事業への参加をはじめ、ロシア領北極圏における石油・天然ガス開発への投資を進めた結果、ロシアが最もその経済的恩恵を受けているが、フィンランドも中国の経済的な支援によって北極圏における新たな鉄道路線の建設や北極海経由でアジアと欧州をつなぐインターネットケーブルの敷設計画を進め、アイスランドも中国と自由貿易協定を締結し、ノルウェーも今年末までに中国と自由貿易協定を締結することを目指している。中国資本はグリーンランドにおける資源開発にも参入しようするなど、北極圏における経済的存在感の拡大に努めている。
      • 原文 Apr. 19, 2019, High North News(長谷部正道)
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